保護者の見守りと指導で子供を熱中症から守ることができる

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

熱中症への対応を本格的に行わなければならない季節になり、このブログでもシリーズで『熱中症』について扱っています。

今回は、『保護者の見守りと指導で子供を熱中症から守ることができる』というタイトルで、高齢者と同様に熱中症にかかりやすい子供への対応についてお伝えします。

なお、乳児に関しては次回以降に分けてお伝えします。

 

子供が熱中症になりやすい理由


 

子供は大人(成人)と比べて

 

体温調整

水分バランス調整

環境から受ける影響

 

の3点において、大人ほど周りの環境に適する発達をしていないため、熱中症になりやすくなってしまします。

それぞれについて詳しく説明いたします。

 

1.子供の体温調整

子供の体温調整は、大人と異なる特徴があります。

①子供は体重1kgあたりの体表面積が大人に比べて大きく、体温調節機能も未熟であるため、外気温の影響を受けやすい。

体表面積が大きいということは、外気温が皮膚の温度よりも低い場合には体温調節は容易になりますが、外気温が皮膚の温度より高い場合は逆に外気からの熱をモロに受けてしまいます

 

②体重あたりの熱の産生量が多く、活動量も大人に比べて多い。

子供は代謝がよいので、体の中で熱が活発に発生します。

そのため

 

大人よりも体温が上昇しやすい

 

傾向にあります。

 

③思春期前の子供は汗をかく器官である汗腺が未成熟。

子供は汗をかく器官である汗腺が未成熟なので

 

汗をかきすぎたり、逆に汗を全くかかなかったり

 

といった極端な経過をとることがあります。

湿度の高さも、未成熟な汗腺機能にも影響を与えてしまい、汗の蒸発が妨げられてしまう結果

 

急激な体温上昇を引き起こす

 

ことが多くなります。

 

④未発達な発汗機能を頭や体の皮膚の血流量を増やすことで代償して熱を発散させている。

汗を十分にかけない、または汗を大量にかくので、血流量を増やすことで体の中に熱をためないようにしています。

そのため

 

衣類の影響を受けやすい

 

状態にあり、適切な衣類を選ばないと体の中の熱が頭や体から外に出て行かなくなってしまいます。

 

⑤自律神経系が未発達なので体の奥深くの臓器から体の表面への熱の運搬機能が不十分。

自律神経は、交感神経と副交感神経がそれぞれに働いて

 

主に血管を通して体の中の熱を運ぶ手助け

 

をしますが、子供の場合は自律神経のバランスが取れていないことも多く、必要な場所からの血流が確保されず、体の中に熱がたまってしまいやすくなります。

 

⑥年齢が低い子供ほど、温度によった自分で着ているものの調節や選択ができない。

子供は遊ぶことなどに一所懸命になっていることが多く、暑くなったから自分自身でどのように衣類を調整するかといった

 

回避行動

 

がわからないことが多く、その結果、暑いまま厚着をしていたり、汗を含んだ衣類をそのまま着ていて体からの熱が十分に外に出ない状態が続いてしまうといったことが起こりやすくなります。

 

2.子供の水分バランス調整

①体の中の水分量の比率が大人に比べて高い。

過去の記事でも紹介させていただきましたが、子供は大人よりも体の中の水分量の比率が高い傾向にあります。

この点だけをみると、体の中に蓄えられる水分の量が多いことでのメリットと言えるでしょう。

 

②1日に出入りする水分量が大人の約3倍と大きい

①では体の中の水分量の比率が高いことでのメリットがあるとお伝えしましたが、子供は代謝がよいため

 

体の中から出ていく水分量も大人よりも多くなる傾向

 

にあります。

しっかり出ていく分をしっかりと補わないと、いくら体の中に蓄えられる水分量が多くても、すぐに空になってしまいます。

 

③発熱、下痢、嘔吐を伴う病気になりやすく、水分摂取量が急激に減ることや排泄量が急激に増加することが起きやすい

子供は

 

免疫力がまだ十分に備わっていない

 

ことで感染症に容易にかかりやすく

 

複数の症状が同時に出てしまう

 

ことも珍しくありません。

そのため、水分摂取を嫌がって水分を摂らなくなったり、下痢や多量の尿が出ることで体の中の水分が一気に失われてしまう危険性があります。

 

④尿を濃縮するための機能が未成熟なため、水分を失いやすい

尿は1日

 

150L〜180L(大人の原尿)

 

も作られますが、そのうち

 

99%は再吸収

 

され、残りの1%が尿として排泄されます。

しかし子供の場合は腎臓の機能が未成熟であり、尿を濃縮する能力が大人の半分程度のため

 

尿そもそもの量が多い

 

ので、水分を失いやすい状況に常にさらされていると言えます。

 

⑤年齢が低い子供ほど、必要に応じて自分で水分補給をすることが難しい

喉が渇いた時に、自分から

 

「喉が渇いた」

ε-(´o`;Aチョーダイ

 

と言える年齢になっていればよいのですが、自分から水分補給の必要性をどう伝えていいか分からない年齢の場合、喉が渇いても

 

どうすればいいか分からない

(;´Д`)ア・・・

 

