コンプライアンスに真剣に取り組みましょう

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

私は会社での研修部門を担当しており、時には外部講師としてお話をさせていただくこともあります。

社内や社外の管理者・職員向けに行った研修では

 

『コンプライアンスに真剣に取り組みましょう』

 

というお話をしています。

そもそも

 

『コンプライアンス』

 

とは何でしょうか。

今日は、コンプライアンスについてお話をするとともに、コンプライアンスへの取り組みの必要性とその方法についてお伝えします。

 

コンプライアンス(compliance)とは


 

コンプライアンス(compliance)とは、

法令遵守。特に、企業活動において社会規範に反することなく、公正・公平に業務遂行することをいう。

<三省堂 大辞林 第三版より>

 

一般的には、

 

法律などで決められたことをしっかりと守る(遵守する)

 

と言われることが多いのですが、最近では、法律だけの内容に留まらず

 

社会的ルールとして認識されているルールに従って企業活動を行うこと

 

とも言われています。

法律を守って、企業活動を行うことは当たり前だとして、さらにその企業に求められる道徳や良心・分別のついた考え方といった

 

職業倫理(しょくぎょうりんり)

 

をしっかり守って企業活動を行いましょうということも大切になってきます。

 

ポイント

コンプライアンスとは

『法律を遵守する』+『職業倫理をしっかり守る』

 

コンプライアンスを守らないとどうなる


 

コンプライアンスを守らないと、企業の社会的な信用だけではなく、個人の信用までも失うことが多いです。

いわゆる

 

不祥事

 

というものです。

コンプライアンス違反が明らかになると、企業にとっては、

 

会社倒産に繋がる(賠償問題になる)

 

ことも多く、また

 

個人にとってはコンプライアンスを守らない企業で働いていたとして社会的にも厳しい目で見られてしまう

 

ことにも繋がります。

2019年に起きた不祥事(コンプライアンス違反)では

 

『かんぽ生命・ゆうちょ銀行での不適切販売』

『レオパレス21の建築基準違反』

『吉本興業でタレントの相次ぐ不祥事と事務所の対応の不備』

『関西電力の幹部らが高浜町の元助役から金品を受領していた問題』

『セブン・ペイがセキュリティー問題で電子取引から撤退』

『日産・ゴーン逮捕と西川CEOの解任』

<Adver Times(アドタイ)2019.12.02掲載より一部引用>

 

など、ここに挙げたのはごく一部ですが、いずれも企業の信頼を大きく損ねているだけではなく、関係している個人にも民事・刑事責任を問われる結果となっています。

 

「知らなかった」

「そんなつもりはなかった」

「そんなに大きな問題になるとは思わなかった」

「上司に対して意見ができなかった」

 

では済まされないので、コンプライアンスはしっかり守る必要がありますね。

 

ポイント

コンプライアンスを守らないと

企業の信頼を大きく損ねるだけではなく、個人の責任も追求される。

「知らなかった」「そんなつもりはなかった」では済まされない問題。

 

コンプライアンスに必要な取り組み


 

コンプライアンスに必要な取り組みについて具体的な4つの内容をお伝えします。

 

1.行動規範を作る:経営トップのメッセージ

まず最も重要になるのは、

 

経営トップがコンプライアンス違反を許さないことをはっきりとさせる

 

ことです。

そして

 

経営トップのメッセージや企業理念を従業員がしっかりと理解しておく必要があります。

 

経営トップだけがコンプライアンスを意識するのではなく、従業員個々人が意識して取り組む必要があります。

会社のホームページ上に経営トップのメッセージや企業理念を掲載して、第3者から見ても分かりやすくしておくことも、コンプライアンスへの取り組みとしては重要になってきます。

 

2.各規則をしっかりと作って内容を繰り返し確認できるようにする

コンプライアンスに取り組むためには、企業が決める規則を理解しておく必要があります。

特に、

 

就業規則:働くにあたっての職場のマナーやルール(服務規律)と働いてもらえる給料や休暇などの待遇を定めたルール(労働条件)

 

倫理規定(職業倫理):労働環境、企業に求められる道徳や良心・分別のついた考え方

 

については、内容を繰り返し確認できるようにしておく必要があります。

 

3.コンプライアンス推進を行う部門を設置する

従業員にコンプライアンスのことを言うだけで、コンプライアンス違反の責任を個々人に押し付けてしてしまったのでは何の意味もありません。

必ず、コンプライアンス推進を行う部門を設置する必要があります。

弁護士などを第3者委員会として設置している企業もありますが、私はまず企業内できちんとコンプライアンスに取り組める部門を作ることが望ましいと考えます。

コンプライアンス推進部門は、できれば企業内で独立した部門となっていることが望ましいのですが、事業規模が小さいところや、人員がそこまで余裕がない場合は、通常業務との兼任する形でも良いと思います。

大切なことは

 

名前だけのコンプライアンス推進部門にならないこと

 

なので、コンプライアンス推進部門は

 

社内ルールの作成・再評価・変更

コンプライアンス関連文書の管理

コンプライアンス教育計画・実施

従業員からの相談・報告の受付と対応

 

など、コンプライアンスに関する統括業務を担当する必要があります。

 

4.定期的にコンプライアンス研修を行う

トップのメッセージや企業理念があり、各規定も定まっていて、コンプライアンス推進部門を作っていても、定期的に研修を行わないと何の意味もありません。

大切なことは

 

コンプライアンスとは何か

 

コンプライアンス違反とはどういうことをいうのか

 

なぜコンプライアンスの取り組みが必要なのか

 

などを、

 

繰り返し学ぶ機会を作ることです。

そのために、各個々人がどのようにコンプライアンスを認識しているのか定期的に確認する必要があります。

私の会社では、コンプライアンスに関する個々人の認識の確認のために

 

コンプライアンスセルフチェックシート

 

というものを作成して、全職員を対象に実施しています。

参考までに、使用しているセルフチェックシートを添付しておきますので、お使いになられる場合は、ダウンロードをしてご使用ください。

コンプライアンスセルフチェック表(参考例)

コンプライアンスセルフチェックダウンロード<Excel用>

コンプライアンス研修に関しては

 

1度すれば良いというわけではない

 

ので、コンプライアンスセルフチェックリストなどを用いて、コンプライアンス研修を定期的に行うことが望ましいですし、セルフチェックの内容も、特に気をつけたい項目を追加するなどの工夫が必要になります。

 

ポイント

コンプライアンスについての取り組みは

1.行動規範を作る:経営トップのメッセージ

2.各規則をしっかりと作って内容を繰り返し確認できるようにする

3.コンプライアンス推進を行う部門を設置する

4.定期的にコンプライアンス研修を行う

ことが大切であり、また

コンプライアンスセルフチェックシートコンプライアンス研修などを通じて繰り返し学ぶ機会を作ることが重要です。

 

まとめ


 

今日は、コンプライアンスについてお話をするとともに、コンプライアンスへの取り組みの必要性とその方法についてお伝えしました。

コンプライアンス違反は、企業にとっても大変な損失になるだけではなく、従業員にとっての損失も無視できない状況になります。

そのような状況にならないためには、企業での取り組みも重要ですが、

 

個々人がコンプライアンスについての意識づけと取り組みをしっかりと行う

 

ことがとても重要になってきます。

就業規則や倫理規定をいま一度読み返してみることや、今回紹介させていただいた

 

コンプライアンスセルフチェックシート

 

などを活用して、コンプライアンスについての取り組みをしていただけたらと思います。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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