突然目の前で人が倒れたら!? 知っておきたい救命の基礎

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

熱中症の記事でも取り上げましたが、生活しているといつどこで何が起きるかわかりません。

あなたの目の前でいきなり人が倒れていたら、もしくは倒れている人を見かけたらどうしますか?

 

「え〜・・・・どうしようどうしよう」

(((( ;゚д゚)))アワワワワ

 

とパニックになるのは当たり前です。

でも、もし少しでも対応方法が分かっていれば、周りの人にも協力をしてもらって倒れている人を助けることができると思います。

そこで今回は『知っておきたい救命の基礎』について、できるだけ分かりやすくお伝えしようと思います。

いざという時のために、日頃から必要な知識や技術を学んでおくことは大切ですし

 

あなたのその行動で助かる命がたくさんある

 

ということも覚えておいてください。

 

私たちでもできる救命の対応


 

人間は生命維持のために、体の中の大切な臓器や組織を正常に保っておくことがとても大切になってきます。

その中でも

 

血液循環

呼吸

 

は直接生命に関係する大切な機能です。

この血液循環と呼吸の機能が数分以上停止すると、脳をはじめとする重要な臓器に深刻なダメージがもたらされ、最悪

 

 

へと繋がります。

また、命は辛うじて取り留めたけれど

 

重い後遺症

 

が残ることも珍しくありません。

そのため、心停止や呼吸停止が起こった場合は

 

一刻も早く命を救うための手段

 

をとらなければなりません。

私たちが命を救うためにできる手段のことを

 

一次救命処置

 

と言います。

 

一次救命処置

一次救命処置には、心臓や呼吸が止まってしまった人を助けるための

 

心肺蘇生

AED(自動体外式除細動器)

 

があり、異物を喉に詰まらせて呼吸ができなくなった場合に、異物を取り除くために行う

 

気道異物除去法

 

があります。

また、怪我(けが)や火傷(やけど)などに対して必要最低限の手当てを行うことを

 

応急手当て

 

と言います。

今回の記事では一次救命処置の中で

 

心肺蘇生

 

を中心に話を進めていき、異物を取り除く場合や出血の対応は次回以降の記事でお伝えします。

 

心臓や呼吸が停止した場合には

 

はじめの3〜4分が生死の分かれ目

 

になるので、そばにいて対応している人たちは、まず119番通報およびAEDの依頼をしてできるだけ早く心肺蘇生を開始し、救急車が来るまで心肺蘇生を続けなければなりません。

 

一次救命処置での役割分担

「あ〜目の前で人が倒れている!どうしよう・・・・」

(゚Д゚;≡;゚д゚)オロオロ

「私が行かなくても誰かがしてくれるハズ・・・」

(゚_゚;))((;゚_゚)エエット…

 

突然、目の前で倒れ込む人や倒れている人をみると、こういう心境になるのはよく分かります。

私は大学病院の高度救命センターにいた時に、救命方法について実践も交えて徹底的に学んだこともあり、様子がおかしい人を見つけた時に声をかけることはそれほど抵抗なく行えます。

でも皆さんにとっては、日常いきなり救命と言われても混乱するばかりか

 

「関わらないようにしよう・・・・」

( 'ノω')コッソリ

 

と思われるのが正直なところなのではないでしょうか。

でも、最初にお伝えした通り

 

あなたのその行動で助かる命がたくさんある

 

ことを思い出してください。

そして、一次救命措置を行う時には

 

必ず周りに助けを求める(可能な限り大声で)

 

ことを行ってください。

よほど訓練された人でないと

 

自分自身が混乱してしまう

 

ことも覚えておいてください。

これは、熱中症の対処の基本のところでもお伝えしていますので、そちらも参考にしてください。

↓ ↓ ↓

一人でも多くの人に集まってもらい次の手順で救命処置を始めてください。

もし、周りに誰もいない時には

 

迷わず119番通報

 

をしてください。

 

今回は心肺停止状態を想定しています。

①倒れている人をみんなで力を合わせて安全な場所に移動させる※1

※1.ただし、交通事故などでその場から動かすことで脊髄の損傷を疑われる場合は、その場から動かずに車の誘導などをして倒れている人と助けようとしている人の安全を確保するようにしてください。

②集まった中でリーダ(指示出し)ができる人を決め、以後の行動はリーダーが指示を出す(119番通報もこの時に行う)

②胸骨圧迫のできる人(できれば2人以上)を決める

③AEDを持ってくる人を決める(できれば2人以上で探す)

④胸骨圧迫開始(①〜④までで1分半〜2分程度)

⑤胸骨圧迫は1分間に100回〜120回を目安に行う

⑥人工呼吸の技術と意思があれば人工呼吸を胸骨圧迫と組み合わせて行う※2

※2.胸骨圧迫30回して人工呼吸を2回を繰り返す。人工呼吸が難しい場合は胸骨圧迫のみを続けてください。

⑦AEDが到着したら開封して電源をいれる※3

※3.AEDがない場合は、一人でも多くの人が交代しながら胸骨圧迫を行うようにしてください。

⑧電源を入れたAEDからメッセージ(指示内容)が流れてくるのでその指示にしたがって電極パットを指示された部位に貼る(電極パットにイラストで貼る場所が書いてあります)

⑨AEDの指示にしたがって操作を行う

⑩救急隊の到着まで⑤⑥⑨を続ける※4

※4.AEDはつけたままにしてください。胸骨圧迫している時にもモニタリングをAEDが行い、次の指示を出してくれます

おおよその流れはこのような感じになります。

この中でも②のリーダーができる人の存在はとても大切なものになります。

助けに集まってきた人たちは、リーダーをしっかりとサポートしてください。

 

