血管力を高めて熱中症を予防しよう!

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

熱中症への対応を本格的に行わなければならない季節になり、このブログでもシリーズで『熱中症』について扱っています。

今回はいよいよこの熱中症シリーズの最終回、『血管力を高めて熱中症を予防しよう!』というタイトルで、血管力を高めるポイントも交えて熱中症になりにくい体づくりについてお伝えします。

 

血管力とは?


 

血管力とは、心拍数や体温などの内部環境の変化や、気温など外部環境の変化に応じて

 

血管を柔軟に縮めたり(収縮)広げたり(拡張)する力

 

のことです。

血管力が高ければ、血流がよくなり、血流がよくなると体の深い部分で発生した熱を拾った血液が体の表面近くまでその熱を運び、毛細血管を通じて熱を体の外に放出することができます。

そして熱を放出することで冷えた血液が体内に戻ってくることで体温が下がり、体温調整がスムーズになります。

 

逆に血管力が低いと、血管が硬く、もろくなり、必要とされる血液を全身に行き渡らせることができず、あちこちで血流が止まってしまう結果、適切な体温調整ができなくなります。

 

<あなたの血管力チェック>

あなたの血管力を調べるために、9つの質問を用意しました。

このうち3つ以上当てはまるようであれば、要注意です。

3つ以下であっても、急に最近になってこれらの質問内容に当てはまる項目が出てきた場合は

 

医療機関への相談

 

をお勧めします。

年齢よりも老けて見られる

血管力が低いと、皮膚に近い毛細血管の血流が十分に行き渡らないので、肌にハリがなく、たるみ、シミ、シワなどが多く、年齢以上に見られることがあります。

血圧の上と下との差が大きい

上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)との差が

 

60〜65mmHg以上

 

の場合、血管力が低い(=血管年齢が高い)可能性があります。

頸(くび)や上肢などの動脈が浮き上がって拍動しているのがわかる

血管力が低いと血管が硬くなり、動脈硬化を起こしやすくなってしまいます。

普段は見えないはずの動脈が浮き上がって拍動しているということは

 

動脈硬化が進行している

 

危険性があります。

左右の脚の皮膚の色・爪の伸び方・すね毛の生え方に左右差がある

本来であれば、左右対称になっているはずの皮膚の色・爪の伸び方・すね毛の生え方に左右差があるということは、血管力が低くなって十分な血流量が確保できない状態があちこちで発生していると言えます。

体は温まっているのに手足が冷たい

血管力が低いと、血流があちこちで寸断されてしまい、体の中の熱を血管を通じて手足の毛細血管に行き渡らせることが難しくなるため、体の中に熱がたまったままの状態になってしまいます。

脚がむくみやすい

④〜⑥に当てはまる人は、下肢静脈が狭くなっていたり(下肢静脈狭窄)、閉塞してしまっている(下肢静脈閉塞)危険があります。

上まぶたに黄色腫(おうしょくしゅ)という塊がある

黄色腫は全身性のリポ蛋白代謝異常(脂質代謝異常)に伴って見られる状態で

 

遺伝的に動脈硬化を起こしやすい

 

ことが指摘されています。

閉経を迎えている

女性は閉経を迎えることで、血管内皮(血管の内側の壁)機能を改善する作用を持つ

 

エストロゲンの減少

 

を来すので、血管が硬く、もろくなりやすくなります。

脈が乱れることがある

心臓内で血流が滞ることで、不整脈が生じて血管内で

 

血栓

 

が起きやすくなります。

 

いかがでしたか?

このうち3つ以上当てはまるようであれば、要注意であり、3つ以下であっても、急に最近になってこれらの質問内容に当てはまる項目が出てきた場合は

 

医療機関への相談

 

をお勧めします。

ここまでお伝えした『あなたの血管力チェック』はPDFでダウンロードできるようにしていますので、ご自由にお使いください。

↓ ↓ ↓

PDF版 あなたの血管力チェック

 

あなたの血管年齢を確認してみよう!


