年末年始に新幹線を利用したい! 車いす利用者や障害のある人が利用する際の3つのアドバイス

年末年始に新幹線でふるさとに帰る人や旅行に行くことを考えている人の中には、車いす利用者や病気やケガや障害などを持っている人やそのご家族もおられると思います。

でも、年末年始はいつも以上に乗客が多いので、新幹線に乗ることをためらったり諦めたりする人も多いのではないでしょうか。

今回は、車いす利用者や病気やケガや障害などを持っている人が年末年始に新幹線を利用される時に使える設備や制度や注意点などについて、私自身の体験も含めてお伝えしたいと思います。

 

1.『車いす対応席』・『多目的室』を利用する


新幹線は車いすを使う人が車いすのまま使用できる『車いす対応席』と、車いすを使う人だけではなく病気やケガや障害のある人などが利用できる『多目的室(個室)』があります。

 

『車いす対応席』

主に車いすを使う人のための席で、3列もしくは2列横並びの席のうち1席が取り外してあり、車いすをその空いた場所に置きます。

車いすを使っている人は車いすから備え付けの座席に乗り換えます。

『多目的室』

車いすから備え付けの座席に乗り換えることが難しい人

病気やケガや障害があって普通の座席に座ることが難しい人

赤ちゃんに授乳する必要があるお母さん

などが利用できます。

どのタイプの新幹線にも基本的に『多目的室』は備えてあり、『車いす対応席』の近くにあることが多いです。

ただし、基本的には車いすを使う人および事前予約をした人が優先されます。

使用する際には、車掌さんに申し出て、『多目的室』が空いているかの確認をしてもらい、部屋の鍵を開けてもらう必要があります。

 注意❗️ 区間によっては多目的室の予約ができないことがあります。あらかじめJRの各サポートダイヤルで必ずご確認ください

車いす対応席と多目的室の一覧

区間新幹線の型車いす対応席の場所多目的室の場所
東海道・山陽新幹線700系・N700系11号車(2席)11号車
山陽・九州新幹線N700系7号車(2席)7号車
東北新幹線E5系5号車と9号車(1席ずつ)5号車
東北・上越新幹線E2系

10号車と9号車(1席ずつ)

*8両編成の場合

7号車と8号車(1席ずつ)

9号車

*8両編成の場合

8号車
東北・山形新幹線E3系5号車と9号車(1席ずつ)11号車
東北・秋田新幹線E6系12号車(2席)12号車
北陸新幹線E7系

7号車(2席)と11号車(1席)

7号車
北海道新幹線E5系・H5系5号車と9号車(1席ずつ)5号車

 

実際にN700系で『車いす対応席』と『多目的室』を利用された

車いすウォーカーの織田友理子さんの動画でわかりやすく説明がしてあります。

 

2.『車いす対応席』・『多目的室』の予約方法


電話または窓口への問い合わせとなります。

JR西日本はインターネットのWEBサイト『JRおでかけネット』での予約も可能です。

乗車日の1ヶ月前の午前10時から2日前までに予約が必要です。

 注意❗️ 往復で申し込む場合は復路(帰り)の乗車日も1ヶ月前となっている場合に限られます

例えば、11月28日に予約→行き12月28日○ 帰り1月3日× (1月3日の予約は取れない)

    12月3日に予約→行き12月28日○ 帰り1月3日○  (1月3日の予約は取れる)

乗車日(駅への到着予定時刻も含む)

乗車時間

『車いす対応』・『多目的室』の利用希望

介助者の有無

最終目的地

など必要なことを伝えます。

乗車日・乗車時間については3つくらい候補を考えておくと便利です。問い合わせの時に受付の人から聞かれることがあります。

問い合わせを受けた内容をJR側が確認して折り返し連絡があるまで待ちます。

早ければ当日中、遅くとも2〜3日中にはJR側から連絡があります。

 注意❗️ JRおでかけネット(JR西日本のWEBサイト)から問い合わせをした時には、「@westjr.co.jp」からのメールが受信できるように設定しておく必要があります。

お問い合わせ先一覧

JR東海 車いす受付ダイヤル

駅名電話番号駅名電話番号
東京03-3285-0319浜松053-453-2525
品川03-3471-2711豊橋0532-52-2052
新横浜045-471-8219三河0566-76-8501
小田原0465-22-4443名古屋052-581-2077
熱海0557-81-7102岐阜羽島058-391-3045
三島055-975-0197米原0749-52-6189
新富士0545-62-0448京都075-691-1121
静岡054-253-1877新大阪06-6306-2857
掛川0537-24-1145  

JR西日本サポートダイヤル

0570-00-8989
受付時間:8時~20時

JR東日本お問い合わせセンター

050-2016-1600
受付時間:6時~24時

JR九州案内センター

050-3786-1717
受付時間:8時~20時

JR北海道電話案内センター

011-222-7111
受付時間:6時30分~22時

購入場所

みどりの窓口(JR東海は『JR全線きっぷうりば』)

