こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
シリーズ『免疫力』、第8回目の今日は免疫力アップにつながる
免疫力を上げるためのオススメの運動
についてお伝えします。
記事の前半は説明文が多いのですが、後半の『免疫力を上げるための運動』では動画を用いて解説していますので、説明文を読むのが面倒だと思われる方は、ぜひ動画を参考にしていただけたらと思います。
できるだけ分かりやすい説明を心がけていますが、もしご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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☆ヾ(´∀`)(´∀`)ノ☆
目次
アスリートは風邪をひきやすい!?
運動といえば、スポーツに関連した
アスリート
をイメージする人も多いのではないでしょうか。
アスリートたちは常に最高のパフォーマンスが行えるように、激しい運動を繰り返しながら肉体・精神を日々鍛えていますよね。
そんなアスリートたちは、特別な病気以外では、一般的には
健康的であり
免疫力が高い
というイメージを持たれやすく、病気とは無縁であるかのように思われています。
しかし、意外と思われるかもしれませんが
アスリートたちは風邪をひきやすい
という報告があります。
2012年のロンドンオリンピック開催中に、病気で医務室を訪れた選手のうち、最も多かったのが
上気道感染症(風邪):41%
であり、その他の大きな国際大会で起こる内科系疾患の順位においても、風邪が最も多いという内容であり、その大きな理由として、ウイルスや細菌を捕まえて唾液・消化液・涙などの粘膜への侵入を防ぐ
SlgA(分泌型免疫グロブリン)
という物質が、激しい運動によって
急激に下がってしまう
ことで、風邪などの病気にかかりやすいと言われています。
また、激しい運動をすると、免疫細胞の要(かなめ)として、たびたびこのブログにも登場している
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)
は活性化しますが、運動後には急激に下がるため、急激に下がったタイミングで感染源となる
ウイルス
細菌
が体内に侵入すると、容易に病気になりやすいとも言われています(下図参照)。
この図での増減は、NK細胞に限らず、免疫細胞である
キラーT細胞
ヘルパーT細胞
においても、NK細胞の増減幅の大きさではないものの、ほぼ同様の動きを見せます。
他にも、激しい運動で呼吸が浅くなると、末梢血管まで血液が十分に行き渡らずに
血流が悪くなってしまう
ことで、免疫細胞の行き場が限られてしまうことで感染症にかかりやすくなってしまったり、プロスポーツならではのプレッシャーから
過度のストレスを抱えてしまう
ことで、NK細胞の活動が制限されてしまい
感染症にかかりやすくなる
とも言われています。
したがって、激しい運動をするアスリートよりも、程よく軽い運動をしている人の方が
免疫力が下がりにくい
と言えるのだと思います。
ジョギングは免疫に良い働きがあるのか?
「じゃあ、ジョギングくらいなら良いのかな?」
(´・ω・)ソノクライナラ
という意見もあると思います。
確かに、健康のためにジョギングをされている方も多いですね。
しかし、こと免疫力に限った話で言うと
ジョギングはあまりお勧めできない
ところがあります。
寒い日または気温の低い朝などは、朝起きた時点ではまだ身体の中の細胞・組織・臓器・ホルモンなどがまだ十分に活動できる状況にないため、朝起きてすぐにジョギングをすると
身体の変化に細胞・組織・臓器・ホルモンなど耐えられなくなり
免疫力の働きが阻害されてしまい
感染症などへの抵抗力が落ちてしまう
という結果に繋がってしまいます。
また、ジョギングは
血圧を急激に上下させてしまう
ことでも知られているため
心不全など循環器疾患のリスクが上がる
要因にもなってしまいます。
胃腸の働きに関連したことで言うと、ジョギングをすることで体温や心拍数を上げるために
交感神経の働きが優位になる
ことで、心臓や筋肉の働きが促進されますが、一方で胃腸の働きを良くするための
副交感神経の働きが抑えられる
ことで、胃腸の活動が弱まり、腸内環境が乱れやすくなり
免疫力が下がってしまう
ことが言えます。
腸内環境と生活習慣については、過去の記事でも紹介していますので、ぜひこの機会に参考にしていただけたらと思います。
リンク:免疫力アップで健康生活|腸内環境を整えるための生活習慣
「ジョギングはダメなの?今までずっと続けているけど…」
(・ω・`)イマサラ…
と不安になる方もおられるかもしれませんが、ジョギングが絶対ダメだと言っているわけではありません。
次のような場合は、ジョギングをしても問題ありません。
①ジョギングが習慣化している
②ジョギング前の準備運動を入念に行っている
③医師から運動制限・水分摂取制限などの指示が出ていない
④基礎疾患の管理がきちんと行えている
要するに、自己管理がきちんと行えていて、それでいてジョギングが習慣化されているのであれば、その人にとってジョギングは軽い運動に分類されるため
免疫力が下がりにくい
と言えます。
このことは理学療法士のもっちーさんの動画で分かりやすく解説されていますので、そちらも参考にしていただけたらと思います(ジョギング=ランニングとしてご紹介しています)。
この動画では、免疫力に影響を与える
運動
栄養
睡眠
についても分かりやすく説明されていますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
免疫力を上げるための運動
ここまでは、激しい運動をする人よりも、程よく軽い運動をしている人の方が
免疫力が下がりにくい
ことをお伝えしてきました。
では具体的にどのような運動がお勧めなのでしょうか?
