駐車禁止除外指定車標章を正しく使いましょう

こんにちは。作業療法士の川本健太郎です。 

義足と車いすと松葉杖を使いながらの仕事や生活をしていると、自動車での移動が必要になってきます。

特に、今、私は訪問でのリハビリの仕事を中心にしているので、自家用車の運転は生活上欠かせないものになっています。

私のように、身体障害者手帳を持っていて、かつ、必要条件を満たしている人や、緊急性・公共性が高い車両(お医者さんの緊急往診車両や郵便集配車両など)を使っている場合には、住所地を置いている地区の警察署を通して、

 

『駐車禁止除外指定車標章』

 

の申請を行うことができます。

この標章により、公安委員会(こうあんいいんかい:警察の民主的運営と政治的中立性を確保するため、警察を管理する行政委員会)によって決められた駐車禁止規制が行われている道路(いわゆる、駐車禁止場所)の部分での駐車が可能になります。

 

「駐車禁止のところに停められるのは便利ですね!」

 

と言われることがあり、実際に標章を持っている人でそのように考えている人もいるのですが、その一方で、きちんとルールを守って駐車をしていない人もいます

また、

 

駐車禁止のところでも いつでもどこでも 停めて良いと誤解している人

 

もいます。

 

今回は、『駐車禁止除外指定車標章』についてお伝えするとともに、標章の使用上の注意点についてもお話ができればと思います。

なお、今回お伝えする『駐車禁止除外指定車標章』については、広島県での内容をお伝えしており、各都道府県で少し内容が異なっている部分もありますので、『駐車禁止除外指定車標章』の申請を考えている方は、最寄りの警察署または各都道府県警察のホームページをご参照ください。

 

『駐車禁止除外指定車標章』とは


 

『駐車禁止除外指定車標章』には大きく分けて2通りあります。

①『駐車禁止除外指定車標章(歩行困難者等)』

駐車禁止除外指定車標章(歩行困難者等)とは,身体障害者手帳等の交付を受け,一定の要件に該当している歩行が困難な方に交付するもので,交付を受けている方が使用中の車両に掲示することにより,公安委員会による駐車禁止規制の対象から除くものです。

②『駐車禁止除外指定車標章(業務使用車両等)』

駐車禁止除外指定車標章(業務使用車両等)とは,緊急性,公共性が高く,広域かつ不特定な場所に赴くことが必要な一定の業務を行う方のために交付するもので,その標章を業務に使用する車両に掲示して業務を行うことにより公安委員会による駐車禁止規制の対象から除くものです。

<引用:広島県警察>

つまり

①は移動が困難な、または特定の車両

②は業務上、どうしても駐車禁止場所に停めないと業務が行えない車両

のことを指します。

 

『駐車禁止除外指定車標章』の対象


 

①『駐車禁止除外指定車標章(歩行困難者等)』の対象

1.身体障害者手帳の交付を受けている方

障害の区分障害の級別
視覚障害1級から3級までの各級および4級の1
聴覚障害2級および3級
平衡機能障害3級
上肢不自由1級,2級の1および2級の2
下肢不自由1級から4級までの各級
体幹不自由1級から3級までの各級
乳幼児期以前の非進行性の
脳病変による運動機能障害

上肢機能
 1級および2級(一上肢のみに運動機能障害がある場合を除く)

移動機能
 1級から4級までの各級

心臓機能障害1級および3級
じん臓機能障害  1級および3級
呼吸器機能障害 1級および3級
ぼうこう又は直腸の機能障害 1級および3級
小腸機能障害 1級および3級
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害1級から3級までの各級
肝臓機能障害1級から3級までの各級

2.戦傷病者手帳の交付を受けている方:特別項症から第三項症もしくは第四項症までの各項症

3.療育手帳の交付を受けている方:最重度または重度の障害を有する方

4.精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方:一級の障害を有する方

5.小児慢性特定疾患児手帳の交付を受けている方:色素乾皮症(しきそかんぴしょう)に該当する方

<参照:広島県警察『駐車禁止除外指定車標章(歩行困難者等)』>

 

身体障害者手帳を持っている人というと、皆さんの中では

 