心肺蘇生を続けていると、救急隊が到着すると思います。

救急隊が到着した際には、可能な限りの情報提供をしてください。

例えば

 

いつ頃倒れたか(いつ発見したか)

意識はあったか

どんな処置をどのくらいの時間したか(胸骨圧迫、AEDなど)

何か他に気になるところはあったか

 

などを救急隊員に伝えると良いでしょう。

救急隊員から救命処置に協力してくれた人に対しての身元確認をすることがありますので、その際には協力してください。

これは、救命処置に事件性がないかどうか(つまり、故意に怪我をさせた相手の救命処置をしていたのではないかなど)に繋がることなので、正直にお伝えすることをお勧めします。

この後は、救急隊に任せるようになり、一次救命処置はこの時点で終了となります。

 

救命の連鎖


 

救命の連鎖とは、生命の危機に陥った人々を救って社会復帰をしてもらうために必要な行動を4つの輪にたとえ、それぞれが輪の鎖のように途切れることなく連なっていることの大切さを示したものです。

心停止の予防

早期認識・早期発見と通報

一次救命処置(心肺蘇生とAED)

二次救命処置(心拍再開後の集中治療)

 

このうち、二次救命処置以外は私たちでも行えることです。

ここでは二次救命処置以外を取り上げてお伝えします。

 

1.心停止の予防

救命の連鎖の一つ目の輪は、心停止に至らないように予防を心がけることです。

例えば、川遊びやボート遊びをする時には

 

ライフジャケットを装着する

浮き輪を用意しておく

遊びを安全な場所から見守ってくれる人にいてもらう

 

ことであり、持久走など心臓への負荷がかかる運動を行う場合は

 

無理のない範囲での運動から少しずつ距離を伸ばす

運動前の準備体操・運動を行う

こまめに水分補給をする

少しでも辛いと思ったら無理をしない

 

といったことです。

また、自転車に乗る時には

 

ヘルメットを着用する

夜間はライトを点けて反射板も装着しておく

音楽を聴きながらの自転車乗りは行わない

 

ことが大切になってきます。

あらかじめ生命の危険がわかる行動に関しては、しっかりと注意しておき、事故を未然に防いで

 

かけがえのない命を守る

 

ことが何よりも大切になってきます。

 

2.早期認識・早期発見と通報

目の前で人が突然倒れた時や、倒れたまま身動きをしない人をみた時には

 

まず心停止を疑う

 

ことをしてください。

心停止だと思ったら、大声で周りに援助を求め、119番通報をしてください。

その後は前出の『一次救命処置での役割分担』を参考にして対応を進めていきます。

119番通報をするとオペレーターが出てくれます。

オペレーターの質問にはできるだけありのままの傷病者の状態を伝えてください。

また、住所が分からなければ、目印になるものをオペレーターに伝えてください。

携帯電話の位置情報がわかる状態であれば、救急隊が発見する大きな手がかりとなるので

 

位置情報をONにして119番通報をする

 

ことをお勧めします。

 

3.一次救命処置(心肺蘇生とAED)

ここからも引き続き前出の『一次救命処置での役割分担』を参考にして対応を進めていきます。

なぜ、一次救命処置をしなければならないかと言うと、119番通報をしてから救急隊が現場に到着するまでの時間は、全国平均で

 

8.6分

 

かかり、さらに救急車が現場に到着してから救急隊が傷病者と接触するまでには、さらに数分かかることが多いからです(厚生労働省:救急蘇生法の指針2015より)。

心臓が止まっている間に心肺蘇生によって心臓や脳に血液を送り続けることは、AEDによる心拍再開の効果を高めるだけではなく、心拍再開後の脳の後遺症を最小限に留めるためにとても重要なことなります。

下の図にあるように、居合わせた人が救命処置をした場合と救急車が来るまでに何もしなかった場合では、明らかに助かる生命の差があります。

<厚生労働省:救急蘇生法の指針2015より抜粋>

 

また、突然の心停止は

 

心室細動(ventricular fibrillation;VF)

 

という不整脈によって生じることが多く、この場合には除細動を引き起こすための

 

電気ショック

 

が必要となり、心停止から電気ショック実施までにかかる時間が長くなればなるほど

 

生命予後

社会復帰率

 

に大きな影響を与えます。

下の図にあるように、救急隊が電気ショックを実施した場合の1ヶ月後の社会復帰率は

 

18.9%

 

であるのに対し、居合わせた人が救急隊の到着前に電気ショックを行った場合の1ヶ月後の社会復帰率は

 

43.3%

 

という結果からもわかるように

 

居合わせた人によるAEDの実施

 

が心停止後の社会復帰に対してとても重要だということがわかります。

<厚生労働省:救急蘇生法の指針2015より抜粋>

 

お住まいの地域、もしくは現在地から最寄りのAEDがわかる

 

日本救急医療財団全国AEDマップ

(๑•ᴗ•๑)♡

もしくは

AED N@VI

 

がありますので、そちらも参考にしてみてください(マダム麻子さま、情報ありがとうございます♪)

 

今回の救命の対応については、政府広報オンラインでも紹介されている

 

『いざというときのために応急手当の知識と技術を身につけておきましょう』

 

でも確認することができますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

<政府広報オンライン:暮らしに役立つ情報

 

まとめ


 

今回は『知っておきたい救命の基礎』についてお伝えしました。

今回ご紹介したのは総論のようなものなので、今後、各論について一つずつ丁寧にお伝えしていきたいと思います。

 

事故や急な容態悪化などはいつ起こるかわかりません。

いざという時のために、日頃から必要な知識や技術を学んでおくことは大切ですし

 

あなたのその行動で助かる命がたくさんある

 

ということも覚えておいてください。

大切な命を守るためにも、今回お伝えしたことが少しでもお役に立つことができればと思います。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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