こんにちは。作業療法士の川本健太郎です。
毎日を忙しく過ごして夜遅くまで起きていたり、テレビやインターネットなどを見ていてついつい夜更かしをしたりすることは、誰でも経験することだと思います。
私も、仕事が忙しくなっている時や、ブログを書いている時に、ついつい夜遅くまで起きていることがあります。
睡眠が大切であることは分かっていても、いろいろなことが気になって寝られないこともありますよね。
特に今はSNSなどに24時間いつでもアクセスできるだけに、時間の感覚を忘れてしまい、気がつけば睡眠時間を削ってしまっていた、なんてこともあるのではないでしょうか。
その結果、睡眠不足で翌日だけでなく、次の日もその次の日も疲れがなかなか取れないということがあります。
「人生の3分の1は睡眠です」
というキャチフレーズのテレビコマーシャルがあるように、生活においては睡眠がとても重要な役割を果たします。
特に、『質の良い睡眠』が得られないと、いつの間にか体調を崩してしまい、病気にかかりやすくなってしまいます。
今回は、『質の良い睡眠』を得るための10のコツについてお伝えできればと思います。
目次
睡眠不足は病気のもと
仕事や家のことや勉強などで忙しい日が続いたり、録画したドラマや映画を週末に一気に見たり、ゲームに熱中したりすると、いつの間にか普段の寝る時間を過ぎてしまったという経験は皆さんもあるのではないでしょうか。
これが月に1日とか2日程度であれば、それほど大きな問題になることはないのですが、1ヶ月のうちの半分以上こうした状態が続くと、健康への影響が心配されます。
また、たとえ睡眠時間が取れていたとしても、『質の良い睡眠』でないと、体も心も疲れたままの状態となってしまいます。
『質の良い睡眠』が得られないと
①細菌やウイルスから体を守るための免疫力が低下してしまう
②肥満や高血圧などの生活習慣病を予防するための体内ホルモンのバランスが崩れてしまう
③抑うつや不安など心の健康状態が不安定になってしまう
といったことが起き、その結果、病気を発症してしまうことにもつながります。
では、『質の良い睡眠』とはどんな状態のことを言うのでしょうか。
以下のチェック項目を見ていきましょう。
□ 規則正しい睡眠と覚醒のリズムが整っていて、昼と夜のメリハリがはっきりしている。
□ 必要な睡眠の量(時間)が確保されていて、日中に過度の眠気や居眠りが起きない。
□ 浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」が規則的に繰り返し、睡眠の途中で目が覚めることが少なく、安定した睡眠が得られる。
□ 寝床についてから過度に時間をかけずに入眠できる。
□ 朝は気持ちよくすっきりと目覚めて、行動を開始するまでにそれほど時間を必要としない。
□ 睡眠で熟睡感が得られる。
□ 日中、過度の疲労がなく活動意欲が得られる。
<参照:厚生労働省 『より健康的な睡眠を確保するための生活術』>
皆さんはいくつの項目にチェックがついたでしょうか?
もし、チェックが少ないようであれば、今の睡眠について考えた方が良いかもしれませんね。
睡眠時間の目安
では、睡眠時間の目安はどのくらいなのでしょうか。
睡眠は、
浅い眠りの「レム睡眠」
深い眠りの「ノンレム睡眠」
を90分ずつ繰り返していて、
「レム睡眠」の時に起きるとすっきりと目が覚めます。
睡眠時間は人それぞれですが、「レム睡眠」の時に起きることを考えると、90分の倍数となる睡眠時間が理想とされています。
(例えば90分×4=360分=6時間、90分×5=450分=7.5時間)
といった計算となります。
ここで求めた睡眠時間をもとに、目覚まし時計をセットしてみて、自分に合った一番良い睡眠時間を測ってみましょう。
人によっては、短い睡眠時間でも快適に感じると思いますし、逆に長い睡眠時間では不快に感じる人もいると思います。
まずは自分に合った睡眠時間を確保して、睡眠のサイクルを知りましょう。
『質の良い睡眠』を得るための10つのコツ
『質の良い睡眠』を得るために、普段の生活の中で心がけたいことがあります。
以前ブログでもお伝えした『年末年始をゆっくり過ごしたい人へ 健康を保つための注意点』でも以下の内容の一部をお伝えしていますので、この機会にぜひご参照ください。
あわせて読みたい <年末年始をゆっくり過ごしたい人へ 健康を保つための注意点> まとまった休みの過ごし方についての記事ですが、普段の過ごし方にも通じる内容のことを書いています。 |
1.規則正しい生活をする
睡眠も生活習慣のひとつです。