「車いすや杖や義足を使っている人」

 

「手や足の切断をしている人」

 

「目の不自由な人」

 

をいった『外見から見てなんとなくわかりやすい状態にある人』をイメージしやすいかもしれませんが、実際には

 

「耳の不自由な人」

 

「心臓・肺・腎臓・肝臓など内臓の病気のある人」

 

「血液や免疫などの病気のある人」

 

「発達段階での障害や心の病気のある人」

 

といった『外見からでは判断が難しい状態にある人』も含まれます。

なので、『駐車禁止除外指定車標章(歩行困難者等)』を使用している人に関しては、

 

『外見から見てわかりやすい人だけではなく、外見上だけではすぐに分からない状態にある人』

 

もおられることをご理解ください。

 

②『駐車禁止除外指定車標章(業務使用車両等)』

  • 医師又は歯科医師の緊急往診車両
  • 郵便物の集配車両
  • 電報の配達車両
  • 軌道事業の維持・管理作業車両
  • 道路,15号機,パーキング・メーター,パーキング・チケット発給設備又は道路標識等の維持・管理作業車両
  • 放置車両の確認及び標章の取付車両
  • 河川管理者の河川維持・管理作業車両
  • 執行官の強制執行等車両
  • 犬の捕獲等車両
  • 報道機関の緊急取材車両
  • 患者輸送車で,患者等搬送車両
  • 車いす移動車で,車いす使用者等搬送車両 

<参照:広島県警察『駐車禁止除外指定車標章(業務使用車両等)』>

業務で使用される車両に関しては、皆さんもよく見かける車両が多いのではないでしょうか。

郵便配達車や救急車や車いす使用者等運送車両などは、外見から判断しやすいと思いますが、医師または歯科医師の緊急往診車両や報道機関の緊急取材車両などは『駐車禁止除外指定車標章(業務使用車両等)』を提示していないと分からないものもありますね。

 

『駐車禁止除外指定車標章』使用上の注意


 

最初にもお伝えしましたが、『駐車禁止除外指定車標章』が使えるのは、

身体障害者手帳等の交付を受けている、移動が困難な、または特定の車両

業務上、どうしても駐車禁止場所に停めないと業務が行えない車両

です。

また、駐車禁止として規制されているところに車を停めるわけですから、

 

『駐車禁止除外指定車標章』使用上の留意事項が決められています

 

『駐車禁止除外指定車標章』使用上の留意事項

「駐車禁止除外指定車標章」使用上の留意事項

1 駐車禁止除外指定車標章(以下「標章」といいます。)は,公安委員会による駐 車禁止規制及び時間制限駐車区間規制が行われている道路の部分で使用することが できます。

ただし,歩行困難者等の標章の場合は,バス専用レーン時間帯に駐車できません。

よって,次のような駐車は違反となります。
(1) 駐停車禁止場所の駐車(道交法第44条及び同法第75条の8)

(2) 法定駐車禁止場所の駐車(道交法第45条第1項各号及び第2項)

(3) 駐車の方法に従わない駐車(道交法第47条)

(4) 車庫代わり駐車(自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条第1項)        

(5) 長時間駐車(自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条第2項)

※ (1)から(3)については別紙1を参照してください。

2 標章の交付を受けた方(法人等を含む。)が,標章の表面記載の使用用務に使用中の場合のみ使用できます。

また,歩行困難者等の方以外は表面記載の車両以外は使用できません。

3 標章を他人に譲渡,又は貸与することはできません。 ただし,歩行困難者等の方が他人の介助を受けて車両に乗降するため,介助者に標章を受け渡しするため必要最小限度の時間,貸与する場合は除きます。