営業時間:駅によって異なりますので、最寄りのJRの駅までお問い合わせください(下記案内をクリックするとそれぞれの販売所を検索できます)。

JR東海:きっぷうりばの営業時間

 JR西日本:みどりの窓口・みどりの券売機設置駅情報

JR東日本:みどりの窓口のある駅

JR九州:きっぷの受取り方法

JR北海道:JR北海道のおもな駅

 

3.実際に『車いす対応席』・『多目的室』を利用する時の注意点


⑴.年末年始はそもそも人が多いので、かなり細かく駅員さんやサポートセンターに状況を伝えましょう

 年末年始は多くの荷物を持った人がたくさん行き交うので、車いす利用者や病気やケガや障害などを持っている人やそのご家族が駅の構内を移動するだけでもかなり気をつけないと、行き交う人のスーツケースなどにぶつかる危険性があります。

 特に車いす利用者は歩行者よりも目線が低い位置を移動しなければならないので、歩行者が気づかずにぶつかってくることもあります。

 そのため、駅の職員さんたちに状況をよく知ってもらう必要があります。

駅にいつ頃着くか

駅の構内の移動で心配なこと

新幹線の中でどんな介助が必要か

などどいったことをできるだけ細かく伝えましょう

 さらに、新幹線を利用する人の多くは、新幹線への乗り降りだけではなく、新幹線から在来線までの乗り継ぎなどがあります。

 そのため、新幹線だけに乗ることを考えていたのでは、目的地まで到着することが難しい場合があるので

最初に『車いす対応席』・『多目的室』の申し込みをする時には、最終目的地までをきちんと伝えておく必要があります。

 JRに直接問い合わせたところ、最終目的地まできちんと伝えてもらえれば、年末年始であっても在来線への乗り換えへの誘導や他の鉄道会社ともきちんと連絡をしますと回答をいただいています。

 また、年末年始で乗車率が100%を超える場合であっても、基本的には『車いす対応席』・『多目的室』に立ったままで乗る人がいないようにしているので、人混みでトイレまで移動ができないということは基本的にはないとの回答もいただいています。

 まずは出発地と最終目的地は『車いす対応席』・『多目的室』を利用する際には必ず伝えるようにしましょう。

 

⑵.障害者割引制度を利用して割引運賃で新幹線に乗車する時には、窓口に行って乗車券を買わなければならない

 障害者割引制度が利用できる人(身体障害者手帳・療育手帳を持っている人)は、条件によって本人や介助者の乗車券が半額になる場合があります(新幹線特急券は割引対象ではありません)。

 『車いす対応席』・『多目的室』利用に関しては、電話やインターネットでの申し込みも可能ですが、障害者割引制度を利用しようと思ったら、直接窓口まで行って

身体障害者手帳もしく療育手帳を窓口の人に直接提示しないと割引乗車券は購入できません

手帳には写真が必ず貼ってありますので

割引乗車券を購入する時には本人確認ができないと購入はできません

手帳のコピー、手帳を失くして再申請の手続き中の場合は割引乗車券は購入できませんので注意が必要です。

また、手帳はいつでも出せるようにしておいてください。場合によってはチケット購入後でも職員さんが手帳の確認をされます。

詳しくは『障害者割引制度のご案内(JR各社共通)』のリンクを貼っておきますので、参考にしてください。

リンク:障害者割引制度のご案内

なお、特急券のみをインターネットで購入予約しておくことは可能です。

 日本の航空会社(ANAやJAL)では、事前に申請書を書いて提出して登録をしてもらっておけば、インターネットで障害者割引を毎回申請しなくてもチケットの購入ができるのですが、JRに問い合わせをしても

 

「個人情報に関する取り扱いなので、直接窓口に来ていただかないと難しいのです・・・」

 

となんとも歯切れの悪い回答です。

 制度を悪用する人もいるそうなので、仕方がないところもあるのかもしれないですが、割引乗車券に関しては改善が求められるところですね。

 乗車券・特急券といったチケットは、1ヶ月前から窓口で販売されるので

年末年始直前に窓口に行くのではなく、余裕を持ってチケットを購入されること

をお勧めします。

年末年始のチケット売り場は大変混み合うので、注意してください。

 ちなみに、病気やケガの場合は、割引の対象にはならないので、インターネット決済をして自動券売機で購入する方法が取れますが、『車いす対応席』・『多目的室』を利用する場合はあらかじめ『車いす対応席』・『多目的室』を利用する問い合わせをした時に、係の人にチケット購入方法を聞いておくことをお勧めします

 

⑶.『車いす対応席』・『多目的室』は一人で旅行をする人のことを想定していないことが多い

 これは私も経験があるのですが、義足の調子が悪くて『多目的室』を使わせてもらって義足を外した状態でいたのですが、トイレに行きたくなって、『多目的室』の呼び出しボタンを押しても、なかなか車掌さんがきてくれず、とても困ったことがありました。

 他にも、介助者なしで車いすで旅行をする人にとっては

 

「そもそも座席に一人で移れないし座席に移ってからトイレに行こうと思っても車掌さんが通るまで待っていないといけないので一人旅行者には不便」

 