腸内環境を良くするための生活習慣の記事でも取り上げた
ウォーキング(1日3000歩から5000歩を目標)
エアロバイク(低負荷の有酸素運動)
ストレッチ(無理のない範囲で朝昼晩10分程度)
スロースクワット(5秒かけて膝を曲げて5秒かけて膝を伸ばす)
太極拳(指導者のもとで呼吸法と合わせて)
など、体に無理のない範囲で
じんわりと汗をかく程度
の運動はお勧めできます。
この内容も含めて、私は以下の3つを例にあげて説明したいと思います。
1.ウォーキング
ウォーキングは最も行いやすく、かつ、免疫力を高めるためにとても効果的な運動です。
最近は健康志向の影響もあり、スマホやアップルウォッチなどに搭載されている
デジタル万歩計
を参考にしたり、健康関連のアプリを活用してウォーキングをされている方も多いようです。
ウォーキングをする際のポイントとしては、次の3つがあげられます。
①のんびりぼつぼつ歩く
のんびりぼつぼつと歩くことで、身体の中の細胞・組織・臓器・ホルモンなどがじわりじわりと活動を始め、少し汗をかく程度まで歩く頃には
血流が良くなり
免疫力も上がってくる
ことが言えます。
また、森林浴なども取り入れることで
リラックス効果が期待できる
ので、リラックスすることで
副交感神経が高まり
腸の働きが良くなる
ことにも繋がり、その結果
NK細胞が活性化する
腸管免疫機能が高まる
ことにも繋がります。
②リズミカルに歩く
鼻歌を歌いながらや音楽を聴きながら歩くことで気分が良くなり、免疫力向上にもつながる
セロトニン
が分泌されます。
セロトニンは
幸せホルモン
とも呼ばれており、特に
抗ストレス作用がある
ことでも知られており、セロトニンが分泌されることで気分がさらに良くなり、その結果
NK細胞が活性化する
腸管免疫機能が高まる
ことにも繋がります。
ただし、音楽を聴きながらのウォーキングの際には
歩行者
自転車
自動車
電車
など、周囲の環境には十分に注意する必要があります。
③1日3000歩〜5000歩が目安
厚生労働省は1日あたりの効果的な歩数を約8000歩としており、目標は10000歩と計算しています(リンク:厚生労働省 身体活動・運動)。
しかしこれはあくまでも目安であって、普段からそもそも歩いていない人にとっては8000歩ですら体の負担になります。
この記事では
1日3000歩〜5000歩
とお伝えしていますが
普段歩き慣れていない人は、普段の「歩数+1000歩」くらいできれば十分
と思ってください。
スマホやアップルウォッチなどに搭載されている万歩計や、健康関連のアプリなどを参考にして自分の歩数をカウントしてくれる機能を活用して
まずは自分の普段の歩数を確認
してから、それよりもちょっと歩くくらいのペースを守りましょう。
2.ヨガ・ピラティス・ストレッチ
ヨガ・ピラティス・ストレッチといった運動は、自宅でも行える運動です。
ゆっくりとした呼吸を伴う運動は
副交感神経の働きを良くする
血液循環が良くなって末梢までの血流量が上がる
ことが期待でき、その結果
免疫力を上げる
ことにも繋がります。
こうした運動はまとまった時間に一気に行うのではなく
少しずつ
できるだけ多く
行うことが効果的です。
参考として、お勧めの動画を紹介いたします。
<ヨガ>
ヨガマットを用いて、呼吸とゆったりとした動作を組み合わせて、自律神経を整えて免疫力を上げるヨガを22分程度で分かりやすく解説をしています。
ヨガは腹式呼吸を意識して行うので、この動画でも腹式呼吸の方法について詳しく述べられています。
<ピラティス>
ピラティスとは、ドイツ人のジョセフ・ピラティスが、幼少期に自身の病弱な身体を改善するために考案したのがそもそもの始まりです。
