新米小坊主の小話 「あ」で始まり「ん」で終わる言葉に込めた思い

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。

サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。

(*´▽`)ノノ

今日のアイキャッチの画像は、四国八十八ヶ所霊場第七番霊場 十楽寺(じゅうらくじ)の本堂の写真です。

(*^-^*)

 

「あ」で始まり「ん」で終わる言葉に込めた思い


 

お大師さまと言えば、筆(書)の達人であったことは過去のブログでも紹介させていただきました。

↓ ↓ ↓

 

それと同時に、お大師さまはそれまでの日本語になかった言葉の決まりなどをいち早く取り入れたと言われています。

皆さんもどこかで聞いたことのある

 

いろは歌

 

の作者がお大師さまだったのではないかという説があります。

 

いろはにほへと ちるぬるを

「色は匂へど 散りぬるを」

わかよたれそ  つねならむ

「我が世誰ぞ 常ならむ」

うゐのおくやま けふこえて

「有為の奥山 今日越えて」

あさきゆめみし ゑいもせす 

「浅き夢見じ 酔ひもせず」

 

と、全ての仮名を使った表現は、お大師さまのように筆(書)や言語の達人でないと作成できないと言われおり、鎌倉時代(西暦1185年〜1333年)に編纂された

 

『釈日本紀(しゃくにほんき)』

 

という書物の中では、いろは歌はお大師さまが作ったと記載されています。

また、私たちに馴染みの深い、「あ」から始まって「ん」で終わる

 

五十音図

 

も、お大師さまが作ったと言われています。

しかし、これらの話は諸説あり、お大師さまの作だとは断言できないものです。

ただ、いろは歌は真言宗系統の僧侶の間で使われていたことや、五十音図はサンスクリット語の字音表を転用して真言宗系統での学問に使われていたことを考えると、お大師さまがサンスクリット語を唐から持ち帰ったことが少なからず影響していたと考えることができます。

特に

 

「あ」から始まり

「ん」で終わる

 

五十音の言葉に関しては、お大師さま自身が生命の流れを瞑想にも取り入れた

 

阿字観(あじかん)

 

そして

 

吽字観(うんじかん)

 

からも、お大師さまが「あ」から始まって「ん」で終わる言葉をとても大切にされていたことが分かります。

「あ」から始まることの大切さについては、お大師さまが詠(よ)まれた次の歌からもうかがい知ることができます。

 

「阿(あ)字の子が 阿字のふるさと立ちいでて また立ち還(かえ)る 阿字のふるさと」

 

この歌は、お大師さまの弟子である智泉(ちせん)が37歳の若さで亡くなった時にお大師さまが詠まれた歌とされており、阿字観においてもしばしば引き合いに出されます。

その意味は

 

私たちは仏さまの世界から生まれ

死ぬ時にはまた仏さまの世界に還る

 

ことを示しており

 

生命の始まり(「阿字」=「あ」)をこの身のまま実感する

 

ことを中心に詠まれています。

一方で吽字観では

 

「ん」という言葉の音に込められた生命の真理

 

を説いていて、宇宙が収縮して生命の種となることを知ること、すなわち

 

生命の終わり(「吽」=「ん」)はまた一つの生命の源となる

 

ことに繋がっているのです。

これは

 

「お(あ)ぎゃー」

 

と息を大きく吐き出して生まれたものが

 

「ん」

 

と息を吸い込んで死んでいくという、私たちの人生そのものを表しており

 

阿吽(あうん)の呼吸

 

とはまさに

 

生命の旅路が一瞬の呼吸のうちにある

 

ということを私たちに教えてくれるとともに、「あ」から始まり「ん」で終わる言葉には

 

私たちの言葉や呼吸そのものが仏さまや宇宙の世界に繋がっている

 

ということを教えてくれているのです。

 

 

<お大師さまゆかりの地>

 

 

四国霊場八十八ヶ所

第七番札所

光明山 蓮華院 十楽寺

(こうみょうさん れんげいん じゅうらくじ) 

大同年間(西暦806年から810年)に、弘法大師(お大師さま)がこの地を訪れた時に、阿弥陀如来(あみだにょらい)を感じられ、阿弥陀如来像を刻まれたのが本尊として祀られたと伝わっています。

阿弥陀如来は西方浄土(さいほうじょうど)の仏さまとして、仏教の中でひときわ篤く信仰されており、極楽浄土(ごくらくじょうど)は亡くなられた人の魂が導かれる地として時代年代を問わずに多くの人々の拠り所ともなっています。

<約4分の動画で十楽寺の紹介をされています>

お寺の名前の由来は、生老病死(しょうろうびょうし)という四苦(しく)に対して10の光明(こうみょう)と輝く楽しみが得られることを願い、光明山十楽寺としたと言い伝えられています。

お寺の敷地内の中門遍照殿(ちゅうもんへんじょうでん)では、良縁成就、悪縁断絶の願いを兼ね備えた愛染明王(あいぜんみょうおう)が祀られており、また、本堂の左手前にある治眼疾目救歳地蔵尊(ちがんしつもくぐさいじぞうそん)は、古くから目の病に侵された人たちの治療に霊験があるとされ、多くのお遍路さんの参拝の地となっています。

所在地:〒771-1509 徳島県阿波市土成町高尾字法教田58

お問い合わせ:088-695-2150(TEL)

交通アクセス:四国八十八ヶ所霊場會

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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