熱中症かなと思った時の水分補給方法

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

熱中症への対応を本格的に行わなければならない季節になり、このブログでもシリーズで『熱中症』について扱うようになりました。

前回、第1回目は『熱中症のメカニズムと応急処置の手順・方法』についてお伝えしました。

今回は『熱中症かなと思った時の水分補給方法』についてお伝えします。

 

熱中症が疑われる場合に摂取して欲しい水分


 

結論から先に言うと、熱中症が疑われる場合には

 

経口補水液ORS:Oral Rehydration Solution)

 

が最も望ましく、経口補水液がなければ

 

スポーツドリンク

 

を選択します。

経口補水液もスポーツドリンクもない時には

 

真水以外の飲み物

 

を選択してください。

真水を一度に大量に摂取すると、『低ナトリウム血症』という、いわゆる

 

水中毒

 

を起こしてしまうので注意が必要です。

どうしても真水しかない場合は、食塩を少し混ぜることや(0.1〜0.2%の食塩水:水1Lに対して食塩1〜2gを入れる)、塩あめや梅干しを舐めてもらって摂取することや、水を少しずつ摂取してもらうようにしてください。

 

熱中症の対策に適した飲み物の条件としては、できるだけ速く体の隅々の組織にまで潤いが行き渡るかが大切になってくるので

 

水分吸収スピード

 

がとても重要になってきます。

水分吸収スピードが高まるのは

 

5〜15℃くらいの温度

 

と言われており、この温度では水分吸収スピードだけではなく

 

体の温度を下げてくれる

 

効果もあるので、水分温度にも気をつけたいですね。

また、摂取した水分が尿として排泄されずにできるだけ体内に留まってくれるかという

 

水分保持力

 

も熱中症の対策としては重要なポイントとなります。

こうした点でも、熱中症が疑われる場合には経口補水液が最も適していると言えます。

 

では、それぞれの飲み物について説明しますね。

 

1.経口補水液(ORS)

<画像引用:大塚製薬ホームページより>

経口補水液は、塩分の濃度がスポーツドリンクよりも高く、体液に近い成分が含まれているので

 

体内での水分吸収スピードが早い

 

ことが特長なので、大量に汗をかいた時や下痢などによって水分が急激に失われる時に適しています。

成分的にお伝えすると、経口補水液は、ナトリウム(Na)やカリウム(K)といった電解質濃度が高く、水と電解質の吸収を速めるために、スポーツドリンクと比べて

 

糖分の濃度(糖濃度)は低い

 

ことも特徴として挙げられます。

体の中に水分を留まらせてくれる成分も多く含まれているので

 

水分保持力

 

にも優れており、急激に失われた水分がしっかりと身体中に行き渡るまで体の中に留まってくれるところは心強いですね。

熱中症が疑われる時には最も摂って欲しい経口補水液ですが、飲む時には一度の大量の経口補水液を飲むのではなく

 

コップ1杯分(200ml程度)を30分くらいかけて数回に分けて摂取する

 

ことが望ましいです。

回復の兆しが見えてきたら、少しずつ飲む量を増やしても良いです。

主な経口補水液といえば、OS1(オーエスワン:大塚製薬)アクアライトORS(和光堂)アクアソリタ(味の素)などがあります。

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私はOS1を用いる頻度が多く、ペットボトルサイズの500mL(自宅に保管)・280mL(主に外出時に持参)、OS1ゼリー200g(主に冷蔵して保存)をそれぞれ3〜4本ずつ保管するようにしています。

経口補水液は熱中症の時だけではなく、急な下痢や災害時にも必要になるので、そのための備えとして持っておくことをお勧めします。

 

2.スポーツドリンク

<画像引用:大塚製薬ホームページより>

熱中症が疑われる時に、経口補水液(ORS)が無い場合には、スポーツドリンクを選択してください。

スポーツドリンクには

 

ハイポトニック

アイソトニック

 

の2種類のドリンクがあります。

ハイポトニック飲料

ハイポトニック飲料とは、体液と呼ばれる体の中を満たしている液体よりも、低い浸透圧に調整されているので

 

アイソトニック飲料に比べて体の中での水分の吸収が速くて効率よく体内に吸収される

 

のが特長です※1

※1.浸透圧は濃度の低い方から高い方へ移動する性質があるので、摂取した飲料の浸透圧が体液よりも浸透圧が低ければ、それだけ体液中に飲料に含まれる電解質などの成分が流れ込みやすい=吸収されやすいのです

