こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください
(*´▽`)ノノ
人の心の弱さ『三毒(さんどく)』
人は誰しも弱いところを持っています。
(◞‸◟ㆀ)
弘法大師(お大師さま)をはじめ、仏教では人の心の弱さを
『三毒(さんどく)』
と言い、自分自身の心の弱さをきちんと認めて対応するように説かれています。
『三毒』とは
貪(とん):むさぼり・執着
瞋(じん):怒り・憎しみ・妬みの心(嫉妬)
痴(ち):愚かさ・愚痴・無知
のことを言います。
『貪(とん)』は、持ち切れないほどのものを欲しがり自分だけが満足できれば良いという考え方です。
他人と分かち合うことや、相手を立てることをしないことも『貪』であると言えますね。
『瞋(じん)』は、不平不満がつのり、人から言われたちょっとしたことで、カーッとなって怒ることや、人と比較して妬(ねた)んだり嫉(そね)んだり(嫉妬)するという考え方です。
前回のブログでお伝えした『嫉妬』はまさにこのことですね。
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『痴(ち)』は、泣き言・愚痴が多くなり、人の言うことを聞かず、おろかなことに気づかないまま、独り寂しくなってしまう考え方です。
いつも職場の愚痴を言ってしまう、相手の話に耳を傾けないといったことが『痴』であると言えますね。
他宗ではこの『三毒』を払うことを教えますが、お大師さまはこの『三毒』を
うまくコントロールすることが大切
と説かれています。
例えば、
『蓮の花』は泥から茎を伸ばして泥に染まることなく美しい花を咲かせます
『渋柿』も吊るして干しておけば甘い柿として食べられます
要するに、泥であっても、それをエネルギーに変えてしまえば良いだけであり、渋い柿でも工夫をすれば美味しく食べられるようになるということなのです。
『三密(さんみつ)』で『三毒』をコントロールする
お大師さまは、『三毒』をコントロールするために
『三密(さんみつ)』
をしっかり行うよう説かれています。
『三密』とは
身密(しんみつ)
口密(くみつ)
意密(いみつ)
のことを言います。
『身密(しんみつ)』をしっかり行うということは、お互いを助け合いましょう(相互扶助:そうごふじょ)という意味で、主に『行動』のことを言います。
困っている人を見たら手を貸す、お年寄りや体の不自由な人に席を譲るなど、
「困ったときはお互い様」
の心で行動しましょうということです。
『口密(くみつ)』をしっかり行うということは、優しく丁寧な言葉で語り合いましょう(愛語:あいご)という意味で、主に『言葉』のことを言います。
相手のことを思いやる言葉がけ、子供の成長を言葉に出して喜ぶことなど、優しい言葉に出しましょうということです。
『意密(いみつ)』をしっかり行うということは、いろいろな人や物に支えられて生かされていることに感謝をして、お互いを信じ合いましょう(相互礼拝:そうごれいはい)という意味で、主に『心』のことを言います。
いつも感謝の心を忘れない、相手に対して尊敬の念を忘れない、自分も相手も信じて行動しましょうということです。
『三毒』は自分の心の状態を気付かせてくれるきっかけになると考え、『三毒』をうまくコントロールするために、『三密』をしっかり行う、すなわち
『行動』=助け合うこと
『言葉』=優しい言葉
『心』=思いやりの心
をしっかり活用することが大切だということですね。
<お大師さまゆかりの地>
高野山 奥の院
所在地:〒648-0211 和歌山県高野町高野山550
参拝時間:午前8時~午後5時(閉門)、燈籠堂は午前6時~午後5時半(閉堂は時期により異なる)
交通アクセス:南海高野線極楽橋駅から高野山ケーブルで5分、高野山駅で南海りんかんバス奥の院前行きに乗り換えて25分、終点下車、徒歩10分
注意事項:奥之院の入り口である『一の橋』から御廟までは約2.0kmあります(往復で2時間程度かかります)。長い距離の歩行に自信がない方は、事前に一般社団法人 高野山宿坊協会・有限会社高野山参詣講 に問い合わせをされることをお勧めします。
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おはようございます。読ませていただく度に感心しています。今日の活力とさせていただきます。
やまおさん
いつもコメントをありがとうございます♪
小話は意外といろいろな方がとても参考にしてくださっているようで、嬉しいです^_^
またお気軽にコメントをいただけるとありがたいです(*^^*)