新米小坊主の小話 仏教とお風呂との関係

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。

サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。

(*´▽`)ノノ

今日の『仏教ゆかりの地』は、今回の記事で触れているお風呂との関係が深い総国分尼寺 法華寺(そうこくぶんにじ ほっけじ)です。

(*^-^*)

 

仏教とお風呂との関係


 

私たち日本人は、世界でも例を見ないほど

 

お風呂好きが多い

 

と言われています。

また、好き嫌いは別として

 

お風呂に入る習慣

 

を持っていることも特徴です。

もともと日本人は綺麗好きとして知られていましたが、神道の習慣として、水を浴びて身も心も清めるといった

 

みそぎ)

 

を生活の中や人生の節目などに取り入れていたことも、こんにちの習慣に繋がっているようです。

しかし、禊のために水を浴びるとはいえ、冷たいままでは冬場などは耐え難いですよね。

そんな中、6世紀頃、今の朝鮮半島の一部である百済(くだら)を経由して仏教が伝来した時に、暖かいお風呂に入るという文化がもたらされました。

8世紀頃に日本に伝わった経典である

 

仏説温室洗浴衆僧経(ぶっせつうんしつせんよくしゅそうきょう)

 

によると、入浴をすることで

 

七つの病を除き

七つの福を授かる

 

という内容が記載されており、お寺などで入浴を施すことが行われました。

そして、入浴の際に使用する七つの物(七物:しちぶつ)として

 

然火(ねんか)・・・薪

浄水(じょうすい)・・・清い湯水

澡豆(そうずorそうとう)・・・豆類で作った粉石鹸のようなもの

蘇膏(そこう)・・・樹脂や牛・羊の脂から作った皮膚を滑らかにする油もしくは薬

淳灰(じゅんかい)・・・樹木の灰汁(アク)で洗髪用(?)

楊枝(ようじ)・・・楊柳の枝をほぐして作った歯ブラシ

内衣(ないい)・・・湯上がりのタオルがわりの乾いた浴衣

 

といった、いわゆるお風呂セットのようなものを持参して入浴し

 

身体を暖め

垢を落とす

 

ことで、病気が治って健康になると説かれていました。

身を清めることだけではなく、病からの治療や健康に留意することは、僧侶にとって

 

重要な修行の一つ

 

とされていたので、仏教伝来とともに僧侶の入浴の習慣ができてきたと言えるでしょう。

ちなみに、当時の入浴は、今のようにお湯の中に浸かるものではなく

 

薬草などを入れたお湯の蒸気を浴びる

 

といった

 

サウナ形式

 

が主流であったようです。

神道の禊や仏教の修行の一部として始まった入浴ですが、時の経過とともに、入浴の効果が広く知れ渡るようになると、民間にも普及していきました。

例えば、奈良時代、聖武天皇の妃であった

 

光明皇后(こうみょうこうごう:701〜760年)

 

は、奈良にある

 

法華寺

 

にお風呂に入ることのできる

 

浴堂(よくどう)

 

を建て、貧しい人々のためにお風呂を開放したとされており、その時に光明皇后自らが人々の背中を洗い流し、病に苦しむ人々の看病を行ったとされる

 

光明皇后の施浴(せよく)

 

という伝説は今にも語り継がれています。

そして、サウナ形式に拘らず、薬湯に実際に浸かって身体を温めるという、今で言うところの

 

温泉療法

 

も徐々に普及して行ったことで、徐々に宗教的な意味合いが薄れていきました。

結果的に、お風呂に入るということが習慣化されていく過程で、一般大衆の

 

公衆衛生の観念を飛躍的に向上させた

 

とも言え、仏教伝来とともに伝わったお風呂に入る習慣が、今の私たちの健康面に与えた影響は計り知れないものであったと言えるでしょうね。

皆さんもお風呂に入る時に、お風呂の歴史を思い出しながら

 

「極楽〜♪極楽〜♪」

(*˘︶˘人)♪

 

と気分良くお風呂を楽しまれてはいかがでしょうか。

 

 

<仏教ゆかりの地>

 

 

総国分尼寺

法華寺

(そうこくぶんにじ ほっけじ)

法華寺は、聖武天皇の妃である光明皇后(701〜760年)自らが発願されて建設された寺院であり、正式名称は法華滅罪之寺(ほっけめつざいのてら)と言います。

光明皇后の父親である藤原不比等(ふじわらのふひと:659〜720年)の死後、光明皇后が子供の頃から住み慣れた邸宅を宮寺に改められたのが法華寺です。

<約4分の動画で法華寺を紹介しています>

聖武天皇の発願で全国に建てられた国分寺・国分尼寺のうち、総国分寺である東大寺に対して、法華寺は総国分尼寺として、女性が僧侶になって仏になるための修行の場所としての役割を担っていました。

法華寺は広大な敷地の中に、東西両塔、金堂、講堂、食堂(じきどう)など、壮大な伽藍を誇りました。

光明皇后は法華寺において、尼僧の仏教学問の研鑽を勧めるとともに、天皇崩御後はこの地で天皇の菩提を祈ったとされています。

<法華寺 浴室(からふろ)

境内に現存する浴室(からふろ)は、法華寺の信徒さんを中心に、毎年1回6月に実際に「蒸し風呂」が体験できるように開放されています。

浴室内部には2室設けられており、浴室を使用している最中には蒸気が吹き上がる光景も見られます。

<法華寺鐘楼

法華寺の御本尊は十一面観音菩薩立像(国宝)であり、春・初夏・秋の特別開扉以外の期間は、ご分身像を拝観することができます。

所在地:〒630-8001 奈良市法華寺町 882

電話:0742-33-2261

交通アクセス:法華寺公式ホームページ

 

 

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2 件のコメント “新米小坊主の小話 仏教とお風呂との関係

    1. KEIKO OKADAさま
      コメントありがとうございます!
      ぜひ、参考にしていただけると嬉しいです。
      今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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