先日、私の勤めている職場で研修会がありました。
テーマは『摂食・嚥下と誤嚥のメカニズム』で、
広島国際大学 総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 教授の里田隆博先生をお招きしての研修でした。
里田先生は、私自身の大学院生時代にお世話になった先生で、神経解剖学がご専門であられるとともに、
『わかりやすい解剖学教材の開発』
を専門に取り組んでおられる先生でもあります。
里田先生の著書です。
『CGと機能模型でわかる!摂食・嚥下と誤嚥のメカニズム』
監修:里田隆博 戸原玄 医歯薬出版株式会社
『CGと機能模型でわかる!器官の異常と誤嚥・摂食嚥下のメカニズム』
監修:里田隆博 戸原玄 医歯薬出版株式会社
どちらの本も、イラスト・内容ともに非常に見やすく、はじめてこの分野を学ぶ学生さんにもお勧めできる内容です。
<本をクリックすると詳細が表示されます>
特に、付録のDVDは実際の検査を通じて正常嚥下と異常嚥下(誤嚥)が分かりやすく確認できることから、私も自身の理解を深めることにとても活用させてもらっています。
専門分野の方はご存知かと思いますが、食べることや飲み込むことに関して、学生時代には授業などで解剖学を学ぶことも多かったと思います(かつ、多くの方々が学生時代に苦戦された学問だと思います)
里田先生は自身のオリジナルの模型を何体も作られ、その模型をもとにお話をしてくださるので、その分かりやすさから学生のみならず、臨床・教育・研究に携わっている方々からもとても人気のある先生です。
研修会当日も、選りすぐりの5つの模型を持参してくださり、その一つ一つを丁寧に説明していただきながら、研修を進めてくださいました。
模型の部品の大半は、百円ショップや日用品や身の回りの雑貨などを工夫して作成されており、そんなものからこのような模型が作れるのかと、参加者一同驚いていました。
参加者はリハビリテーション専門職だけではなく、看護師、ヘルパー、ケアマネージャーの方々も参加してくださっていたので、こういった機会になかなか触れることがなく、最初は模型に触ることもドキドキされていたようですが、里田先生のウイットに富んだ話を聞きながら実際の模型の作りに触れてみることで、予定だった研修時間よりも時間を延長しましたが、参加者は最後まで熱心に学んでおられました。
その後の親睦会では、里田先生が開発された持ち運びも考慮したオリジナルの
『喉頭ペーパークラフト』
を自ら作成しながら、自らの熱い思いを語ってくださいました。
解剖学という分野は、リハビリテーション専門職だけではなく、医学・歯学・薬学・看護といった医療職全般にとっては体の仕組みそのものを知る大変重要な基礎医学の学問です。
しかしながら骨・筋肉・神経・血管・臓器など覚えることが非常に多いことや、その後の臨床現場で直接学ぶ機会が少ないことなどから苦手意識を持っている方が多く、そういった苦手意識を持った人たちに対して、
『どうやったら分かりやすく、楽しく学んでもらえるのか』
を里田先生は日々考えておられます。
相手に苦手意識を持たせず、いかに楽しく学んでもらうかを常に考えていくことは、私の仕事にも通じることが多く、私自身も改めて教える楽しさ、学ぶ楽しさを教えていただいたように思います。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます!
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