こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
『救命の基礎』でも『熱中症』の記事でも取り上げましたが、生活しているといつどこで何が起きるかわかりません。
『知っておきたい救命の基礎』では、いざという時のために、日頃から必要な知識や技術を学んでおくことは大切であり
あなたのその行動で助かる命がたくさんある
ということをお伝えしました。
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今回は救命救急シリーズの第2回目として『この呼吸って大丈夫!? 意識と呼吸の確認』についてお伝えします。
大事なことなので繰り返し何度もお伝えしますが、倒れている人を発見した場合
必ず周りに助けを求める(可能な限り大声で)
ことを行ってください。
よほど訓練された人でないと
自分自身が混乱してしまう
(゚Д゚;≡;゚д゚)オロオロ
のは当たり前ですし、たとえその場に医療者が居ても、一人でできることは非常に限られています。
目次
意識と呼吸の確認
救命における
早期認識・早期発見と通報
一次救命処置(心肺蘇生とAED)
が重要なことは前回のブログでもお伝えしました。
ここでは、一次救命処置においてまず確認して欲しい
意識と呼吸の確認
についてお伝えします。
1.意識の確認
意識がなくなる原因はさまざまですが
脳血管疾患
心疾患
腎疾患
代謝性疾患
ショック
など、その理由は非常に多くあります。
医療専門職であれば
アイウエオチップス(AIUEOTIPS)
を用いて鑑別します(下図『アイウエオチップス(AIUEOTIPS)』参照)。
ただ、皆さんが目の前で倒れている人を発見した場合には、基本的には
心停止
を疑って意識があるかどうかの確認を行いましょう。
この場合、過去のブログでも紹介した
3-3-9度方式
という方法がとても有用です(下図『3-3-9度方式』参照)。
しかし『3-3-9度方式』を使うことは医療者や救命活動を行ったことがある人以外ではなかなか急には行えないものです。
そこでとにかく
「もしもし、大丈夫ですか?」「名前が言えますか?」といった呼びかけを行いながら肩を優しくたたく
「目が開きますか?」「私の手が握れますか?」といった指示をする
の2つのことに対して、目を開けたり目的のある仕草ができない場合、もしくは
反応があるかどうか判断に自信がもてない場合
については、いずれも
反応なし
と判断してください。
反応なしの場合
ただちに119番通報
をしてください。
周囲の人の力を借りて
119番通報とAEDの準備
を行うことは、意識と呼吸の確認においては
同時並行して行う
ことが大切です。
2.呼吸の確認
呼吸の確認では、傷病者の胸とお腹の動きを観察して
普段通りの呼吸ができているか
をみることが大切です。
普段通りというのは
規則的に胸が上がったり下がったりする
ことを言います。
呼吸の確認の目安は
10秒以内
を目安にしてください。
10秒以上呼吸を観察している間に、脳や大切な臓器への酸素が十分に供給できないままの状態になってしまうので、普段通りの呼吸ができていない、あるいは
呼吸しているかどうかの判断に迷う
といった場合には、心停止とみなして
ただちに胸骨圧迫を開始する
ようにしてください。
3.死戦期呼吸(しせんきこきゅう)
呼吸状態を確認する上で特に気をつけて欲しいのは
死戦期呼吸(しせんきこきゅう)
という
しゃくりあげるような(または、あえぐような)途切れ途切れの呼吸
です。
これは一見、呼吸をしているように見えますが、心停止後にみられる状態ですので、心停止とみなして
ただちに胸骨圧迫を開始する
ようにしてください。
この死戦期呼吸に関しては、2011年にさいたま市の小学生の桐田明日香さんが、駅伝の課外練習中に倒れ、その後に亡くなった事故を受けて非常に注目されるようになりました。
当時、現場に居合わせた人たちはどの人も心肺蘇生とAEDの講習を受けていましたが、この死戦期呼吸に気づかずに心肺蘇生やAEDの使用を行わなかったことが大きな課題となりました。
この事故の反省から、さいたま市教育委員会は明日香さんのご遺族とともに
『体育活動時等における事故対応マニュアル〜ASUKAモデル〜』
を作成しました(リンク:『体育活動時等における事故対応マニュアル〜ASUKAモデル〜』)。
ここでは
意識や呼吸の判断に迷った時には胸骨圧迫とAEDの使用
というところが何度も強調されています。
<生命の記録MOVIE〜ASUKAモデル〜:6分間の動画でASUKAモデルについて紹介されています。死戦期呼吸の状態も動画で確認することができます>
この動画をみていただき
少しの勇気と行動で助かる命があるんだ
ということを身近に感じていただきたいと心から願っています。
まとめ
今回は『この呼吸って大丈夫!? 意識と呼吸の確認』についてお伝えしました。
事故や急な容態悪化などはいつ起こるかわかりません。
いざという時にすぐに行動できる人はいません。
いざという時のために、日頃から必要な知識や技術を学んでおくことは大切ですし
あなたのその行動で助かる命がたくさんある
ということも覚えておいてください。
大切な命を守るためにも、今回お伝えしたことが少しでもお役に立つことができればと思います。
皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。
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