質の良い睡眠を得るためには、規則正しい生活を送ることがまずは大切になります。
どうしても夜遅くまで仕事や勉強などをする場合は、いつまでにどこまでをするかなど、時間を決めておくことが大切です。
例えば、
「23時までは頑張るけど、それを過ぎたら頭をリセットして寝床につく」
といったようにしてみることも大切です。
そのまま起きている時間が伸びても、脳が疲れ果ててしまっていては、良いアイデアも浮かばず、かえって効率が悪くなります。
むしろ規則正しいリズムでいる時の方がはるかに良いアイデアが浮かんできたり、意外なひらめきがあったりするものです。
また、食生活においても同じことが言えます。
3食(もしくは2食)をできるだけ規則正しくしっかりとって、日中に活動するためのエネルギーを補給しましょう。
寝る前についつい甘いものや食べ物を口にしてしまいがちですが、寝る前に食事をとると胃や腸の働きが過剰になってしまうだけではなく、胸焼けや消化不良などでかえって睡眠を妨げてしまう原因になるので、やめましょう。
寝る前のカフェイン摂取や喫煙は、目を覚ましてしまう効果があり、アルコール摂取は眠りが浅くなるので避けましょう。
2.運動習慣を持つ
普段から運動する習慣がある人は、寝る3時間くらい前の夕方から夜にかけて運動を行うことをお勧めします。
これは、運動によって一時的に上がった脳の温度が寝床に入る時までに緩やかに下がることで、リラックス効果があり、スムーズな睡眠が得られやすくなるからです。
では、運動習慣がない人はどうでしょうか。
いきなりランニング・ジョギングなどを始めると、心臓への負担も大きくなりますし、かえって規則正しい生活が乱れてしまう可能性もあります。
なので、普段あまり運動する習慣のない人は、軽めのストレッチからはじめて少しずつ体を慣らしていきましょう。
最初は10分くらいのストレッチ(自分の体にあったやりやすいものからで大丈夫です)でもじわっと汗をかいてきます。
ストレッチに慣れてきたら、散歩など軽めの運動から始めましょう。
散歩の目安は1日6000歩から7000歩ですが、普段歩き慣れていない人は、普段の「歩数+1000歩」
くらいできれば十分と思ってください。
最近ではスマホなどに自分の歩数をカウントしてくれる機能もついていますから、まずは自分の普段の歩数を確認してそれよりもちょっと歩くくらいのペースを守りましょう。
ただし、寝る直前の激しい運動は脳も体も興奮してしまって眠れなくなるので避けましょう。
3.入浴は寝る2〜3時間前に行う
入浴は体温を一時的に上げるので、運動と同じように寝つきを良くして深い睡眠を得る効果があります。
全身浴で熱いお風呂につかりたいという方もおられるかもしれませんが、質の良い睡眠を意識するのであれば、
約40℃のお湯で半身浴
することをお勧めします。
半身浴の時間は、上半身が温かくなり、じんわりと汗をかくくらいが目安です。
半身浴は、心臓への負担を少なくしつつ、全身をゆっくりじっくり温めてくれる効果があります。
ただし、お風呂場の中がどうしても寒いのであれば、タオルなどを肩からかけて初めのうちは上半身を冷やさないようにして、体が温まってきたと感じたらタオルをとる方が良いと思います。
また、全身浴の場合は、
38〜40℃のぬるま湯で25〜30分の入浴
42℃前後の熱めのお湯で5分程度の入浴
することをお勧めします。
もちろん、持病などがあってお医者さんから入浴方法についての指導がされている方や、普段から何らかのお薬を飲んでいる方は、専門家に相談の上、体調にあった入浴方法を選びましょう。
4.朝起きたら光を浴びる
ヒトを含む生物には、それぞれ固有の『体内時計』と呼ばれる時間を持っています。
ヒトの『体内時計』は地球の自転による昼と夜の変化の基準である24時間よりも若干長いとされています。
また、季節によっては、太陽がのぼっている時間が長い日もあれば短い日もあるため、1日として同じリズムで昼と夜を迎える日はありません。
そのため、ヒトは、主に目から入った明るさ・暗さの情報を敏感にキャッチして、『体内時計』に伝える機能を備えています。
この『体内時計』は、体温調整やホルモン分泌などと互いに深く関係しているので、『体内時計』が狂ってしまうと、体温調整やホルモン分泌がうまく行えず、睡眠不足の原因にもなってしまいます。
なので、朝起きて光を浴びると、『体内時計』がリセットされ、1日の昼と夜とのリズムのズレを修正してくれます。
できれば太陽の光が望ましいのですが、曇りの日や雨の日では、光を感じることのできる明るい部屋に移動するだけでも、十分な効果があります。