また、胃に留まる時間もハイポトニック飲料の方が短いため、運動時に補給しても胃の中に溜まる不快感(チャポチャポ溜まるなど)がほとんど無いのも特長の一つです。

ハイポトニック飲料の塩分濃度はは0.1%程度と経口補水液よりやや低い濃度です。

糖質に占める割合は2.5%程度とアイソトニック飲料の8.0%と比べるとかなり甘さを控えているのも特長です。

主なハイポトニック飲料と言えば、VAAM(ヴァームウォーター:明治)、amino VITAL GOLD 2000(アミノバイタル ゴールド2000:味の素)などがあります。

アイソトニック飲料

アイソトニックとは「等張液」という意味で、アイソトニック飲料は体液と同じ濃度や浸透圧で作られています。

アイソトニック飲料には、体のエネルギーの源になる糖質を多めに含むものが多いので

 

水分だけではなく夏バテなどで食欲が低下している時などにエネルギーを補給できる

 

のが特長です。

糖質の占める割合は8.0%程度で、ハイポトニック飲料と比べて甘味が強めです。

ただし、糖質オフのアイソトニック飲料では糖質からのエネルギーの補給はできず、水分・電解質の補給のみとなります。

主なハイポトニック飲料と言えば、ポカリスエット(大塚製薬)、アクエリアス(コカ・コーラ)、GREEN DA-KA-RA(グリーン ダ・カ・ラ:サントリー)などがあります。

私はパウダー状(粉状)のアイソトニック成分を1Lの水で希釈して、運動前後や日常的に汗をかく場面で飲むようにしています。

経口補水液とスポーツドリンクに関連したこととして、WHO(世界保健機関)とアメリカ小児科学会の出しているガイドラインとともに、代表的な経口補水液とスポーツドリンクの成分表をつけておきますので、こちらも参考にしてくださいね。

 

3.経口補水液・スポーツドリンク以外の飲み物

熱中症が疑われる場合には、経口補水液、経口補水液がなければスポーツドリンクが望ましいことはお伝えしました。

それでも経口補水液もスポーツドリンクも無いという状況の時には

 

カフェインが少ない飲料水・お茶

 

で代用することも可能です。

コーヒ、紅茶、コーラなどカフェイン入りの飲料水は強い利尿作用があるので、水分がすぐに外に出て行ってしまうため熱中症が疑われる場合の水分摂取には向いていません。

飲料水はできるだけ冷えたものが望ましいので、自動販売機が近くにあるなら、その場で購入して飲んでもらうことで、まずその場での対応としましょう。

最近では、自動販売機のほとんどでスポーツドリンクもしくは糖分を含む清涼飲料水が販売されているので、スポーツドリンクや清涼飲料水があればそれを購入することで熱中症への対応にはなりますが、暑い時期には

 

自動販売機からスポーツドリンクや清涼飲料水が真っ先に無くなる

 

ということもありますので、自動販売機が近くにあるからといって常に適切な水分補給ができると過信しないでくださいね。

飲料水を確保したら、塩あめや梅干し(乾燥梅干しでも良いです)を舐めてもらいながら、少しずつ水分を摂取してもらいましょう。

日常的に経口補水液やスポーツドリンクを持っていない場合は、水に食塩を少し混ぜて(0.1〜0.2%の食塩水:水1Lに対して食塩1〜2gを入れる)、砂糖を大さじ2〜4杯(20〜40g)程度入れたものをしっかり混ぜ合わせたものを臨時の代用品として使うこともできます。

 

まとめ


 

今回はシリーズ『熱中症』の第2回目として『熱中症かなと思った時の水分補給方法』についてお伝えしました。

熱中症が疑われた場合には

 

経口補水液を第1選択

 

として

 

経口補水液がなければスポーツドリンク

 

を摂ってもらい、経口補水液もスポーツドリンクも無い時には真水以外の飲料水を塩あめを舐めるなどをして摂取してもらうなど

 

水分吸収スピード

水分保持力

 

を意識した水分摂取を行ってください。

水分吸収スピードが高まり、かつ、体の温度を下げてくれる

 

5〜15℃くらいの温度

 

での水分を摂ってもらうことも覚えておきましょう。

また、もしもの時や災害などを想定して普段から携帯できる経口補水液を持っておくことも重要であることを知っておいてください。

自分や自分の周りの人が熱中症の疑いがある場合に、今回お伝えしたことが少しでもお役に立つことができればと思います。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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