ため、そのまま大人が気づかないうちに熱中症になってしまうことも珍しくありません。

 

3.環境から受ける影響

①体が小さいので、大人に比べて暑さの影響を受けやすい。

大人に比べて体が小さいので、子供は体の中の水分の総量が大人と比べると少なく、暑い環境では

 

体温が上昇しやすくなる

 

ことが言えます。

 

②汗をかくことで生じる気化熱よりも皮膚表面から空気中へ直接熱を捨てる放熱で体を冷やす

子供は汗腺の発達が未熟なため、汗をかくことで生じる気化熱よりも、体の表面の血管を広げて熱い血液を皮膚の表面近くで広げてそこから熱を空気中に直接逃す方法をとることが多いのです。

皮膚の表面近くで熱を空気中に逃すので

 

顔が赤くなる

 

のはそのためです。

なので、気温・室温が高くて風がない場合は、体の表面からの熱が出て行かなくなってしまいやすくなるため、熱中症になりやすいと言えます。

 

③身長が低いので、地面からの照り返し(輻射熱)を受けやすい

子供は身長が低いので、直射日光で温められたアスファルトやコンクリートからの

 

照り返し(輻射熱)

 

をより近くから受けてしまい、体が温められやすくなってしまいます。

 

子供を熱中症から守るポイント


 

これまでに述べてきたことからもお分かりかと思いますが、子供は自分自身で熱中症を予防することが難しいことが多いため

 

保護者の見守りと指導

 

が必ず必要となってきます。

では、どうすれば子供を熱中症から守ることができるでしょうか。

これまで述べてきたこと含めて、子供を熱中症から守るポイントをまとめてみましたので、確認も含めてチェック✅をしてみましょう。

 

こまめに水分補給をさせる

子供自身が

 

「喉が渇いたよ」

(υ´Д`)ノミモノ~

 

と言って来た時には、すでに脱水が進んでいることがあります。

子供が喉の渇きを訴えていなくても、水分補給をするように促しましょう。

運動前後にはスポーツドリンクや経口補水液やミネラル入り麦茶などで

 

保護者が必ず30分1回200mL程度

 

しっかりと水分補給をさせるようにしてください。

水分補給方法については、過去のブログもぜひ参考にしてください。

↓ ↓ ↓

水筒・ペットボトルを持ち歩かせる

外出時には、水筒を持ち歩かせましょう。

ペットボトルも、冷やしたものをタオルなどで包んで、なるべく冷えたままの状態で飲めるような工夫も必要です。

自動販売機で飲み物を購入できる程度の小銭は携帯させましょう。

 

定期的に日陰・屋内で休憩する

長い時間、炎天下の屋外で遊ばせたり、運動をさせたりしないことが大切です。

定期的に涼しい場所で休憩をさせましょう。

涼しい室内から急に屋外に飛び出すのではなく、日陰で少し体を慣らしてから外に出ることも急激な脱水を防ぐことにも繋がります。

 

帽子をかぶらせる・首元を冷やすタオルを使う

直射日光が当たらないように帽子を被らせましょう。

首元を冷やすタオルを携帯して屋外に出る時に使えるようにしておくことも大切です。

我が家では子供と外で遊ぶ時にこのクールネックスカーフをよく使います。

エアコンの効いた部屋で長時間過ごさせない

いつもエアコンが効いた部屋ばかりにいると、暑い環境に慣れるための

 

暑熱順化(しょねつじゅんか)

 

が進まず、また、汗をかく機会が減るために汗を出す器官である

 

汗腺(かんせん)の機能が低下する

 

ことによって、熱中症にかかりやすくなってしまいます。

 

気温と体温にあった衣類を着せる

暑さに応じて脱いだり着たりするように促しましょう。

子供は汗をかくので、通気性がよくて速乾性の高い衣類を着ることをお勧めします。

 

異変を察知できるようによく観察をする

自分の体調の異変を的確に訴えることが難しい

 

幼児期

 

の子供の体調変化には特に気をつけましょう。

いつもより

 

顔が赤い

ボーッとしている

元気がない

じっとしていても大量に汗をかいている

 

などの異変が見られたら

 

速やかに医療機関に相談

 

するようにしましょう。

 

ここまでお伝えした『子供を熱中症から守るポイント』はPDFでダウンロードできるようにしていますので、ご自由にお使いください。

↓ ↓ ↓

PDF版 子供を熱中症から守るポイント

 

まとめ


 

今回はシリーズ『熱中症』の第8回目として『保護者の見守りと指導で子供を熱中症から守ることができる』というタイトルで、高齢者と同様に熱中症にかかりやすい子供への対応についてお伝えしました

高齢者と同じく、子供は熱中症になりやすいことは指摘されていますが

 

「本人が元気そうだから」

(;´∀`)

 

といってそのままにしていた結果、熱中症になってしまっていたということも多く報告されています。

子供はあらゆる面で大人よりも未成熟な部分が多いので、大人の常識で当てはめるのではなく

 

子供をよく観察して適切な声かけと指導を行う

 

ことが、子供を熱中症から守るために最も重要なことになります。

大切な家族を守るためにも、今回お伝えしたことが少しでもお役に立つことができればと思います。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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