その後、第一次世界大戦で従軍看護師として看護にあたっていたことで、負傷兵が寝たままリハビリできるエクササイズへと発展し、さらに1926年にピラティス氏がアメリカに渡り、そのエクササイズがニューヨークのダンサーに受け入れられたことが、現在のピラティスにつながっています。
ピラティスがヨガと異なるのは、胸式呼吸を用いるところです。
この動画では、お腹周りを意識したピラティスの動きについて
まだピラティスをしたことがない人
立ったままでの実施が難しい人
短時間から始めたい人
向けに音楽に合わせて7分程度の簡単なエクササイズで構成されています。
<ストレッチ>
健康院クリニックの健康カウンセラーの小原桂子さんが、マットを用いて簡単に行えるストレッチを紹介されています。
4分程度で四つ這いの姿勢で行えるストレッチを紹介されています。
四つ這いになれる場所であれば、どこでも簡単に行えるストレッチであり、肩や腰への負担も最小限に抑えることができるので、お勧めのストレッチ方法だと言えます。
ただし
股関節・膝・肩・障害ある人
ぎっくり腰の既往がある人
は、実施前に医師または理学療法士など、医療専門職に相談をしてから実施をしてください。
3.太極拳
太極拳は
体の中心を意識しながら
呼吸法を用いて
一つ一つの動作を意識して
関節と普段使わない筋肉を同時に動かす
ことが特徴です。
呼吸法を用いることで
リラックス効果
血液循環を良くする
だけではなく、一つ一つの動作をしっかりと行うことで
運動機能向上
感覚神経を高める
心肺機能の向上
といった、免疫力を高めること以上の効果が期待できます。
私のブログ友達でもある
のブログで、太極拳の極意について分かりやすく、かつ、詳しく説明されていますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
<marugeさんのブログ:随筆★太極拳>
また、太極拳をこれから始めたい人、やり方がいまいち分からない人は、次に紹介する
を参考にされると良いでしょう。
12分程度の動画で、太極拳における動作のポイントが分かりやすく解説されています。
ある程度、太極拳ができるようになっている人は、中村げんこうさんの動画がお勧めです。
なかなか覚えられない太極拳のコツについて25分程度の動画で分かりやすく解説されています。
少し長めの説明でもあるので、ゆっくりと見ながらその場で動きの再現ができるような状況で動画を見ることをお勧めします。
中村げんこうさんは、他にも太極拳について、初心者から上級者までの分かりやすい動画を数多くupされていますので、この機会にぜひ参考にしてみてください。
<リンク:太極拳中村げんこう>
まとめ
今回はシリーズ『免疫力』の第8回目として、免疫力アップにつながる
免疫力を上げるためのオススメの運動
をお伝えするとともに
アスリートと免疫力との関係
ジョギングと免疫力との関係
免疫力を上げるためにおススメできる運動
についてお伝えしました。
運動一つ取り上げても、免疫力を上げることにつながる運動もあれば、むしろ免疫力を下げてしまう運動もあります。
今まで運動を続けてきた人も、これから運動を始めようとしている人も、この記事が少しでもお役に立つことができれば幸いです。
コロナ禍がひと段落しても、感染症や病気から身を守ることがとても大切になってくるということを私たち一人ひとりがしっかりと認識し、このシリーズを通して免疫力を少しでも高めることができるようになっていただければ、とても嬉しいです。
(ㅅ´ ˘ `)♡
皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。
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