志望校を決めるきっかけとなった生涯の恩師との出会い

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

私は作業療法士になって20年になりますが、この仕事を始める前、つまり、大学受験前には、当然、進路について考える時期がありました。

 

「リハビリ関連の仕事がいいのかなぁ」

 

となんとなく思っていましたが、実際に自分の進路を決めるところになると、それはそれは迷ったものです。

進路や受験に関しては、受験生のみならず、受験生のお父さんやお母さんもこういった話にはどうしても神経を使うと思いますし、お子さんが集める情報だけでは不安もあるので、あっちこっちで学校の評判やネット上での書き込みを気にされるのではないでしょうか。

今回は

 

私が志望校を決めた決定的な人との出会いの話

 

をさせていただき、既に進路を決めているか決めていないかに関わらず、みなさん自身やみなさんの周りで進路に迷っている方がいたら、是非、このブログを参考にしてみてください。

 

 

進路に迷っていた時期


 

闘病生活を終え、高校に復帰し、理学療法士の先生とカナダ人の英語の先生との出会いを通じた経験から

 

「そもそも、リハビリってなんだろう?

理学療法士の先生が言われていた

『作業療法士』

ってどんなものなんだろう?」

 

と漠然とではありましたが、作業療法士という職業に興味を持ったのは高校卒業前です。

 あわせて読みたい   <辛いイメージのリハビリからの脱却>

入院して闘病生活を送る中では、辛いことがたくさんありましたが、今の私に繋がる多くの経験もしました。辛いだけではないリハビリのことを記事にしています。



 あわせて読みたい   <退院後の生活の中でエッセイを書いてみた〜英語の先生との出会い〜

闘病生活を終えて高校に復帰しましたが、そこでは辛い現実が待っていました。そんな私を救ってくれたのは、英語の先生からのあるひと言でした。

 

当時の私の認識では

 

『作業を通して元気になる』

 

『理学療法士以外のリハビリの職業』

 

くらいの認識で、しかも『作業』を「手工芸」や「畑仕事」程度にしか思っていませんでした。

ちょうど願書を提出する時期になり、色々な学校での募集要項を見ていました。

入学費用、学費、通学手段、一人暮らしできる環境、など、募集要項をいろいろと見ました。

そんなとき、地元の公立の短期大学でも作業療法士の養成を行っていることを知り、まずは短期大学の入試担当の事務局に連絡を入れようと思いました。

作業療法に興味があったこともありましたが、募集要項に

 

「入学試験上の身体的な配慮を要する方は、事前にご相談ください」

 

との文章があったことも気になっていたので、事務局に問い合わせをしました。

担当者の方に自分の身体のことなどを伝えた上で

 

「特に入学試験に関して配慮が必要ではないけれど、入学後に体育とか運動がメインになるようであれば、それらの科目の履修は難しいかもしれない」

 

といった旨もお伝えしました。

 

『リハビリ専門職は自分自身ががっつり運動する体育会系の人』

 

という認識があったことも不安材料でした(もちろん、体育会系ではなかったのですが、当時の認識はそんなもんでした)。

歩くことや短い距離を軽く走るくらいであれば、運動科目についていけるかもしれないけれど、それでもやっぱり限界があることは、高校の体育の科目が他の同級生たちと一緒にできなかったことで、5段階評価の「2」という下から2番目の低い成績をつけられていたことも不安材料でした。

担当者の方からは

 

「折り返し作業療法学科の担当教員から連絡があると思うので、連絡をお待ちください。」

 

と言われました。

 

生涯の恩師となる先生との出会い


 

数日後、学校側の担当教員から連絡がはいり

 

「一度うちの短大の見学に来てみませんか?」

 

と言われました。

私は早速準備をして、約束の日に短大に行きました。

入試担当の方と担当の先生が一緒に出迎えてくださり、入試担当の方は入試に関しての簡単な説明をしていただき、その後

 

私の生涯の恩師となる先生

 

に出会います。

先生に連れられて、短大施設内を私は一緒に見て回ることになりました。

施設内を見て回ると、

 

織物機、陶芸道具、藤細工などの手工芸をする場所

 

運動学、解剖学、生理学といった基礎医学を学べる場所や実習場所(理科の実験室みたいなところ)

 

何種類もの義足や義手や体の不自由な人が使うような道具を自由に触れる場所

 

体や心や発達における障害に対する作業療法での取り組みを展示している場所

 

卒業年に行っている先輩方の卒業論文が見れる場所

 

膨大な資料が置かれている図書館

 

など、施設内のあらゆるところを案内してくださいました。

施設見学をしながら先生は

 

作業療法の成り立ちや今日に至るまでの作業療法の変化といった歴史に関すること

 

手工芸だけではなく『作業』というものは日常生活や家事や趣味活動や職業に関する支援活動まで幅広いものを指していること

 

