こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
今日のアイキャッチの画像は、京都の平安神宮(へいあんじんぐう)の白虎楼(びゃっころう)の写真です。
(*^-^*)
心を込めて書を作れば必ず人の幸せに繋がる
お大師さまは、平安時代を代表する
筆(書)の名人
として有名であり、嵯峨天皇、橘逸勢(たちばなのはやなり)とともに、平安時代の『三筆(さんぴつ・さんひつ)』だったということを前回お伝えしました。
ある日、嵯峨天皇がお大師さまに、昔や今の時代に関する詩人の素晴らしい句を屏風(びょうぶ)に書いて欲しいと頼まれました。
お大師さまは、嵯峨天皇への上奏文(じょうそうぶん:天皇に意見を提出すること)とともに、見事な屏風を献上されました。
その上奏文が
『高野雑筆集(こうやぞうひつしゅう)』
という書物に収められています。
「古人の『筆勢論(ひっせいろん)』にいわく、書は散なりと」(『高野雑筆集』)
この『筆勢論』にはこんなことが書かれていました。
「書の極意は心(しん)を万物にそそぎ、心の発揚(はつよう:気持ちがたかぶること)に任せて万物の事象を字勢(じせい)に込めることにある」
つまり
「字画が正しく美しいというだけでは立派な書にならない
必ず、心を込めて思いをそそいで、字の勢いを四季の景色にあわせ
字の形を全ての生命・現象と照らし合わせて書くことが大切なのです」
と言っているのです。
お大師さまは、この『筆勢論』を参考に、書の大切な要素として
良い書というのはただ目的なく書くことではない
字が綺麗だから良いというものでもない
心を込めて思いをそそいで字の勢いをそのままに
四季の景色や字の形を世の中の出来事とつなげていくことで
自分の心が映し出され
その心に仏さまのパワーが加って
真理に近い書が出来上がり
それは必ず人の幸せに繋がるものになる
ということを上奏文という形で嵯峨天皇にお伝えしたのです。
これを言い換えると
人の幸せに繋がらないものは書とは言えない
と言われていることに他なりません。
魂のこもった、心のこもった書というのは、今を生きる私たちが見ても、言葉では言い表せないほどの感動をもたらしてくれるものです。
パソコンやスマホで簡単に文章ができてしまう時代だからこそ、時には鉛筆や筆などを手に取ってみて、相手に対して心からの文章を自分の言葉で書いてみてはいかがでしょうか。
字の上手・下手ではなく
あなたの『心』が書に映し出されると
きっと相手も心動かされると思いますよ。
<お大師さまゆかりの地>
平安神宮(へいあんじんぐう)
平安神宮は平安京遷都1100年を記念して、明治28年に桓武天皇を御祭神として建てられました。
<5分くらいの動画で平安神宮の紹介をされています>
平安神宮の社殿は、桓武天皇が開かれた当時の平安京の正庁、朝堂院が約8分の5の規模で再現されています。
大極殿(だいごくでん・外拝殿)・応天門(おうてんもん・神門)・蒼龍楼(そうりゅうろう)・白虎楼(びゃっころう)・歩廊・龍尾壇(りゅうびだん)などは明治28年(西暦1895年)の創建当時に造営されたものです。
『應天門』の扁額がかかっている応天門
平安時代に作られた応天門には、弘法大師が書いたとされる『應天門』の額が掛けられていました(現在の額は再建したもの)。額を掛けたあとで、弘法大師が『應』の字の点を一つ書き忘れたことに気づき、筆を投げて点を書き加えたと伝えられています。
ことわざの『弘法も筆のあやまり』は、この言い伝えに基づくとされています。
所在地:〒606-8341 京都府京都市左京区岡崎西天王町97
お問い合わせ:075-761-0221(TEL) 075-761-0225(FAX)
交通アクセス:平安神宮ホームページ
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