それとは逆に、夜に強い光を浴びてしまうと、『体内時計』が遅くなってしまい、昼と夜のリズムが狂ってしまう可能性があるので、夜寝る前の照明はできるだけ控えめにしましょう。
5.昼寝を活用する
適度な昼寝は『体内時計』を整えるだけではなく、脳の働きを整える作用があることから、最近では企業などでも積極的に昼寝時間を活用するところも増えてきています。
昼寝は体に無理のない姿勢で
15分から20分程度
すると効果的であると言われています。
高齢者では
30分程度
の昼寝が良いとされています。
ただし、昼寝だからといってベッドに横になることはお勧めできません。
一番の理由は、昼寝の多くは昼食後にすることから、ベッドで横になってしまうと、胃液が逆流してしまうことや、消化不良を引き起こしてしまうからです。
また、ベッドに横になると、予定以上の時間寝てしまい、かえって生活リズムが崩れてしまう可能性があるので、昼寝をする時にはベッド以外の場所を選ぶと良いでしょう。
6.寝る場所の環境を整える
夜寝る場所の環境を整えることはとても重要です。
室内の温度・湿度は季節に応じて適切に保たれていて、静かで暗い環境が質の良い睡眠をもたらしてくれます。
基本的には、寝る場所に決めているところには、睡眠を妨げない環境にしておくことが望ましく、光や音の刺激が少ない方が良いとされています。
ゲームなどの遊具やパソコンや本などがあると、ついついそちらの方に意識が向いてしまい、眠りへの意識が妨げられてしまうので、できれば寝る場所から離しておくか、寝ると決めたら寝る時間の30分前には作業を止めるようにしましょう。
また、保温・湿度調整はとても大切なことであり、
寝床の中の温度は
33℃前後
湿度は
50%前後
が良いとされています。
7.よく眠れる寝具を選ぶ
最初に紹介した
「人生の3分の1は睡眠です」
はある寝具店のキャッチコピーでもあります。
深い眠りを保つために、体は汗をかいているので、
吸湿性・放湿性が良く
保温性が高い
寝具を選ぶことをお勧めします。
敷布団やマットは適度な硬さ
掛け布団は体にフィットしやすく軽いもの
をお勧めします。
また、枕に関しては
首や肩への負担が少ない
寝返りをうった時に無理な姿勢にならない
ことに注意して、自分にあった硬さや高さで安定感のあるものを選びましょう。
最近では、インターネットや通信販売でマットレスや枕の販売もされていますが、
できるだけ自分で体感してから購入する
ことをお勧めします。
皆さんそれぞれに異なる体の仕組みでもありますので、お店の人と直接相談しながら自分にあった寝具を選ぶことがとても重要になってきます。
また、寝具を選ぶ際には
メンテナンス方法やメンテナンス時期
も必ず確認するようにしてください。
8.寝る前に軽めのストレッチをする
寝る前に軽めのストレッチをすることで、質の良い睡眠に繋がります。
おすすめはヨガなどで行われる
『鋤(すき)のポーズ』
と言われるもので、背中をゆっくりと伸ばす作用があります。
日中にたまった背中のコリをほぐすだけではなく、足先から脳までの血流が良くなり、深い眠りに繋がります。
実施するときは、ベッド上やフワフワのマットレスなどの柔らかい場所ではなく、ヨガマットや少し硬めのマットレスの上などで行うことが望ましいです。
ただし、間違った方法で行うと、首に負担がかかってしまうことがあるため、初めて行うときは専門家の指導を受けて行うことをお勧めします。
特に
首や肩のトラブルがある
高血圧症がある
緑内障や網膜剥離といった目の病気がある
生理中
などの症状がある場合は行わないようにしてください。
また、足を床につけるために反動をつけて行うことは絶対にしないでください。
<参照:Hot & Shape CALDO>
9.寝床につく30分前にはスマホやパソコンの画面は見ない
1日中スマホやパソコンを見ることもある現代社会ですが、そのことがかえって眠りを妨げている要因にもなっています。
スマホやパソコンの画面は、強い光を発しているので、先ほどお伝えしたように、強い光を夜に浴びてしまうと眠りが妨げられてしまいます。
また、同様にスマホやパソコンがあると、ついついそちらの方に意識が向いてしまい、眠りへの意識が妨げられてしまうので、できれば寝る場所から離しておくか、寝ると決めたら寝る時間の30分前には作業を止めるようにしましょう。
最近では、自然災害のこともあり、手の届く位置にスマホを置いておくことが増えていると思いますが、寝る時には
スマホには触らない
とはっきり決めておく方が良いと思います。
10.明日のことは明日考える
どうしてもその日のうちにしておきたいことや、明日のことが気になって寝付きが悪いということを経験された方もおられるのではないでしょうか。
