こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、密教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
今日の『お大師さまゆかりの地』は、四国八十八ヶ所霊場第三十番霊場 善楽寺(ぜんらくじ)です。
(*^-^*)
即身成仏|生きたまま仏さまになる?
お大師さまは数々の偉業をなされ、また、数々の教えも残されています。
その多くは当時の仏教界においては
革命的
でもありました。
特に
この世に生きたまま仏さまになることができる
すなわち
即身成仏(そくしんじょうぶつ)
の考え方は、当時の日本の仏教界に大きな影響を与えることになりました。
この即身成仏の考え方は、お大師さまが若かりし頃の修行の最中に手にされた
大日経(だいにちきょう)
の経典にも記されています。
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密教の根本思想である即身成仏ですが、当時の仏教界では大きな波紋を広げ、それは現代においてもしばしば議論の中心になることがあります。
そもそも、生きる身のまま仏さまになるという発想が当時の仏教の中には存在しておらず
現世よりも来世
という考え方が主流だった時代でもあったので、即身成仏という考え方を批判する宗派もたくさんあったようです。
しかし、天皇をはじめとする朝廷の人々や、貧しさや飢えに苦しむ人々にとっては
来世よりも現世
でのご利益にこそ大きな期待を寄せており、真言密教で用いられる加持祈祷(かじきとう)の霊験あらたかなところや、即身成仏の考え方に
現世を生きる希望
を見出していたようです。
特にお大師さまの密教に魅力を感じていたのは、仏門に入り、修行の日々を重ねていた
若い修行者たち
であったと言われており、日々の厳しい修行の果てに到達できる即身成仏の境地は、とても新鮮で希望に満ち溢れていたと言われています。
仏さまはどこか遠いところにおられるのではない
一人ひとりの心の中におられる
一人ひとりがその仏さまに気づき
仏さまの心で生きるのであれば
この世の中は幸せに満ち溢れる
そして即身成仏とは
身体(身密)・言葉(口密)・心(意密)の三密をフル回転させ
いま・ここに生きることを大切にする
という教えであり、生命の基本を説いている教えなのです。
お大師さまが説かれた即身成仏の真髄に触れたこの言葉は、どこか心の在り方を忘れがちな現代の私たちにも問いかけておられるのかもしれないですね。
<お大師さまゆかりの地>
四国霊場八十八ヶ所
第三十番札所
百々山 東明院 善楽寺
(どどざん とうみょういん ぜんらくじ)
桓武天皇(西暦737年〜806年)在位後の大同年間(806年〜810年)にお大師さまがこの地を訪れ、土佐国一ノ宮・総鎮守である高鴨大明神(たかかもだいみょうじん)の別当寺として善楽寺を創建されたと伝わっています。
善楽寺 大師堂
本堂の左隣の大師堂は昭和9年に建立されたものであり、ここの大師像は厄除け大師として知られ、厄年の参拝や交通安全祈願でのご利益があると伝えられています。
<約3分の動画で善楽寺の紹介をされています>
境内には子安地蔵堂(こやすじぞうどう)があり、お大師さま作とされる優しいお顔のお地蔵さまが祀られています。
善楽寺 十一面観音菩薩像
難産で苦しんでいる妊婦を、お大師さまが加持祈祷されたことで無事安産させたという伝説が残っており、安産や子宝祈願をはじめ、幼くして亡くなった子供を供養するための水子供養の祈願所として篤い信仰を集めています。
所在地:〒781-8131 高知県高知市一宮しなね2丁目23-11
お問い合わせ:088-846-4141(TEL)
交通アクセス:善楽寺ホームページ
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