 

血管力とともに確認していただきたいのが

 

血管年齢

 

です。

今回はフローチャート式での『推定血管年齢チェック』の表を使いますが、最近では薬局や健康フェア(イベント)などで、指先などの毛細血管を活用して簡単に血管年齢を測ってくれます(経皮計測型測定器)ので、ぜひそちらでも血管年齢を測ってみてください。

「スタート」からはじめて、質問に対して「はい」「いいえ」で進んでください。

 

いかがでしたか?

年齢相応の血管年齢、もしくはそれよりも若い年齢であれば、適切に血管を管理していると言えます。

逆に、実年齢よりも上になってしまった場合は生活習慣を変えることや病院への受診をお勧めします。

 

血管力を高めるための10のポイント


 

実際に血管力を高めるためにはどのようなことを行う必要があるのでしょうか。

今回は10のポイントにまとめてみました。

バランスのとれた食生活を心がける。

血管力の低下の原因ともなる

 

偏った食生活

 

は、体力の低下や免疫力の低下をも引き起こしてしまいます。

血管力の低下を防ぐためには、バランスのとれた食事をすることが第一です。

基本は1日3食摂って欲しいところですが(特に成長過程の子供)、2食であっても1食にたくさんの量の食事をとらずに栄養のバランスのとれた内容であれば問題ないと思います。

そして

 

主食

主菜(メインディッシュ)

副菜

 

をきちんと食べることが大切です。

基本的には、ご飯(主食)、肉・魚(主菜)、野菜(副菜)を毎食食べることで自然と栄養のバランスは整いますが注意して欲しいのが

 

甘いもの

脂っこいもの

塩分が多いもの

食品添加物の多いもの

 

を摂取する時には、摂取量に十分気をつけてください。

ついつい甘いものや脂っこいものに手が出てしまいがちですが、これらのものを大量に摂取(もしくは毎日摂取)すると

 

血液がドロドロになる

腎機能が低下する

内臓脂肪が増加する

肥満になる

 

などの状態になりやすく、血管力の低下のみならず

 

虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)

脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)

腎臓病

 

など、生命の危険を伴う病気にもなりやすいので注意が必要です。

 

適度な運動を日常的に行う。

体を動かし、良い汗をかくことで血管力は高まります。

過去のブログ『熱中症になりやすい人・なりにくい人』の項目でも書いていますが、普段から運動をして汗をかいている人は、汗をかく時に体の中から水分を出す汗腺(かんせん)という器官が良い状態で保たれています。

そのため、普段から運動をして汗をかいている人は、比較的サラサラの汗をかき、サラサラの汗は気化しやすいため、体の中の熱を効率よく外に出して体温調整をしやすくしてくれます。

↓ ↓ ↓

サラサラの汗をかく人は、血管力が高いだけではなく、暑さに慣れるための

 

暑熱順化(しょねつじゅんか)

 

も進んでいるので、熱中症になりにくい体になっています。

血管力も高め、暑熱順化を進めて行くための効果的な運動としては

 

やや暑い環境で、ややきついと感じる強度で、毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)

ストレッチ・ヨガなどゆっくりとした呼吸法を伴う運動

 

がお勧めです。

ただし

 

心拍数が急激に上がる

大量の汗を一度にかいてしまう

 

といった激しい運動は血管への負担を強くしてしまい、かえって血管力を低くしてしまうので注意が必要です。

 

睡眠の質を高める

睡眠の質を高めることも、血管力を高める上ではとても大切になってきます。

過去のブログでも睡眠については何度も取り上げてきましたが

 

とても大切な内容を含んでいる

 

ので、今一度確認をしていただきたいところです。

↓ ↓ ↓

 

ストレスを減らす。

ストレスは万病の元です。

過労や過度の運動といった体のストレスだけではなく、精神的なストレスによっても血管力が著しく低下してしまいます。

こちらも過去のブログでもストレスについて取り上げているので、ぜひこの機会に再確認してくださいね。

↓ ↓ ↓

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よく笑う。

『笑は百薬の長』ということわざがあるように、笑うことは体の免疫力を高めるだけではなく、血管力も高める効果があります。

過去のブログでも笑うことの効果について、そのポイントも交えてお伝えしていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

↓ ↓ ↓

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禁煙する。

タバコは依存性が高いだけではなく、血管を傷つけてしまい

 