作業療法士は子供から大人を経て老人に至るまでの長いスパンで対象者の人生とともに歩んでいく仕事であること

 

障害の有無に関わらず「どんな人にとっても暮らしやすい社会を作っていく」という考えに基づいている学問であること

 

をとても熱心に話してくださいました。

 

何より

 

先生自身がとても楽しそうに話をしてくださったこと

 

が一番印象に残りました。

私の質問に対しても、とても丁寧にわかりやすく説明してくださり、通学への不安や入学後の不安などについても一つ一つをわかりやすく教えてくださいました。

その上で、

 

「対象となるその人にとって意味のある作業が、その人のやりたい時にやりたいようにできるようにサポートしていくのが作業療法士の仕事だよ。

作業療法士を目指すなら君の体験は必ず生きてくるよ」

 

と教えていただきました。

 

そりゃ、もう、眼からウロコが落ちるほど

 

感動!!

 

しました。

 

その後、既に卒業を控えた先輩にも合わせてもらい、先輩ともいろいろな話をさせてもらいました。

先輩から

 

「僕はこの前まで実習に行ってたけど、学校で学んだことを実際の病院とかで生かせることの楽しさを感じたところだよ。

もちろん、実習は厳しいけれど、実習先には生きた教材がたくさんあって、本当に充実したよ。

君のように自分の体が不自由な人も僕の知り合いにいるけど、体が思うように動かないからこそ、そういったことに困っている人も同じ経験者として話を聞いてくれると思う。

いい作業療法士になれると思うから頑張ってね」

 

と言われました。

先生は、私と先輩とのやりとりを「うんうん」とうなずきながら笑顔で話を聞いていてくださいました。

 

作業療法士を目指そう!と決めた


 

それまで漠然としていた自分の頭の中に、先生の話はとても深く染み渡り、運動科目とか体育会系とかに不安を抱いていたそれまでの自分はどこへやら。

家に着く頃には既に願書を提出していました。

その後、無事にその短期大学に入学し、対応してくださった先生と再会しました。

先生はとても素敵な笑顔で

 

「入学おめでとう!これからしっかり学び、しっかり遊び、しっかり悩み、しっかりと人をみて、自分なりの作業療法のデザインをしてみてね」

 

と言ってくださいました。

卒業後も病院での作業療法の開設や老人保健施設の開設でもその先生は惜しみなく支援をしてくださり、今でも私の大切な恩師の先生でもあります。

少しのきっかけから行動に移し、実際に作業療法士となるまでの間、また、作業療法士になってからも、私は多くの方々とのご縁をいただき、多くのことを学ばせていただいています。

 

志望校を決めた決定的な理由


 

志望校を決めた決定的な理由は次の3つと言えます。

 

①対応した先生自身が、いろいろなことをとてもよく知っていて、私の不安に対して一つ一つ丁寧に答えてくれた。

進路相談で、実際に進路を考えている学校に受験生やお父さん・お母さんが行かれた時に、不安に対して一つ一つ丁寧に答えてくださる先生がおられるかは進路選びの重要なポイントだと思います。

偏差値とか勉強内容とかよりも、私はまずこの点を重視しました

 

②対応した先生自身が、とても楽しく自分の仕事について話をしていた。

自分が楽しくない仕事を学生が選ぶとは考えにくいですけど、意外と話をしている最初の方は楽しそうに話される先生はおられても、ずっと楽しそうに話す先生はあまり見かけません。

その仕事の歴史的成り立ちとか、今の社会での位置付けとか、将来性はあるのかなどが分かっていないと楽しく話はできないのだろうと今ではすごくよくわかります。

 

③在校生がその仕事に就くことへの楽しみや今までの経験をしっかりとわかりやすく話してくれた。

年代が近い人からのアドバイスほど心強いものはないです。

先輩が楽しんでいなくて

 

「この仕事はしんどいよ」

 

とかしか言われなかったら、そんな道は誰も選ばないと思います。

また、どんなところが楽しくてどんなことに役立ちそうなのかといったことが先輩の口から聞けるということは、その学校で充実した学習ができているということを意味していると思います。

こうして私は作業療法士になる道を選んで今日に至っています。

 

まとめ


今日は、私が進路を決めた決定的な人との出会いの話をさせていただきました。

その中でも

 

生涯の恩師の先生と出会えたこと

 

そのために

 

具体的な行動をしたこと(私の場合は実際に見学に行ったこと)

 

そして

 

作業療法士について在学生の先輩の生きた声を聞けたこと

 

が私の今を形作っていると言えます。

既に進路を決めているか決めていないかに関わらず、みなさん自身やみなさんの周りで進路に迷っている方がいたら、是非、このブログを参考にしてみてください。

 

 

最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます!

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意外とこちらが伝えているつもりで伝わっていないという経験はありませんか?私のブログの中では、『コミュニケーション』についてを取り上げている記事がたくさんあります。

 

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