こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
今日の『仏教ゆかりの地』は、柴又帝釈天(しばまたたいしゃくてん)で知られる経栄山題経寺(きょうえいざん だいきょうじ)です。
(*^-^*)
いのちの輝きとインドラの網
仏教の教えでは、すべての生命は
網のようなネットワークで成り立っている
と言われています。
網の結び目の一つ一つがそれぞれの生命を表し、一つが輝けばその光がネットワークを伝わって明るく広がって行きます。
しかし、一つが暗くなればその闇でネットワークも暗く沈んでしまいます。
こうした網のようなネットワークのことを、仏教では
インドラの網
として教えられています。
インドラとはインドの最古の経典と言われている『リグ・ヴェーダ』における
最大の神=帝釈天(たいしゃくてん)
のことを言います。
帝釈天と言えば、「フーテンの寅さん」でお馴染みの『男はつらいよ』で出てくる
「ここは葛飾柴又帝釈天〜♪」
で聞いたことがある人もおられると思います。
また、京都にある教王護国寺(東寺)の立体曼荼羅で帝釈天を見られた方もおられると思います。
インドラは天にある須弥山(しゅみせん)の頂上である忉利天(とうりてん)という所の善見城(喜見城)に住み、その城の天空に
巨大なインドラの網が宇宙に向けて広がっている
とされており、その結び目一つ一つが
まばゆいばかりの光を放っている
と言われています。
天空に広がるインドラの網の結び目一つ一つは、この宇宙に生きている全てのいのちの輝きであり、お互いが輝き合うことで
宇宙の平和が保たれている
とされています。
人間だけではなくあらゆる生命、すべての存在が、一つ一つのいのちを大切にすれば、神さまも仏さまも安心して穏やかないのちの輝きを楽しみ、やがて仏さま元に帰ることができると言われています。
しかし、人間がいのちの輝きに気を遣うことなく、自分自身の欲望の赴くまま、また、他のいのちを蔑ろ(ないがしろ)にするまま、この世の中を顧みない状況が続くと、インドラの網の結び目が暗くなり、そして
一つが暗くなれば
あっという間にその闇で
いのちの輝きが暗く沈み
インドラの怒りに触れてしまい
いのちの輝きが戻るまで
人間に厳しい試練を与え続ける
とされています。
新型コロナウイルス感染症が猛威を奮う中、私たち一人一人がいのちの輝きを大切にして
自分へのいたわり
相手へのいたわり
優しい言葉(愛語)
今を生きることへの感謝
すべての生命への感謝
をいま一度一人一人が考えて行動に移すことこそ、インドラの網の理想に近づき、再びこころ穏やかに過ごせる日々が訪れることが言えるのではないでしょうか。
<仏教ゆかりの地>
経栄山題経寺
(柴又帝釈天)
(きょうえいざん だいきょうじ)
柴又帝釈天(しばまたたいしゃくてん)で知られる帝釈天題経寺は、正式には経栄山題経寺という日蓮宗の寺院であり、江戸時代初期の寛永6年(1629年)に開基されました。
開山は下総(現在の千葉県)中山法華経寺・第十九世禅那院日中(ぜんないんにっちゅう)上人と、その弟子である第二代題経院日栄(だいきょういんにちえい)上人の二人の僧によって開基されたと言われています。
帝釈堂
日蓮聖人自ら謹彫された帝釈天の御本尊が安置されていましたが、江戸時代中期に一時所在不明となっていました。
その後、本堂改修中の安永8年(1779年)に第九代住職の亨貞院日敬(こうていいんにちきょう)上人が修復中の本堂の棟木の上から発見したものが、この帝釈堂に安置されています。
本堂をはじめ、寺院の敷地内には精巧に彫られた彫刻の数々を目にすることができ、その彫刻の美に参拝者は圧倒されます。
邃渓園(すいけいえん)
邃渓園は大客殿に付属する庭園で、昭和4年(1929年)、大客殿の竣工に合わせ作庭を始め、少しずつ手を加えながら、昭和40年(1965年)にほぼ現在の形になりました。
関東大震災や第二次世界大戦などにより東京都内に所在する寺院の多くは被災して移転し、付属する寺院庭園も移設・改変されたものが多いのですが、邃渓園は、戦前から作庭を開始し大規模改変のない庭園として、芸術的・学術的価値があり、貴重であると高い評価を受けており、2016年3月11日には「東京都指定名勝庭園」に指定されました。
<約8分の動画で参道から題経寺内の紹介をされています>
柴又帝釈天の参道である『柴又神明会』には、多くの店が軒を並べており、特に『草団子』は地元の人のみならず、日本全国や海外からの観光客がその味を求めて多くの人が訪れることでも有名です。
所在地:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7-10-3
お問い合わせ:03-3657-2886(TEL)
交通アクセス:柴又帝釈天公式ホームページ
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