動脈硬化

血栓

血圧上昇

 

を引き起こし、血管力を著しく下げてしまいます

その結果

 

心筋梗塞

脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

肺塞栓症

肺癌

 

など、生命の危険を伴う病気にもなりやすいので注意が必要です。

また、家族の中でタバコを吸う人がいると、そのタバコの煙

 

(副流煙)

 

によってタバコを吸わない人にまで同じ病気のリスクを高めてしまいます。

 

家族も禁煙して欲しい

 

ということを知っておいてください。

 

お風呂を活用した『和温療法』を取り入れる。

血液循環をよくして血管力を高める治療法として

 

和温療法(わおんりょうほう)

 

が注目されています。

正式な治療は

 

低温乾式遠赤外線サウナ室

 

を使用しての治療のことを言いますが、自宅のお風呂で実践することも可能です。

方法としては

 

41℃のお湯に10分間肩までしっかりと浸かって体内の温度を約1℃上げる。

その後、布団に入り30分安静にして休む。

あとで体重測定をして体重が減った分の水分を摂取する。

 

週に4〜5回行い、慣れてきたら少し回数を減らして週に2〜3回のペースで行うのがお勧めです。

ただし

 

高血圧・糖尿病の治療中

呼吸器疾患の治療中

心臓疾患の治療中

脳梗塞になったことがある

内服薬がたくさんある

 

場合は、必ずかかりつけのお医者さんに相談してから行うようにしてください。

 

紫外線を浴びすぎない。

過去のブログでは、適度な紫外線にあたることは

 

ビタミンD

 

を生成する上でとても大切なことをお伝えしました。

↓ ↓ ↓

↓ ↓ ↓

しかし、紫外線を浴びすぎると血管を傷つけてしまい、血管力が低下してしまいます。

特に夏場の紫外線は質量ともに非常に強く、皮膚の毛細血管を傷つけるだけではなく

 

目の機能

免疫機能

 

までも傷つけてしまう恐れがあるので、注意が必要です。

夏場の時期に限らず、気象庁が定期的に更新している

 

紫外線情報

 

も参考にしてみてください。

↓ ↓ ↓

気象庁 紫外線情報

 

過労を避ける。

連日の仕事などで体が疲れ切ってしまうことも多いかと思いますが

 

過労は血管力を急速に下げてしまう

 

ことも、最近の研究で分かってきました。

特に、過労は肉体的ストレスだけではなく精神的ストレスをも強めてしまうので

 

不眠症

食欲低下

意欲低下

 

などにも繋がり

 

うつ病

 

を発症させてしまうことにも注意が必要です。

 

生活のリズムを保つ

規則正しい生活は、血管力を高め、熱中症を予防するためにとても大切なことです。

休みの日であるかないかに関わらず

 

毎朝起きる時間を決める

毎晩寝る時間を決める(夜更かしをしない)

お風呂に入る時間を決める

3食きちんと食事を摂る(2食の場合は1食での食事量を増やしすぎない)

体を動かす時間を作る

暑熱順化しやすい環境を作る

 

といった、体に良いリズムを作ることが大切です。

 

まとめ


 

今回はシリーズ『熱中症』の最終回として『血管力を高めて熱中症を予防しよう!』というタイトルで、血管力を高めるポイントも交えて熱中症になりにくい体づくりについてお伝えしました。

血管力が高ければ、血流がよくなり、血流がよくなると体の深い部分で発生した熱を拾った血液が体の表面近くまでその熱を運び、毛細血管を通じて熱を体の外に放出することができます。

そして熱を放出することで冷えた血液が体内に戻ってくることで体温が下がり、体温調整がスムーズになります。

また、血管力を上げることは、血管内を行き来する

 

好中球

マクロファージ

樹状細胞

ナチュラルキラー細胞

 

といった

 

免疫細胞

 

が通りやすくなり、免疫機能が高まる効果もあるので、是非この機会に血管力を上げる(血管力を下げない)取り組みを行っていただきたいと思います。

大切な家族を守るためにも、今回お伝えしたことが少しでもお役に立つことができればと思います。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

↓ ↓ ↓

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