こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
第1回目、第2回目の記事で
万能ビタミン、その名も『ビタミンD』
について、『ビタミンDの特徴と効果』、『ビタミンD生成に必要な日光浴・食事の目安』についてお伝えしました。
日本人は
日焼け=がんなどの病気になる
という認識が1990年代から強まり、その結果、日光にあたる機会が減り
十分なビタミンDが体内で生成されずに健康にも影響してきている
という話もお伝えしています。
第3回目の今日は、ガラス越しの日光浴でビタミンDは作られるのかについてお伝えします。
第1回目、第2回目も参考にしていただきながら見ていただけると、より理解が深まると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
_〆(*’ω`☆!)
目次
ガラス越しの日光浴でビタミンDは作られるのか
結論から先に言いますと
ガラス越しの日光浴でビタミンDは作られません
その理由は紫外線の波長の違いが影響しています。
1.日光に含まれる紫外線
日光に含まれる紫外線は、主に3種類あります。
UVA=紫外線A波(波長400〜315ナノメートル)
UVB=紫外線B波(波長315〜280ナノメートル)
UBC=紫外線C波(波長280ナノメートル未満)
このうち、UVC(紫外線C波)はオゾン層によってほぼ全てが吸収され、大気中(空気)に届いたとしてもごくわずかであるため、人の体に影響を及ぼすことはありません。
なので、日光浴で関係するのはUVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)です。
2.UVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の特徴
UVA(紫外線A波)は
皮膚の真皮層(表皮のさらに奥の場所)まで届く
ことが特徴であり
タンパク質の性質を変えてしまう
という厄介な性質があります。
その結果
皮膚の弾力性を失わせて大きなシワやシミの原因になる
皮膚の老化を促進してしまう
といった症状の原因となります。
しかも
ガラスを通過する
ビタミンD生成に関係しない
という特徴もあるので、ガラス越しに日光浴をしていると、ただ単に日焼けでのシミ・シワが増えるだけでビタミンDは全く生成されないのです。
一方、UVB(紫外線B波)はUVA(紫外線A波)よりも波長が短いので
皮膚の表皮層までしか届かない
ことが特徴であり、日焼けによる
メラニンを作り出す
という性質があります。
UVA(紫外線A波)と同様に、UVB(紫外線B波)も浴びすぎるとシミ・シワの原因になりますが、メラニンを作り出すことで
紫外線を防御する
がん(癌)の発症の予防
人体に有害な活性酸素の吸収
など、健康を保つためにとても大切な役割を果たしてくれます。
<参考文献:『新しい皮膚科学』メラノサイトとメラニン合成>
UVB(紫外線B波)は
ビタミンD生成に関係する
メラニンを作り出す
という性質があるのですが、残念ながら
ガラスを通過できない
という特徴もあるので、ガラス越しに日光浴をしていても、ビタミンDは全く生成されないのです。
「結局、UVA(紫外線A波)もUVB(紫外線B波)も室内には届かないじゃん」
( ´・ω・`)ショボーン
と思われるかもしれませんが、前回の記事でお伝えしたビタミンDに必要な日光浴の目安を参考にしていただければ、UVA(紫外線A波)もUVB(紫外線B波)も届く状況であっても、それほど広範囲の日焼けを気にすることなく、十分なビタミンDを作ることができます。
日光浴の目安は過去のブログに分かりやすく書いてあるのでどうぞ
また、紫外線は建物や地表にあたって反射するという性質があるので
屋外の日陰
であれば、直射日光を避けながら適度な日光浴を行うことができるので、紫外線の強い時などに活用してみてください。
3.日光浴でビタミンDが過剰に作られることはない
「でも、ビタミンDの摂り過ぎは病気になるんでしょ?」
(;´・ω・)ウーン
と心配されている方もおられると思います。
しかし、食べ物から吸収されるビタミンDと異なり、皮膚の表面積は限られているので
日光浴でビタミンDが過剰に作られることはない
のです。
なので、シミ・シワ・皮膚の炎症などに注意しながらの適度な時間の屋外での日光浴はビタミンDを作り出すためにお勧めの活動と言えるのです。
ビタミンDと病気との研究は、今まさに進められている段階なので、ビタミンDで多くの病気が予防もしくは軽減されるのであれば、今後の研究に注目していきたいですね。
まとめ
今回は『日光浴をしないと病気になる? ガラス越しの日光浴でビタミンDは作られるのか』についてお伝えしました。
日光浴に関しては、さまざまな条件はありますが
30分程度
を一つの目安にしていただくことと、ガラス越しの日光浴はビタミンDの生成に関係しないので
できるだけ屋外での日光浴(屋外の日陰でも大丈夫)
を行ってみてくださいね。
ヾ(´□`* )ノ
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