こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、密教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
今日の『お大師さまゆかりの地』は、四国八十八ヶ所霊場第二十一番霊場 太龍寺(たいりゅうじ)です。
(*^-^*)
毎日変わるもの、毎日変わらないもの
私たちは日常の中で、毎日だいたい同じことを同じようにしながら生活しています。
『日課』と私たちが言っていることは、繰り返し行う毎日の日常生活の積み重ねでもあります。
でも実際は同じように見えても、毎日がまったく同じということはありません。
東の空から昇る朝日が毎日少しずつずれてくることと同じように
毎日は新しい出会いであり
毎日は新しい体験の場
でもあります。
だからこそ、私たちは自分たちが普段何気なく過ごしている日常の中でも、その瞬間ごとに体験している出会いを大切にすることを意味する
一期一会(いちごいちえ)
という言葉を聞くと
「今日、この出会いに感謝したいね」
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「今のこの気持ちを大切にしたいね」
(・ω人)”))
という気持ちになるのだと思います。
毎日変わるものがある一方で、変わらないものがあるとお大師さまは言われています。
お大師さまは『秘密曼荼羅十住心論』(『十住心論』)という著書の中で次のように言われています。
一切有情(いっさいうじょう)の心質(しんぜつ)の中において
一分の浄性(じょうしょう)あり
衆行、みな備はれり
つまり、喜怒哀楽の変化の中で、生きとし生けるものの心の本質の中にある
清らかな本性
は変わることなく誰もが持っている心のありようなのだということです。
素直な気持ちで自分自身を大切にする気持ち
相手へのちょっとした思いやり
優しい言葉(愛語)で相手に話しかけること
相手の悲しい気持ちを受け止める心
といったことは、生まれ持った本性であり、それは毎日変わらないものでもあります。
そしてこの『本性』というのは、たとえどんな境遇にあっても
誰にでも必ず備わっている
とお大師さまは言われています。
ただ、多くの方が、そのことに気づいていないだけなのです。
月の満ち欠けで例えると、太陽が月と重なって月の光が見えなくなる時がありますね。
新月から次第に月の光は戻り始めて、十五夜の満月には煌々とした光で私たちを照らしてくれます。
実際には月の光が見えていなくても、月の光がなくなったわけではなく、ただ見えていないだけなのです。
もし今、悩みがたくさんあったり、人間関係がうまくいっていないと感じていたり、相手への不満ばかりが募ってしまっていたりしているのであれば、毎日変わりゆくものである
一期一会
を意識するとともに、毎日変わらないものである
清らかな本性
を意識してみて、自分自身を見つめ直すとともに
周りの人にもこの清らかな本性が必ずある
と思って接してみてはいかがでしょうか。
そうすることで、自分自身へも相手に対しても感謝の気持ちや尊敬の気持ちを持つことができるようになり、心が豊かになってくるのではないでしょうか。
<お大師さまゆかりの地>
四国霊場八十八ヶ所
第二十一番札所
舎心山 常住院 太龍寺
(しゃしんざん じょうしゅういん たいりゅうじ)
太龍寺は四国山脈の東南端、標高618mの太龍寺山の山頂近くにあります。
境内には樹齢数百年の杉の並木がそびえており、古くから西の高野と呼ばれるにふさわしい霊気が漂う名刹でもあります。
弘法大師が19歳の頃、この境内から南西約600メートルの「舎心嶽」という岩上で、100日間の虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)を修法されたことでも知られています。
延暦12年(793年)に桓武天皇(西暦737〜806年)の勅願により御堂が建立され、弘法大師にが本尊の虚空蔵菩薩像をはじめとする諸佛を造像して安置したと伝えられています。
<約6分半の動画で太龍寺の紹介をされています>
皇室や武家からも篤い信仰を受けていた太龍寺は、戦国時代の「天正の兵火」で伽藍のほとんどが消失し、また、江戸時代にも幾たびか罹災しましたが、その都度、時の藩主や地元住民の力で再建がされてきました。
古くから四国巡礼者にとっては屈指の難所であり、徒歩では中腹の駐車場からでも30分以上を要していましたが、平成4年より、麓の鷲敷町(わじきちょう)からのロープーウェーが開通してから、山頂へのアクセスが行いやすくなっています。
所在地:〒771-5173 徳島県阿南市加茂町龍山2
お問い合わせ:0884-62-2021(TEL)
交通アクセス:四国八十八ヶ所霊場會
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