新米小坊主の小話 お布施の本来の意味

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、密教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。

サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。

(*´▽`)ノノ

今日の『お大師さまゆかりの地』は、四国八十八ヶ所霊場第二十四番霊場 最御崎寺(ほつみさきじ)です。

(*^-^*)

 

お布施の本来の意味


 

真言密教では、普段からの修行として行うべき

 

四摂事(ししょうじ)

 

という、世のため人のために努めなければならない約束事(徳目:とくもく)があります。

その内容は

 

1.布施(仏さまの教えや物を分け与える)

2.愛語(愛情のある優しい言葉で話しかける)

3.利行(人々にさまざまな利益をお渡しする)

4.同事(みんなで一緒になって努力をする)

 

この四摂事(四摂法:ししょうぼう、四恩:しおん とも言います)は僧侶が人々を導くための心がけの基本として教わるのですが、僧侶でなくとも日々の生活の中で実践してもらいたい項目でもあります。

ところで、この四摂事の一つである

 

布施

 

と聞くと、みなさんはどんなイメージをされますか?

おそらく多くの人は

 

お金

 

をイメージされるのではないでしょうか。

確かに、『お布施』と聞くと、お寺さんやお坊さんにお渡しする『お気持ち』としての金銭のことが真っ先に頭に浮かぶと思いますが、本来はもっといろいろな意味が含まれています。

布施は、何を分かち合うのかによって

 

財施(ざいせ)

法施(ほうせ)

無畏施(むいせ)

 

と大きく分けて三つの布施があります。

『財施』は文字通り金銭や品物を他の人に分け与えることで

 

物質的な問題で苦しんでいる人を救うための施し

 

のことを言います。

『法施』は金品ではない人助けのことで

 

役に立つ情報などを教えたり

困っている人に救いの方法を教える

 

ことを言います。

『無畏施』とは

 

相手の不安や恐怖を取り除いて恐れのない状態にする

 

ことを言います。

『無畏施』は、観音菩薩さまがその法力で苦しんでいる人々を救うこととしても知られています。

 

「そんなこと言われても、そんなお布施とか、難しくてよく分からない」

(。-`ω´-)ムツカシイ…

 

と思われる人も少なくありません。

でも普段から心がけて実践することができるお布施もあります。

それは

 

無財の七施(むざいのしちせ)

 

という教えであり、『眼施(げんせ)』『和顔悦色施(わがんえつじきせ)』『言辞施(ごんじせ)』『身施(しんせ)』『心施(しんせ)』『床座施(しょうざせ)』『房舎施(ぼうじゃせ)』の七つのことを言います。

『眼施』

 

優しい眼差しで人に接すること

 

を言います。

『和顔悦色施』

 

にこやかな笑顔で人に接すること

 

を言います。

『言辞施』

 

優しい言葉で人に接すること

 

を言います。

『眼施』『和顔悦色施』『言辞施』は四摂事の『愛語』にも通じることであり

 

優しい眼差しで

穏やかな笑顔で

「こんにちは」「お疲れ様」「ありがとう」を

言葉に出して伝える

 

ことであると言えます。

『身施』

 

重い荷物を持ってあげたり

お年寄りや体の不自由な方のお手伝いをすること

 

を言います。

『心施』

 

礼儀を持って相手に接すること

 

を言います。

『床座施』

 

自分の座る場所を他の人と分かち合うこと

 

を言います。

自分の地位を後任に譲り、後のことを託すことも『床座施』と言えるでしょう。

『房舎施』

 

自分の家を綺麗に掃除して

他人を招き入れて

あたかも自分の家に帰ってきたかのような安らかな気持ちになってもらうこと

 

を言います。

四国八十八ヶ所巡りをされたことのある方は、見ず知らずの家であってもお遍路を行く人々をもてなす光景を目にされたことがあると思いますが、これらは『身施』『心施』『床座施』『房舎施』にも通じることでもあります。

これら『無財の七施』も大切なお布施であり、普段からの心がけと行動で誰でも行えるものばかりです。

 

お布施の本来の意味を知っていただき、お布施の心こそ

 

他人を慈しみ

他人を尊重する

私たち人間が生まれながらに持っている

きれいな心である

 

ことを知っていただき、今からここからできることを、一番身近な人へ、心と言葉を込めて、行動としてあらわしてみてはいかがでしょうか。

 

 

<お大師さまゆかりの地>

 

四国霊場八十八ヶ所

第二十四番札所

室戸山 明星院 最御崎寺

(むろとざん みょうじょういん ほつみさきじ) 

最御崎寺は修行の道場とされる高知県(土佐)の最初の霊場です。

延暦11年(792年)、お大師さまが19歳のころ、この寺の近くの室戸岬で修行をされ、虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)を修された御厨人窟(みくろど)が今でも残っています。

御厨人窟(御蔵洞:みくろど)

注:御厨人窟に行かれる際には、まず室戸市観光協会にお問い合わせすることをお勧めします。

<約2分の動画で御厨人窟の内部を紹介されています>

大同2年(807年)、唐から帰国したお大師さまは、天皇の勅命を受けて再び室戸岬を訪ね、虚空蔵求聞持法を成就したこの地に、本尊とする虚空蔵菩薩像を彫造して本堂を建立し、開創されました。

最御崎寺本堂

歴代天皇の信仰も篤いことでも知られており、室町時代には国の重要なお寺でもある安国寺の指定も受けていました。

室戸岬では東西に対峙している第二十六番札所 金剛頂寺を西寺と呼び、最御崎寺は東寺とも呼ばれており、納経帳などの寺名には東寺と記されています。

<約6の動画で最御崎寺の紹介をされています>

最御崎寺はお大師さまの悟りの起源の地として、今も多くの人々の篤い信仰を集めています。

所在地:〒781-7101 高知県室戸市室戸岬町4058-1

お問い合わせ:0887-23-0024(TEL)

交通アクセス:四国八十八ヶ所霊場會

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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