こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
今日のアイキャッチの画像は、四国八十八ヶ所霊場第三番霊場 金泉寺(こんせんじ)の写真です。
(*^-^*)
優先順位をはっきり伝える
お大師さまは、平安時代を代表する
筆(書)の名人
として有名であり、嵯峨天皇、橘逸勢(たちばなのはやなり)とともに、平安時代の『三筆(さんぴつ・さんひつ)』だったということは以前お伝えしました。
まだ過去のブログをみていない方はこちらからどうぞ。
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お大師さまの筆(書)の腕前は大変素晴らしいものがあり、嵯峨天皇からもたびたび屏風を書いて欲しいと依頼をされます。
お大師さまは真剣に屏風と向き合い、心を込めて屏風を書かれていました。
しかし、お大師さまには
自身の修行
密教を広める事業
高野山での事業
土木・建築事業
灌漑・水田事業
経典の整理と整備
など、超がつくほど多忙を極めていました。
<(。´Д`;)ノ=ε3。o0
ある時、嵯峨天皇に献上する屏風の締め切りに間に合わないという出来事がありました。
嵯峨天皇に届けられた屏風には、お大師さまのお詫びの書状が添えられていました。
その書面によると
「わたくし空海は、禅定三昧(ぜんじょうざんまい:瞑想に集中している真っ最中)に取り組んでいるので、長らく書道から遠ざかっています。
一晩中ずっと「数息観(すそくかん:独特な呼吸法を用いる瞑想法)」という修行をまさに行っているところなので、書道に専念する暇がございません。
そもそも、わたし空海は、曹喜(そうき:後漢時代の有名な書家)のような能筆家ではございませんのに、何の間違いか誤って嵯峨天皇の揮毫(きごう:毛筆で文字や絵を描くこと)勅命をお引き受けしてしまいました。
揮毫をお断り申し上げたいところでしたが、それも叶わず、あえて書をしたためたものでございます」(『性霊集巻第三』)
お大師さまにしては珍しく
今は禅定三昧で一晩中数息観に専念しているので書を書く暇がなくてごめんなさい。
m(_ _)m
と言われていますし、ちょっとイラッとしていたのかもしれませんね。
( *//`ω´//)
見方によっては、天皇御自らのお願いに対して、自分の都合を言われているようにも見えますが、お大師さまの筆(書)に対する並々ならぬ思いを考えれば
中途半端な気持ちで書を書くことはできない
と申し上げたかったように思います。
嵯峨天皇は、このお大師さまの手紙をみられてどんなお気持ちになられたかは分かりませんが、その後もお大師さまに対する信頼関係は少しも変わることがなかったところをみると、嵯峨天皇もお大師さまの気持ちがわかっていたのではないでしょうか。
( ´_ゝ`)ゞスマナイネ
それは、嵯峨天皇とお大師さまが、密教を広めることだけではなく
国民の幸せと国家の安泰のための国造りをする
という共通の目的・目標を持っていたことと、強い信頼関係があったからこそ、お大師さまも率直な気持ちを嵯峨天皇に伝えることができ、嵯峨天皇もまた、ものごとの優先順位を考えると、屏風にこだわることは些細なことだと理解されたのかもしれません。
共通の目的・目標があり、互いに信頼できるのであれば、上下の立場は関係なく、互いの心はちゃんと伝わるということが言えるのではないでしょうか。
<お大師さまゆかりの地>
亀光山 釈迦院 金泉寺
(きこうざん しゃかいん こんせんじ)
四国八十八ヶ所霊場の第三番霊場の金泉寺は、天平年間(西暦729年〜749年)に聖武天皇の発願によって建てられ、その後、弘法大師によって四国遍路の八十八ヶ所の第三番霊場と定められました。
<4分くらいの動画で金泉寺の紹介をされています>
日照りに苦しむ住民のために弘法大師によって掘られた井戸は「長寿をもたらす黄金井戸」として、黄金地蔵とともに大切に守られています。
また、源平合戦の折り、源義経がこの寺に立ち寄り戦勝祈願をしたとされ、その時に義経の家来である武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい:生年不詳〜1189年)が自らの力を披露するために持ち上げたとされる「弁慶の力石」が今もその面影を残しています。
所在地:〒779-0105 徳島県板野郡板野町大寺字亀山下66
お問い合わせ:088-672-1087(TEL)
交通アクセス:四国八十八ヶ所霊場会
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最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます!
空海のエピソード素敵ですね。歴史が好きなので楽しく読ませていただいています。ありがとうございます。
Oliveさま
コメントありがとうございます^^
歴史がお好きとのこと、弘法大師・空海(お大師さま)にまつわる話も歴史を語る上で興味を持っていただけるものと思います。
ぜひ他の記事にもお立ち寄りいただけるととても嬉しいです。
またお気軽にコメントをいただけると幸いです(*^^*)