『終活』って何? 人生の最期について考えることの大切さ

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

これまでのブログでは

 

『熱中症シリーズ』

『救命救急シリーズ』

 

といった

 

健康に生きるために必要な知識と技術

 

についてお伝えしてきました。

今回からの新シリーズ

 

『終活(しゅうかつ)』

 

では、人生の終わりについて考えるという、今までとはちょっと違った切り口になります。

でも、人生の終わりについて考えることは

 

今をどう生きるか

 

にも関係してきますので、ぜひこのシリーズも継続して読んでいただけると大変ありがたいです。

『終活』シリーズの第1回目の今回は、『人生の最期について考えることの大切さ』についてお伝えします。

 

『終活』とは?


 

『終活』とは

 

人生のわりについて考える

 

を略したものです。

その活動内容としては

 

自分の人生の最期に向けて、前向きな気持ちで準備を行う活動

何かあった時に困らないよう、また、家族の負担を減らすための活動

命の灯火が消えることを人生の一つの完成形として、「現実的な」準備をしておく活動

 

のことを言います。

一般的にこれらの活動の一環として知られているものとして

 

エンディングノート

 

というものがあります。

エンディングノートという言葉が世の中に知られ始めたのが2009年とされていますが(レファレンス協同データベースより)、2011年に公開されたドキュメンタリー映画の

エンディングノート

主演:砂田知昭(実父)

監督:砂田麻美(実娘)

プロデューサー:是枝裕和

でエンディングノートのことを知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この物語は

2009年、東京。熱血営業マンとして高度経済成長期に会社を支え駆け抜けた「段取り命!」のサラリーマン・砂田知昭。

67歳の時、仕事も一段落し40年以上勤めた会社を退職、第二の人生を歩み始めた矢先に、毎年欠かさず受けていた健康診断で胃ガンが発見。

すでにステージ4まで進んでいた。残される家族のため、そして人生総括のために、最後のプロジェクトとして課したのは「自らの命の最期に向けた段取り」と、その集大成とも言える“エンディングノート”の作成。やがてガン発覚から半年後、急に訪れた最期。

果たして彼は人生最後の一大プロジェクトを無事に成し遂げることができたのか?

そして残された家族は―。

エンディングノートホームページより>

という、父親である砂田知昭さんの人生の最後までを、カメラのファインダー越しに見つめ続けた娘の砂田麻美さんの心の在り方をも映し出したドキュメンタリー映画です。

私も何度かこの映画を見ているのですが、タイトルからは予想もできない

 

笑いあり

涙あり

葛藤あり

胸が痛くなることあり

心が温まることあり

 

など、人間のもつ感情を全て出し切ることができるほどの内容に驚きました。

何より、エンディングノートを使って

 

To Doリスト

 

すなわち

 

やっておきたいリスト

 

を作り、それを確実に1個ずつ行っていく活動がとても参考になり、これぞまさに

 

『終活』

 

だと思える内容だったからです。

皆さんも、興味があればぜひご覧いただけたらと思います。

<エンディングノート 予告編(約2分)>

 

実際に作成するエンディングノートについては、このシリーズの中で詳しく解説していきます。

 

『終活』のメリット


 

『終活』のメリットとしては、自分の意思が家族に伝わることで

 

自分に何かあった時の家族の心構えと対応がはっきりする

 

ことができ、人生の最期はマイナスではなく、人生の最期の日まで

 

今をどう生きるか

そしてどう旅立つか

 

というポジティブなメッセージを周りにきちんと伝えることができるのです。

自分にもしものことがあった場合、そのほとんどは

 

意識がない

 

状態です。

そうなった時に、自分がどうして欲しいのかをその時点で家族に伝えることは

 

不可能

 

であり、『終活』できちんと家族に伝えることをしていないと、残される家族としては、どうして良いのか分からず

 

「どうしよう!どうしよう!」

アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!!

 

と困り果ててしまうだけではなく、本人の意思とは関係のない医療行為などにつながってしまう可能性があります。

そして

 

「この人はこんな形で過ごしたかったのだろうか?」

「この人は本当はどんな生き方をしたかったのだろうか?」

(。´・д・)『。+゚ワカンナイ。+゚』(・д・`。)

 

と残された家族はずっと迷いの中でネガティブな思考に囚われてしまうことも少なくありません。

こうしたことを避けるためにも『終活』をしておくことは、本人のみならず

 

家族の不安を少しでも減らす

 

ことに繋がるのです。

また、人生の最期が人生の到達点(目標)であるならば、先行き不透明でいつまでこの不安定な人生が続くのかを不安たっぷりに過ごすのではなく

 

「やることはやった!あとは自分の思うように生きる!」

٩(ˊᗜˋ*)وスキニスルサ~!

