こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
前回の記事で
万能ビタミン、その名も『ビタミンD』
について、その特徴と効果についてお伝えしました。
日本人は
日焼け=がんなどの病気になる
という認識が1990年代から強まり、その結果、日光にあたる機会が減り
十分なビタミンDが体内で生成されずに健康にも影響してきている
という話を前回お伝えさせていただきました。
第2回目の今日は、ビタミンD生成に必要な日光浴・食事の目安についてお伝えします。
第1回目も参考にしていただきながら見ていただけると、より理解が深まると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
_〆(*’ω`☆!)
目次
ビタミンD生成に必要な日光浴・食事の目安
前回の記事でもお伝えをしましたが、ビタミンDは他のビタミンと違い
食材だけでなく日光を浴びることでも体内で作ることができる
という特徴があります。
しかも日光を浴びることによって
80%〜90%を体内で作ることができる
という特徴もあります。
ビタミンD生成に必要な日光浴の目安
厚生労働省が勧めるビタミンDの1日の量は
15μg以上/日
としています(1μgは100万分の1グラムを表します)。
食品から摂るビタミンDの必要量の目安が5.0μg〜8.5μgとすると
6.5μg〜10.0μg
は日光浴などでビタミンDを生成する必要があります。
この日光浴ですが、さまざまな文献や資料を調べているのですが、目安となる時間が結構バラバラに記載されています。
5分、10分、15分、30分以上、1時間くらい
など、実に幅広い時間帯で書かれています。
(;´・ω・)ウーン
なぜ、こんなにバラバラになるかと言うと
測定場所(地域)、日照時間の長さ(夏は日が長く冬は日が短い)、目的とする効果
によって、ビタミンDの生成に必要な
紫外線の量が異なる
からです。
例えば、5.5μgのビタミンDを日光浴で生成するとします。
日本人の平均的な皮膚の状態を国際標準の『スキンタイプ III』と設定して、皮膚の表面積としては大人の両手の甲と顔を合わせた面積に相当する600 cm2を用いて測定してみます。
すると12月の札幌では、晴れているお昼の12時という一番紫外線の強い状況下であっても
76.4分
の時間を必要とします。
しかしながら、同じ12月の沖縄県の那覇市では
7.5分
だけで、5.5μgのビタミンDを生成することができます。
<出典:国立環境研究所 地球環境研究センター>
つまり、数値だけをみると同じビタミンDを生成するのに場所によって日光浴の時間も変わってくるということです。
また、骨の生成に必要なビタミンDの量と免疫系の活性化のために必要なビタミンDの量が異なるため、時間がバラバラになっていると言えます。
そこで、さまざまな文献を私なりにまとめてみた結果、以下の表の内容が言えるのではないかと考えました。
あくまでも私見ではありますが
30分
というのが骨の生成にも免疫系の活性化にも共通する時間のように思います。
ただし、乳幼児など肌が未発達の子供などは
5分
くらいからまずは様子を見てください。
ちなみに、各機関のホームページなどに示されているビタミンD生成のために推奨される日光照射時間の表もつけておきますので、参考にしてみてください。
細かい数値が気になる方は、国立環境研究所 地球環境研究センターのホームページでリアルタイムに紫外線量とビタミンD生成・紅斑紫外線量情報が掲載されていますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
ビタミンD生成に必要な食事の目安
ビタミンDは1日にどのくらい摂取することが望ましいのでしょうか。
厚生労働省が策定した『日本人の食事摂取基準(2020年版)p178〜187』によると
18歳以上(妊婦も含む)は8.5μg/日(マイクログラム/日)
小児は5.0〜8.0μg/日(マイクログラム/日)注1)
乳児(生後0ヶ月から11ヶ月)は5.0μg/日(マイクログラム/日)
とされています。
また、ビタミンDは摂りすぎると別の病気を発症してしまう危険性があるので、ビタミンD摂取量の上限値は
18歳以上(妊婦も含む)は100μg/日(マイクログラム/日)
小児は25〜80μg/日(マイクログラム/日)注1)
乳児(生後0ヶ月から11ヶ月)は25μg/日(マイクログラム/日)
とされています。
注1)小児の場合は平均摂取量と血液中のビタミンDの濃度差を比較することができなかったため18歳以上で得られたデータと乳児の値をもとに体重比で計算する必要があるので、ここでの数値はおおよその目安だとご理解ください。
ビタミンDが多く含まれる食品としては
きのこ類、魚類、肉類、卵黄
が知られています。
代表的なものを表にまとめてみました。
ちなみに、お酒を飲む人が好きなあんこうの肝(通称:あんきも)は
110.0μg
ΣΣ(゚д゚lll
も含まれるので、食べ過ぎには十分注意してくださいね。
その他の食品に関して、それぞれの食材に含まれるビタミンDの量(含有量)について<外部リンク『旬の食材百科』>に詳しく掲載されていますので、そちらも参考にしてみてください。
ビタミンDは脂溶性なので、脂質を含む動物性食品から摂取した方が吸収されやすいとされています。
きのこ類は炒め物や揚げ物として良質の油とともに摂取することで吸収率を上げることができます。
日本人は全体的に摂取するビタミンDの割合が少ないので、サプリメントで補うことが望ましいとする意見もありますが、過剰なビタミンDの摂取は病気を引き起こす可能性もあるので
1日に必要なビタミンDの量と摂取量の上限値のバランスをみる
ことがとても重要になります。
ビタミンDと病気との研究は、今まさに進められている段階なので、ビタミンDで多くの病気が予防もしくは軽減されるのであれば、今後の研究に注目していきたいですね。
まとめ
今回は『日光浴をしないと病気になる? ビタミンD生成に必要な日光浴・食事の目安』についてお伝えしました。
日光浴に関しては、さまざまな条件はありますが
30分程度
を一つの目安にして、食事に関しては
きのこ類、魚類、肉類、卵黄
などからビタミンDを摂り入れることを行っていただき、不足しがちなビタミンDをしっかりと体に取り入れることが大切だということがお分かりいただけたかと思います。
次回以降は『ガラス越しの日光浴でビタミンDは作られるのか』についてお伝えできればと思います。
ヾ(´□`* )ノ
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最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます!
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久しぶりにコメントを送ります。
情報だけでなくもとづいたデータまでのせてあるのでとても参考になり感心ばかりしています。毎回、大変とは思いますがありがとうございます。
やまおさん
いつもコメントをありがとうございます^^
作業療法士は皆さんの健康に貢献することが仕事ですし、また、医療職でもあるため、可能な限り根拠に基づく説明をすることを求められます。
データは変動するものですが、目安を数値化するためにはもちろん文献などを調べる必要がありますけれど、皆さんのお役に立てるのであれば全く苦ではないですよ。
またお気軽にコメントをいただけるとありがたいです(*^^*)
こんにちは!
わんこです!
初コメントです!
私のブログの記事の疑問対して合っている記事だったのでリンクを張らせてもらいました!https://ameblo.jp/wannkon/entry-12598224451.html ご迷惑でしたらお手数ですが、連絡を下さい。
わんこさん
コメントありがとうございます^^
記事を拝見しました♪
今後ともどうぞよろしくお願いします(*^^*)