新米小坊主の小話 日常の言葉の中の仏教用語

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。

サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。

(*´▽`)ノノ

今日の『お大師さまゆかりの地』は、四国八十八ヶ所霊場第二十五番霊場 津照寺(しんしょうじ)です。

(*^-^*)

 

日常の言葉の中の仏教用語


 

私たちは普段、会話の中でたくさんの言葉を使っています。

その中に、実は元々の由来が

 

仏教用語

 

であるものをご存知でしょうか。

いくつか紹介してみますね。

 

玄関

これは元の意味としては

 

(げんみょう)な道へと入る

 

という意味で、仏門に入るための最初のきっかけのことを指していましたが、寺院の入口そのもののことを玄関というようになり、やがて一般の家庭の入口として使われるようになりました。

 

ガタピシ

建物などの建て付けが悪い時に

 

「この建物はなんだかガタピシ(ガタガタ)と音がする」

( ̄へ ̄|||)

 

と言われることがありますが、本来は

 

我他彼此(ガタピシ)

 

と書き、その意味は

 

我(自分)が居るから他の存在があり、意見が異なって物事がうまく行かない様子

 

を表しています。

そこから転じて

 

物事や建物がどこか噛み合わないままおかしな状態が続いている

 

ことを擬音(ガタピシ=ガタガタ)という形で表すようになりました。

 

ずぼら

だらしない格好や性格などを示す言葉ですが、元々は

 

戒律(かいりつ)を守らないダメダメな僧侶

 

のことを『ずぼう等(ら)』と呼んでいた言葉が短くなったものでもあります。

 

ごちそう

ごちそうを漢字で書くと『ご馳走』となり、本来の意味は

 

お腹を空かせた人を救うために走り回って食べ物を集めること

 

に対しての感謝の気持ちを表す意味が、食後の挨拶に繋がっています。

 

出世

仕事などで高い地位や役割を得ることとして使われることの多い言葉ですが、元々の意味は

 

如来さまがこの世に出現すること

俗世間を離れて仏門に入ること

 

を指し、自分自身の立身や名誉のことよりも

 

世のため人のためにより一層人々の役に立つことができるような立場になる

 

ことを表しています。

 

旦那

自分の夫や、会社の男性雇用主や顧客のことを指す言葉ですが、元々の意味は

 

お布施をする人

 

のことを表しています。

旦那という言葉の語源は、サンスクリット語でお布施のことを表す

 

ダーナ

 

から来ているとされています。

旦那という言葉は当初

 

お布施をする檀家さん

 

を表す言葉として僧侶が使っていましたが、その後

 

生活の面倒を見る人

 

いう意味で一般的に使われるようになりました。

 

いかがでしたでしょうか?

この他にも仏教用語から来ている言葉もたくさんありますので、ぜひ身近な言葉の中で

 

「この言葉の語源はなんだろう?」

( ̄ー ̄?)

 

と思われたら、ぜひ調べてみてください。

意外な発見があると思いますし、そしてその発見を是非とも教えていただけると嬉しいです。

 

 

<お大師さまゆかりの地>

 

四国霊場八十八ヶ所

第二十五番札所

宝珠山 真言院 津照寺

(ほうじゅざん しんごんいん しんしょうじ) 

津照寺は大同2年(807年)にお大師さまが四国での修行の際にこの地を訪れ、山の形が地蔵菩薩が手に持つ宝珠(ほうじゅ)に似ていたことから、この山を霊験あらたかな地とされ、地蔵菩薩を自ら彫られて御本尊として開山されました。

山門から鐘楼門をのぞむ

戦国時代に土佐(高知県)を治めた長宗我部(ちょうそかべ)氏の庇護を受けていた津照寺は、関ヶ原の合戦の後にこの地を治めることになった山内(やまのうち)氏からも篤い信仰を受けていましたが、明治元年の神仏分離令(しんぶつぶんりれい)とそれに伴う廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)という仏教排斥運動によって、一時廃寺になりました。

明治16年に寺名は一部分のみが復興され、昭和38年に大師堂、昭和50年に本堂が再建され、今日に至っています。

<約5の動画で津照寺の紹介をされています>

津照寺に伝わる御本尊の楫取地蔵(かじとりじぞう)は、江戸時代初代土佐藩主であった山内一豊(やまのうちかずとよ)公が、室戸の沖で嵐に遭遇した際に、何処からか大柄な僧侶が現れて、船の楫(かじ=舵)をとって無事に室戸の港に入ることができました。

しかし港についた山内公が舵をとってくれた僧侶を探しましたが見つかりませんでした。

その後、無事に港に着くことができた御礼に津照寺を参拝した際に、御本尊である地蔵菩薩像が濡れているのをみた山内公は

 

「あの大柄な僧侶はこの寺の御本尊の地蔵菩薩さまに違いない」

 

と言われ、このことから御本尊を楫取地蔵(かじとりじぞう)と申し伝えられるようになりました。

所在地:〒781-7102 高知県室戸市室津2652-イ

お問い合わせ:0887-23-0025(TEL)

交通アクセス:四国八十八ヶ所霊場會

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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