4 標章を使用する場合は,連絡先・用務先を読みやすく記載した紙とともに,車両の前面のダッシュボード上の外から見やすい箇所に掲示してください。

この場合,連絡先・用務先を記載した紙は,大きさ,様式等は問いませんが,車外から確実に判読できるように記載,掲示してください。

なお,例示としては別紙2のとおりです。

5 標章を使用して駐車中に,警察官から指示があった場合には,その指示に従ってください。

6 標章の使用に際して,前記1から5の事項を遵守しない場合には,公安委員会から標章の返納を命ぜられることがあります。

7 次の場合は,この標章を交付を受けた警察署長を経由して公安委員会に速やかに返納してください。
(1) 有効期限を経過したとき。

(2) 標章の交付を受けた理由がなくなったとき。

(3) 再交付を受けた後において,亡失した標章を発見したとき(発見した標章)。      

(4) 公安委員会から返納を命ぜられたとき。

8 標章の更新手続きは,有効期限が満了する1月前から有効期限までの間に手続きを行ってください。

ただし,歩行困難者等の方の標章については,有効期限(誕生日の1月後)が満了 する2月前から有効期限までの間に手続きを行ってください。

9 標章を滅失し,亡失し又はき損したときは,駐車禁止除外指定車標章交付申請書 により,住所地を管轄する警察署長に再交付の申請を行ってください。

10 標章の記載事項に変更が生じたときは,速やかに駐車禁止除外指定車標章記載事項変更届により住所地を管轄する警察署長に届出を行ってください。

11 標章を返納するときは,駐車禁止除外指定車標章返納届により住所地を管轄する警察署長に届出を行ってください。

12 標章はラミネート加工等しないでください。(有効期限延長や記載事項変更する際に必要事項を手書きします)

別紙1 標章使用できない場所及び方法(例)

 

別紙2 行き先記載例

 
行き先記載例に関して広島県警交通企画課に問い合わせをしたところ、
 
事件や事故、救急車両や警察車両の使用に関して、
 
『駐車禁止除外指定車標章』を使用している車両を緊急で移動してもらいたい時に、すぐに連絡できる状態にしておいて欲しい
 
とのことなので、すぐに連絡がつく状態にあれば、携帯電話でなくとも大丈夫とのことです。
 
携帯電話番号を掲示することで、個人情報が流出する恐れがあると考えておられる場合は、行き先ですぐに連絡が取れるようにしておいて欲しいとのことです。
 
例えば、病院に行っているのであれば、病院の連絡先を記載するとともに、病院の受付などに
 

「『駐車禁止除外指定車標章』を使っているので、警察や消防から連絡があったら、教えて欲しい」

 

と伝えておくことなどです。

 

『駐車禁止除外指定車標章』使用上の留意事項は、実際の標章の裏側にも記載されています。

このように、『駐車禁止除外指定車標章』を使用するにあたっては、かなり細かいルールが図も含めて書いてあり、標章を交付される時に必ず渡されます

 

特に気を付けたいルール違反例


 

『駐車禁止除外指定車標章』使用上の留意事項、標章使用できない場所及び方法(例)、行き先記載例などがあっても、交通ルールを守っていない人もいるのは残念な話です。

1.他人の駐車禁止除外指定車標章を使う


身体障害者用の「駐車禁止除外指定車標章」を悪用し路上駐車したとして、大阪府警曽根崎署は14日、偽計業務妨害容疑で、大阪市都島区中野町の会社役員の男性(70)を書類送検した。容疑を認めている。

 書類送検容疑は、昨年12月13日と27日、大阪市北区の府道で、知人女性に交付された標章を乗用車に掲示して駐車し、駐車監視員の業務を妨害したとしている。

 同署によると、知人女性は昨年5月に死亡。男性は通勤に使い、1日10時間ほど駐車していた。男性は「自宅から最寄り駅まで歩くのが嫌だった」と供述しているという。

<産経新聞 2019.2.14>

この話は特に大きな問題として取り上げられました。

問題として

 

①他人の駐車禁止除外指定車標章を使う→他人の標章を使うことは違反(留意事項の3)

 

②所有者がすでに亡くなっている→所有者が亡くなった場合は速やかに警察署へ返納しなければならない(留意事項の7-(2))

 

③1日10時間の駐車行為→長時間駐車は違法(留意事項の1-(5))

 

ちなみに、③の長時間駐車に関しては

「自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条第2項」で

第十一条 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
2 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為

と記載されていますが、大前提として

 

自動車の保管場所として使用してはいけない
 

 

