こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
今日の『お大師さまゆかりの地』は、四国八十八ヶ所霊場第六十九番霊場 観音寺(かんのんじ)です。
(*^-^*)
日本を代表する精密機器メーカー
これまでのブログでは、私たちが普段の会話で使っている言葉の中に仏教用語があることをご紹介いたしました。
まだご覧になっていない方は是非一読していただきたいと思います。
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実は他にも、日本を代表する精密機器メーカーの社名の由来が仏教用語からきていることをご存知でしょうか。
その会社名は
Canon
そうです、皆さんご存知の
キヤノン
です。
キヤノンの前身でもある
精密光学研究所
は1933年(昭和8年)に吉田五郎・内田三郎の両氏が中心となって創設した会社であり、ドイツの光学機器メーカーの
ライカ(Leica)
を越えるべく、世界一の高性能カメラを作ることを目標に作られた会社です。
1933年、吉田氏がカメラの試作機として製作した初の国産カメラに
KAWANON(カンノン)
という名前を、そしてそのカメラのレンズに
KASYAPA(カシャパ)
という名前をつけました。
カメラの名前は吉田氏自身が観音教の信者であったことから
観音様のお慈悲にあやかり
世界で最高のカメラを創る夢を実現したい
<出典:キヤノンについて>
との願いを込めて命名し、レンズの名前のKASYAPA(カシャパ)は、お釈迦様の十大弟子の一人で、お釈迦さまの教えを広めた
迦葉(かしょう:kāśyapa=カシャパ)
からその名をいただいています。
1934年にカメラの発売とともに製作されたロゴでは、千手観音菩薩の姿と火焔(かえん)がはっきりと分かるものでした。
<画像出典:キヤノンについて>
その後、本格的にカメラを発売するようになり、世界に通じるブランドにしたいという願いを込めて、1935年に
キヤノン(Canon)
という言葉を商標登録しました。
Canonは英語で
聖典
規範
標準
という意味があり、まさに精密機械の世界基準を目指しているということがよく分かります。
また、キヤノン(Canon)の発音が
観音(かんのん)
に似ていたこともあり、社名の変更はスムーズに行われました。
今や世界トップクラスの精密機器メーカーであるキヤノン。
その社名に込められた思いは、あまねく衆生のためにその身を尽くされている観音菩薩さまに通じているのではないでしょうか。
ちなみに、キヤノンを皆さんはきっと
キャノン
と発音されていると思います。
これは、仏教とは関係ないのですが、小文字の「ャ」だと文字バランスが少し崩れてしまうために大文字の「ヤ」にすることで全体の文字バランスが良くなるからだそうです。
(*・`o´・*)ナルホド!
<お大師さまゆかりの地>
四国霊場八十八ヶ所
第六十九番札所
七宝山 観音寺
(しっぽうざん かんのんじ)
観音寺は第六十八番札所の神恵院(じんねいん)と同じ琴弾公園(ことびきこうえん)内にある琴引山の中腹にあり、2つの札所が同じ境内に存在するという珍しい霊場です。
琴弾公園内の銭形砂絵
法相宗の高僧である日証上人(にっしょうしょうにん)が大宝3年(703年)に開基したとされており、創建当時は神宮寺宝光院(じんぐうじ ほうこういん)という寺号でした。
大同2年(807年)にお大師さまがこの寺の第7世住職になって入山され、琴弾山の中腹に、奈良の興福寺に倣って七堂伽藍(しちどうがらん)を建立され、その伽藍の一つである中金堂(ちゅうこんどう)に御本尊である聖観世音菩薩像を彫刻されて安置し、さらにこの地に仏塔を建てて、瑠璃・珊瑚・瑪瑙(メノウ)などの七宝を埋めて地鎮したことから寺名を七宝山 観音寺と改めました。
<約3分の動画で観音寺の紹介をされています>
観音寺は桓武天皇をはじめ、3代の天皇の勅願所となり、室町時代には足利尊氏の子である道尊大政大僧正(どうそんだいせいだいそうじょう)が45年間に渡って住職を務めるなど隆盛を誇りましたが、明治元年の神仏分離令(しんぶつぶんりれい)に伴って一境内に二霊場にまで縮小されました。
観音寺 大師堂
現存する建物では、室町時代の建築で国の指定重要文化財である本堂(金堂)・大師堂・宝物館が知られており、彫刻としては珍しい『仏涅槃像(平安〜鎌倉時代作)』や絵画では『琴弾宮絵縁起(鎌倉時代)』『不動二童子像(室町時代)』など、国の重要文化財が数多く収蔵されています。
所在地:〒768-0061 香川県観音寺市八幡町1-2-7
お問い合わせ:0875-25-3871(TEL)
交通アクセス:神恵院・観音寺ホームページ
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