こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
今日のアイキャッチの画像は、四国八十八ヶ所霊場第四番霊場 大日寺(だいにちじ)の鐘楼門(しょうろうもん)の写真です。
(*^-^*)
無意味な存在はこの世に一つもない
お大師さまが中国の唐(とう)から持ち帰った密教は、日本の仏教に大きな変化をもたらしました。
とりわけ、『密教』=『秘密の教え』は当時の仏教界からすると、お経を書き記した経典では説明ができないことや、それまでなじみのなかった多くの仏様の存在を知ることになりました。
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特に密教では
すべての生命に仏さまが宿っているので無意味なものはこの世に一つとして存在しない
との教えを重視していて、細胞の一つ一つ、遺伝子一つ一つが仏さまの分身であり、どんな小さなも存在でも、なくてはならない尊い仏さまとしています。
これは、西洋文明と東洋文明の発展の違いでも表すことができます。
西洋の文明は
分類の文化
と呼ばれており、科学的な分析や根拠の提示が基本となっていて
ものごとの形を見分けて一つずつにまとめて(均一化して)分類する
ことを中心に発展してきました。
つまり
見える世界(可視化できる世界)を重視
してきたのです。
この見方は、科学技術の発展に欠かせないものですが、生命を細胞レベル、遺伝子レベルまで分類して突き詰めても、人の全体を形作っているものや心のあり方などは永遠に分からないですし、説明することも難しいと思います。
一方で、東洋の文明は
混沌(こんとん)の文化
と呼ばれており、あるがままの姿や、変わりゆく姿をそのまま受け入れる姿勢が基本となっていて
ものごとはたくさんの形で成り立っているのでの一つにまとめない(均一化しない)
ことを中心に発展してきました。
つまり
想像の世界(可視化できない世界)を重視
してきたのです。
この見方は、科学で説明できない現象を理解するために欠かせないものです。
科学技術が進歩してきて、宇宙にまで生命の存在を求めることができる時代になっていながらも、そもそもの宇宙の存在や人間の生命については、科学だけでは説明できないというのは、多くの科学者が認めているところでもあります。
お大師さまが広めた真言密教における、仏さまは山や川や草木や生き物すべてに仏さまが宿っているという
山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)
の教えは、西洋の文明や科学だけでは説明できない世界の大切さを伝えるとともに
すべての生命に仏さまが宿っているので無意味なものはこの世に一つとして存在しない
そして
すべての生命は見えない力の相互作用によって成り立っている
ことを、見えない部分も含めて丸ごと理解することが大切だと、今の世に伝えているのです。
<お大師さまゆかりの地>
四国霊場八十八ヶ所 第四番札所
黒巌山 遍照院 大日寺
(こくがんざん へんじょういん だいにちじ)
四国八十八ヶ所霊場の第四番霊場の大日寺は、弘仁6年(西暦815年)にお大師さまがこの地で大日如来(だいにちにょらい)を感じ取られ、お大師さま自身が大日如来像を彫刻して祀られた地として知られています。
<4分半くらいの動画で大日寺の紹介をされています>
御本尊の大日如来は、密教における最高位の仏さまであり、『宇宙の真理そのもの』を現したものであり、ブログ内にも出てくる『すべての生命の源(みなもと)』ともされています。
本堂と大師堂をつないでいる回廊に、西国33ヵ所の木造観音像が安置され、訪れる人を暖かく迎え入れてくださいます。
所在地:〒779-0113 徳島県板野郡板野町黒谷字居内28番地
お問い合わせ:088-672-1225(TEL)
交通アクセス:四国八十八ヶ所霊場會
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