ことから、この大阪の事件に関しては、明らかに通勤で日常的に駐車していたことも、違法行為に該当するものと言えます。

 

2.駐車禁止除外指定車標章を公布されている本人が乗車していない


これは、留意事項の2にも書いてある

 

標章の交付を受けた方(法人等を含む)が、標章の表面記載の使用用務に使用中の場合のみ使用できる。

 

歩行困難者等の方以外は標章の表面記載の車両以外は使用できない。

 

のことを指すのですが、本人が乗車していなくても、使用している例がありました。

大阪・梅田の新御堂筋。2月下旬、チケット制のパーキングに止めた車を府警の警察官が1台1台チェックしていた。ダッシュボード上に「歩行困難者使用中」と書いた標章があると連絡先を調べて電話をかけたり、戻ってきた運転手に話を聴いたりする。一帯のパーキング・チケットで実施した集中取り締まりだ。

 標章があれば60分300円のチケットを買わずに時間制限なく止められる。この日、標章を置いていた26台のうち14台(54%)は交付された本人が自宅にいるなどし、不正使用だと確認された。

 ワゴン車に戻ってきた男性を警察官3人が囲んだ。男性に障害はない。「標章は弟のもの。弟を送った後、自分の用事で使ってしまった」と言い、駐車違反の青切符(交通反則切符)を交付された。

 府警は昨年11月以降に集中取り締まりを5回実施。標章を置いていた計126台のうち47台(37%)に青切符を交付した。多くが家族による不正使用だった。

<朝日新聞デジタル 2016.4.5>

 

「ちょっとそこまでの買い物程度なんで・・・」

 

「すぐに戻るから・・・」

 

という理由で、駐車禁止除外指定車標章を公布されている人が同乗していないまま、標章を使ってしまう例が後を絶たないようです。

各都道府県警察でも、定期的に使用状況の確認をしているとのことです。

 

3.車庫代わりに駐車をする


これは先ほどの「自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条」でも触れましたが、車庫として使用する場合は、きちんと警察署に届出を行い、

 

自動車保管場所証明書(すなわち車庫証明書)

 

を取得する必要があります。

これは、車両の保管場所を警察や自治体が把握するだけではなく、事故や災害の際に車両の所有者への問い合わせをしなければならないことがあるからです。

なので、一定期間、同じ場所に同じ時間帯にずっと車を停めていると、

 

「これは車庫代わりにしている」

 

とみなされ、違反となります。

先ほどの話では、

 

1日10時間の駐車行為

 

明らかに通勤で日常的に駐車していた

 

は、もはや車庫として使っているとみなされるので、標章のあるなしに関係なく、違法行為となります。

 

4.そもそもの迷惑行為


 

①全くの他人の家の玄関前に車を停める

 

②見通しの悪いところに車を停める

 

③歩道や路側帯のないところで歩行者が通れないほどのスペースに停める

 

④標章を置いているが連絡先が書いていない

 

これらはいずれも迷惑行為です。

『駐車禁止除外指定車標章』を使用している人の多くは、移動に不自由があったり、業務上使用している人です。

こうした迷惑行為は、正しく使用している人にとっても大変迷惑な行為になるので、気をつけましょう。

 

まとめ


 

今回は、『駐車禁止除外指定車標章』についてお伝えするとともに、標章の使用上の注意点についてもお話をしました。

『駐車禁止除外指定車標章』は、なんらかの理由で歩行や移動が困難な人や、業務上駐車禁止場所に車を停めないといけない人に公布されているものです。

特に、なんらかの病気や障害がある人に関しては、

 

『外見から見てわかりやすい人だけではなく、外見上だけではすぐに分からない状態にある人』

 

もおられることをご理解いただきたいと思います。

 

また、多くの人は、正しく使用していますが、一部の人の違反行為や迷惑行為によって、『駐車禁止除外指定車標章』の公布が制限されることにもなりかねません。

『駐車禁止除外指定車標章』があるからといって、いつでもどこでも車を停めて良いというわけではなく、

 

正しい交通ルールと交通マナー

 

を持った上で標章を活用できれば、障害のあるなしに関わらず、誰もが車での移動に困らないようになるのではないでしょうか。

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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