でも、私たちの都合に関係なく、時間は過ぎていきます。
焦れば焦るほど、思うように物事は進まず、時間だけが進んでいきます。
であれば、
明日は明日の風が吹く
くらいに思い、しっかりと眠ってすっきりした頭で翌朝を迎えた方が、体にも心にも良いのではないでしょうか。
寝床につく時には
「今日もありがとう」
と自分につぶやいて、今日の出来事に感謝をして眠ってみてはいかがでしょうか。
最初のうちは、なんだかこそばゆいかもしれませんが、だんだん慣れてくると眠りに入ることが嬉しくなるだけではなく、翌朝すっきりと目覚めることにも繋がります。
どうしても眠れないと感じた時には
現代社会はストレス社会とも言われているので、思うように睡眠時間がとれなかったり、熟睡感が得られなかったりします。
そんな時には一人で抱え込まずに、専門家に相談することをお勧めします。
最近では、心療内科だけではなく睡眠の状態を専門に診察する「睡眠外来」がある病院・クリニックも増えてきています。
また、鍼灸(しんきゅう)や漢方医学といった東洋医学でも睡眠に関する問題への取り組みを行っているところもありますので、睡眠に関して気になることがあれば、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、『質の良い睡眠』についてのチェック項目と睡眠時間の目安、実際に『質の良い睡眠』を得るための10のコツについてお伝えしました。
睡眠は私たち人間の生態活動にとって欠かせないものであり、睡眠の質が生活の質にそのまま繋がることも事実です。
今まで睡眠に関してそれほど関心がなかった方もおられるかもしれませんが、この機会にご自分の睡眠の質について考えてみてはいかがでしょうか。
皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。
↓ ↓ ↓
また、ブログランキングにも参加していますので、このブログがお役に立てたと思っていただけるようでしたら、
で応援をしていただけると大変ありがたいです。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます!
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おはようございます。ブログを通勤移動中に読むことが私のルーティーンになっています。睡眠は大切ですよね❗いつも有り難うございます。
やまおさん
いつもコメントありがとうございます♪
通勤時に見ていただけているとのこと、とても嬉しいです^_^
睡眠は人生の1/3の時間を占めているのですが、忙しいとなかなか意識的に確保できないですね。睡眠の質も、心身の状態に大きな影響を与えますので、この記事がやまおさんの睡眠にとってお役に立てれば嬉しいです(^ ^)
またお気軽にブログにお越しいただき、コメントをいただけるとありがたいです(*≧∀≦*)
こんんいちは!
睡眠が大事なのは分かるんですが一気に長時間睡眠が取れない人が良い睡眠と同じ効果を得られる方法ってありますか?
えぇ~分かっていますよそんなのは無いなんてことはでも、もし有ったら教えて欲しいです。
馬鹿な質問ですいません!
わんこさん
コメントありがとうございます^^
一気に睡眠が取れなくても、ここにも記載していますが90分を1サイクルと考えて小分けにして睡眠をとっても効果はあります。
皆さん、6時間とか7時間半とか、場合によっては9時間以上とか絶対に連続で寝れないといけないと思っておられる方も少なくないようですが、無理に長時間寝るよりも90分を一つの目安にして合間合間で目が覚めてもそのまま目を瞑って横になっているだけでも睡眠と同じ効果が得られますよ。
昼寝を15分するだけでも効果があります(30分以上は寝ないでくださいね)。
若いうちは『睡眠貯金だ』と意気込んで、週末に『寝溜め』をする人もいますが、正直それは年を重ねると体内時計が狂ったままになるのであまりお勧めできません。
大切なのは、脳と体を休める時間を持つことなので、1日のうちでトータル90分×5=360分(6時間)、リラックスできる時間が取れれば十分です。
それと、寝れないときにどうしてもスマホとかテレビとかを観てしまいがちですが、それは余計に興奮して寝れなくなるのでやめておいた方が良いです。
少し薄暗いくらいの環境で、音楽もリラックスできるものをごく小さな音量で聞いて体の力を抜いておくだけで睡眠と同じ効果が得られますよ。
またお気軽にコメントをください(*^^*)