新米小坊主の小話 仏教とあの飲み物との関係

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。

サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。

(*´▽`)ノノ

今日の『お大師さまゆかりの地』は、四国八十八ヶ所霊場第二十二番霊場 平等寺(びょうどうじ)です。

(*^-^*)

 

仏教とあの飲み物との関係


 

子供から大人まで広い世代に長年愛されている飲み物と仏教とに共通点があることをご存知ですか?

それは、誰もがきっと飲んだことのある

 

カルピス

 

です。

1919年(大正8年)の7月7日に発売されてから、すでに

 

100年

 

の歴史をもつ飲み物であるカルピスですが、カルピスの創業者である

 

三島海雲(みしまかいうん:1878〜1974年)

 

は大阪府箕面市にある浄土真宗本願寺派 水稲山 教学寺の住職の子供として生まれ、13歳で出家得度しました。

三島は、西本願寺文学寮(現在の龍谷大学)で学んだ後、英語の教師になり、仏教大学(現在の龍谷大学)に編入しましたが、入学後間もなく、大学から中国へ渡ることをすすめられ、1905(明治38)年に中国大陸に渡りました。

1908年(明治41年)、仕事で北京から内モンゴルに入った三島は、遊牧民から

 

酸乳(さんにゅう)

 

を施されました。

三島は、その酸っぱい味と健康効果に驚きを受けます。

北京から内モンゴルまでの長旅で身も心もすっかり弱っていた三島にとって、その酸乳を飲んでいくにつれ、体がどんどん回復していくことに驚くとともに

 

「これは不老長寿の霊薬に出逢ったようだ」

 

と後に述懐しているほど、この酸乳との出会いは衝撃的だったようです。

そしてその酸っぱい乳が

 

乳酸菌

 

で発酵させたものであるとわかった三島は

 

心と体の健康

 

を願い、酸乳と乳酸菌を日本に広めるための製品化に着手します。

しかし、開発には苦難がつきものであり、試行錯誤をしては、何度も失敗を繰り返していました。

そしてついに1919年(大正8年)

 

世界で初めての乳酸菌飲料の大量生産に成功

 

しました。

この時の商品名を、仏教語で

 

最上の味

 

を意味するサンスクリット語の

 

サルピス(सर्पिस्, sarpis, 漢訳:熟酥=じゅくそ)

 

と乳酸菌飲料に加えた成分である

 

カルシウム

 

を合わせた

 

カルピス

 

として販売し、カルピスは一躍国民から広く愛される飲料水になっていきました。

カルピスの原液はその濃さから常温保存しても腐敗しにくい性質だったため、戦前には一般家庭の常備品や日本軍の補給品として用いられ、戦後は贈答品や嗜好品として幅広い世代からの支持を集め、同時に、カルピスをベースにした多くの飲料水が開発され、今日に至っています。

<参考資料:カルピスの生みの親 三島雲海

遊牧民との出会いから酸乳と乳酸菌の効果を知り、それを

 

人々の体と心の健康に役立てる

 

ために尽力した三島雲海。

カルピスの名前の一部でもあるサルピスに込めた思いは、一人でも多くの人にこの最上の味を知って欲しいと願う三島の思いが伝わってくるように思います。

 

 

<お大師さまゆかりの地>

 

四国霊場八十八ヶ所

第二十二番札所

白水山 医王院 平等寺

(はくすいざん いおういん びょうどうじ) 

弘仁5年(814年)、お大師さまがこの地に入られて修行をされていた時に、心に薬師如来の姿が浮かび上がりました。

そして「あらゆる人々の心と身体の病を平等に癒し去る」との御誓願を立てられ、修行を続けられます。

この地での修行を志し、加持水を求めて井戸を掘ったところ、乳のような白い水が溢れ出ました。

山号である白水山はこの乳のような白い水が由来となっています。

今回の「カルピス」の話とも不思議なご縁を感じますね。

<約6の動画で平等寺の紹介をされています>

その霊水で身を清められたお大師さまは、百日間に渡る護摩行をされ、薬師如来のお姿を自ら彫られ、御本尊とされました。

お大師さまが掘られ他霊水の湧く井戸は、どんな日照りであっても枯れることなくこんこんと湧き出ており、現在は無色透明ではありますが弘法の霊水として全国に知られています。

平等寺の試みとして、家にいながらにして参拝ができるライブ配信をされています。

新型コロナウイルスの影響で参拝を自粛している方や、身体の不自由な方で本堂前の階段が登れない方などのために、平等寺の本堂内陣を24時間拝観できる配信をYouTubeでされています。

詳細は平等寺ホームページをご参照ください。

所在地:〒779-1510 徳島県阿南市新野町秋山177番地

お問い合わせ:0884-36-3522(TEL)

交通アクセス:平等寺ホームページ

 

 

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