 

これからの時間を前向きに有意義に過ごすことができるきっかけにもなります。

 

『終活』の認識


 

では実際に『終活』というのはどこまで認識されているのでしょうか。

京都新聞が2016年11月に60歳から79歳の男女千人を対象にネットでの調査を実施しました。

この結果

 

73.6%が『終活』に前向き

 

であると答えました(下図参照)。

『終活』に前向きと答えた人に、その理由を聞いたところ

 

家族に迷惑をかけたくない(40.4%)

人生の終わり方は自分で決めたい(31.5%)

今後の人生をより良く生きたい(20.2%)

 

という回答でした。

現在は『終活』の認識は全国に広がっており、その主な理由もほぼ同じであることから

 

『終活』への認識は年々高まってきている

 

と言えるのではないでしょうか。

 

作業療法士が取り組む『終活』


 

私は

 

作業療法士

 

です。

 

「いやいや、リハビリする人が『終活』とか、あり得んでしょ」

「お坊さんだから特別に『終活』するってこと?」

(´・ω・`)ゞイマイチワカンナイ…

 

というご意見を伺うこともよくあります。

そして皆さん、次のように思っていませんか?

 

リハビリをする=元気になるためだけ

リハビリの対象者=機能維持・向上する人だけ

人生の終わりに向けてのリハビリ=諦めのリハビリ

 

いかがでしょうか。

もしこのように思っておられる方が多いようであるなら、作業療法士として情報発信不足だと反省しています。

m(_ _)mスイマセン….

 

実際、作業療法士は、医療・介護・福祉の現場の担い手として

 

その人の人生の最期まで向き合う

 

ことはとても大切なこととして取り組んでいます。

特に、人生の最期に近づくと

 

呼吸をするだけでも大変

体を動かすことができずに関節が固まってしまう(関節拘縮)

姿勢が変えられないので痛いままの姿勢を長時間とることがある

排泄したものがそのまま身体についてしまい不快な思いが続いてしまう

 

といった身体の辛さや痛みだけでなく

 

自分の思いを伝えたくても言葉がでない

自分の思いを伝える相手がいない

できないことばかりが増えて無力感や孤独感や絶望感が絶え間なく襲ってくる

 

といった心の辛さや痛みも出現してきます。

こうした辛さや痛みに対して

 

呼吸を楽にするための呼吸リハビリテーション

関節が硬くならないようにするための関節可動域運動

姿勢を定期的に変えて本人の楽な姿勢をなるべくとってもらう

排泄があれば綺麗にして差し上げる

汗をかいていれば着替えを手伝う

 

といった身体のケアだけでなく

 

そばにいて本人の言葉にひたすら耳を傾ける

手や足をさすりながら本人に話しかけ続ける

病状によっては意思伝達装置などの機器を活用してコミュニケーションができるようにする

食べたいものがあれば専門職種間で連携して口から摂取できる取り組みを行う

 

といった心のケアも作業療法士は行っています。

もちろん、作業療法士は

 

作業遂行

 

にもっとも力を入れていて、それは

 

自分のやりたいことが

 

やりたい時に

 

やりたいところで

 

やりたいように

 

できる

 

ことをサポートするのが作業療法士なので、常に

 

あなた自身が主役です

 

という姿勢を崩しません。

作業療法士については過去のブログ記事もぜひ参考にしてください。

↓ ↓ ↓

 

なので『終活』では

 

エンディングノートの作成

家族間の調整

医療関係者との連携

 

などにおいて、対象となる人を中心とした支援を行うことを最も得意としています。

また、作業療法士は

 

家族・医療・介護・福祉従事者自身の心のケア

 

を行います。

『終活』の最後の場面に立ち会うことは、皆さんの想像以上のストレスがかかります。

看取り(みとり)をしたあとは主に

 

身体の疲れ

 

が中心となり、逆に心の疲れは少し軽くなることが多いです。

ところが看取りから1ヶ月くらい経過してから

 

意欲がわかない

なんだか身体がだるい

表現できない不安感が募る

突然涙が出て止まらなくなる

 

などの症状が出る場合があります。

こうして遅れて出てくる

 

心の疲れ

 

は放っておくと、喪失感・無力感・無気力・燃え尽き症候群など、精神が壊れてしまうことにつながってしまうため、臨床心理士がいる場合は臨床心理士とも連携を取りながら対応をしています。

 

対象となる人が元気なうちは

 

具体的な『終活』について一緒に考える

 

ことを行い、人生の最期に近づいてきたら

 

身体のケア

心のケア

関係する人たちの心のケア

 

を作業療法士も行うということをご理解いただけたでしょうか。

 

まとめ


 

今回は『終活』シリーズの第1回目として『人生の最期について考えることの大切さ』というタイトルで、『終活』への取り組みの大切さついてお伝えしました。

今の時代、いつどこで何が起こるか予想がつかないことばかりです。

できれば避けたい人生の最期かもしれませんが、それをマイナスに捉えるのではなく

 

自分の心構えを知っておいて欲しい

その日が来るまでに自分の人生をしっかりと楽しみたい

家族へきちんと自分のメッセージを伝えておきたい

 

と考えることができるのであれば、『終活』は決してマイナスのことではなく

 

今をどう生きるか

 

に繋がってくると思います。

この『終活』シリーズを通じて、自分自身あるいは身近な人と『終活』について話をしてみて、これからの人生の過ごし方について少し考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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