「一つの車両に『車いす対応席』は多くても2席しかないので、車いすを使う知り合い・友人同士で乗り合わせても2人までしか同じ車両に乗り合わせることができない」

 

「車いすの置き場所や大きさによっては自動ドアのセンサーに当たってしまい、自動ドアが開いたり閉まったりして他のお客さんに申し訳ない」

 

「シートベルトとかが座席にあるわけではないので、体をしっかり支えることができない車いす使用者にとっては車両の揺れやブレーキの時に怖いと感じる」

 

といった意見も聞かれます。

 私が義足で生活するようになった約30年前と比べると、車いすの人や障害を持った人が一人で出かけることを考えた建物の造りや考え方が少しずつ広がってはきていますが、まだ

 

「介助者がいることが当たり前」

 

という状態は続いています。

東京オリンピック・パラリンピックにむけて、こうした意見は国内からだけではなく、海外からくる車いす利用者からの意見としても取り上げられていますので、改善にむけた取り組みが期待されます。

 

⑷.急な予定の変更や予約なしでの『車いす対応席』・『多目的室』の利用はできないことが多い

 

「ちょっと早めに目的地に着きたいな」

 

「駅に着くのが遅くなってしまった」

 

といったことへの対応は非常に難しいのが現状です。

また、年末年始は車内でお酒を飲む人などが気分が悪くなって『多目的室』をずっと使っていることや、座れない乗客が車いす用のトイレに入ったまま出てこないといった問題が生じていることもあります。

先ほどの車いす利用者や障害を持った人が一人旅行することを想定していないことにもつながるのですが、予約を優先させている結果

急な予定変更や予約なしでの『車いす対応席』・『多目的室』が難しい

ことが多いのも現状です。

 

こうした中、JR各社は、体の不自由な人だけではなく、すべての人が利用しやすい取り組みを進めています。

『お身体の不自由なお客様へ』と書いてありますが、すべての人が対象になります。

リンクを貼っておきますので、ぜひこの機会に活用してみてください。

JR東海:お身体の不自由なお客様へ

JR西日本:おからだの不自由なお客様へ

JR東日本:お身体の不自由なお客さまへ

JR九州:お身体の不自由なお客さまへ

JR北海道:お身体の不自由な方へ

 

まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回は、車いす利用者や病気やケガや障害などを持っている人が年末年始に新幹線を利用される時に使える制度や設備などについて、私自身の体験も含めてお伝えしました。

“実際に『車いす対応席』・『多目的室』を利用する時の注意点”だけを読んでいると

 

「なんだかやっぱり年末年始に新幹線を使うのは怖い」

 

と思われるかもしれませんが、実際に『車いす対応席』・『多目的室』を使ってみて、いろいろな声を届けることも、社会を大きく変えるきっかけにもなります。

また、JR各社も、車いす利用者や病気やケガや障害などを持っている人などが安心して新幹線を利用できるよう、いろいろな取り組みを進めています。

なので、今回のこの記事を見て、是非ともみなさんのご意見をいただきたいので、気軽にコメントをしてもらえると嬉しいですし、こういった情報を発信する私にとってもとても大きな励みになります。

最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます!

 

 

 

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4 件のコメント “年末年始に新幹線を利用したい! 車いす利用者や障害のある人が利用する際の3つのアドバイス

  1. よーく調べられてますね。知らなかったこともあって、そうなんだと思うことも多かったです。山陽や東海道新幹線の情報が全般にのっているのですが、もう少し情報量減らすために、近畿に遊びに行くとか、九州に行くとかしぼってみてもいいかも。ありがとうございましたー。また見ますね。

    1. がみっちさん
      コメントありがとうございます。自分の体験や実際の車いすユーザーの方や体の不自由な方などの意見をまとめさせていただく中で、皆さん共通にお困りのことでしたので、できるだけ分かりやすくお伝えさせていただきました。ボリュームがたくさんになってしまったので、ご指摘の通り、近畿や九州や中国地方など、それぞれの地域にしぼった記事も書いてみたいと思います。またお気軽にコメントをいただけるとありがたいです。

  2. とても濃い内容で勉強になりました。
    新幹線には数回しか乗ったことがなく車いす席や多目的室があることさえ知らず知識量の少なさを痛感しました。また、車いす席の少なさにも驚き最低でも全ての車両に車いす席を確保する必要があるのではないかと思います。近々、新幹線を利用する機会があるので身体の不自由な方、車いすの方がどれだけ利用しづらいかを意識して利用してみたいと思いました。

    1. Y.NAKAMURAさん
      コメントありがとうございます。身体の不自由な人だけでなく、誰もが使いやすいユニバーサルな車両が必要ですよね。体の不自由な方だけでなく、混雑時に体調を崩しやすい小さなお子さんとか、精神的に狭いところが苦手な人とかも、多目的室は使えるはずなのですが、まだなかなか浸透していません。あとは、それぞれの駅でのバリアフリーの課題もあるので、是非、お近くで乗られる駅があれば、その駅のバリアフリーはどうなっているのか、まずは身近なところからいろいろ確認されてはいかがでしょうか。
      またお気軽にコメントをいただけるとありがたいです。

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