こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
シリーズ『免疫力』では、これまでに免疫力の状態チェックと免疫力の仕組み(自然免疫・獲得免疫)についてお伝えしてきました。
まだ記事を読んでいない方は、今回の記事にも関係する大切な内容ですので、ぜひこの機会にご確認ください。
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第4回目の今日は免疫力アップに欠かせない腸内環境について
なぜ腸内環境を整える必要があるのか
についてお伝えします。
結論から先にお伝えすると
腸内環境を整えることは免疫力アップに非常に重要である
ということです。
でも、なぜそう言い切れるのか、そもそもの腸と免疫との関係を知っているのと知らないのとでは腸内環境を整えるための取り組みや目的意識が大きく異なってきます。
できるだけ分かりやすい説明を心がけていますが、もしご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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☆ヾ(´∀`)(´∀`)ノ☆
目次
そもそも何で腸内環境を整える必要があるの?
腸は免疫細胞の60〜70%が集中している
ことでも知られており、免疫細胞に大きく関わってくるのが
腸内細菌
の存在です。
腸内には
1000種類
100兆個
もの腸内細菌が住み着いていると言われています。
人を構成する細胞の数が
37兆個
なので、腸内だけでいかに多くの細菌が住み着いているかが分かりますね。
代表的な腸内細菌である
乳酸菌
ビフィズス菌
といった、発酵することで有益な物質を生み出す細菌を
善玉菌
と言います。
これらの善玉菌は健康維持のために必要な細菌であり
ビタミンの合成
消化吸収の補助・促進
感染の防御
免疫刺激
といった、体に良い作用をもたらしてくれます。
その一方で
ブドウ菌
ウェルシュ菌
大腸菌(有毒株)
といった体に有害な作用を及ぼす細菌を
悪玉菌
と言い、病気を引き起こす要因となる
腸内を腐敗させる
細菌毒素を発生させる
発がん物質を作る
有毒なガスを発生させる
といった体をどんどん弱らせてしまう作用を引き起こしてしまいます。
そして、善玉菌でも悪玉菌でもない
バクテロイデス
大腸菌(無毒株)
連鎖球菌
のことを
日和見菌(ひよりみきん)
と言い、普段は体にとって良くも悪くも作用しないのですが
善玉菌が有利になれば善玉菌につく
悪玉菌が有利になれば悪玉菌につく
という、まさに日和見主義に働くため、特に悪玉菌が有利になってしまった場合には
病気になりやすい体質になる
ことに繋がってしまうので、日和見菌をいかにして善玉菌の味方につけるかが大切になってきます。
「だったら、悪玉菌を完全に消滅させたら良いじゃない!」
o(☆`ω´☆)σイラネ-!
と思っている人も多いと思いますが、悪玉菌も常に人の体に害を与えているだけではなく
消化・吸収を助ける
免疫機能を高める(悪玉菌の存在があるから免疫応答につながる)
といった作用もあります。
大切なことは
善玉菌・悪玉菌・日和見菌がバランスよく腸内に存在する
ことだということは知っておいてください。
そしてそのバランス比は
善玉菌:2
日和見菌:7
悪玉菌:1
が理想とされ、日々の生活ではこのバランスを維持できるようにすることが大切になってきます(下図)。
腸内細菌のバランスが取れていると、腸内にたくさん存在していて、免疫力の要(かなめ)とも言われている
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)
が活発に活動することができるので、腸内環境を整えることがいかに大切かが分かりますね。
腸管免疫|腸の中の高度な免疫のシステム
腸内細菌とともに腸内環境を整える上で知っておいて欲しいこととして
腸管免疫
という免疫のシステムがあります。
口から肛門までが繋がっている消化管は、常に外の世界と接していることと同じなので、非常に多くの病原体の住処にもなりやすいところです。
また、そうした病原体の活動を助けてしまう悪玉菌も存在しているため、腸のあらゆる場所で
病原体との戦い
が繰り広げられています。
こうした病原体との戦いに打ち勝って健康な体を維持するためには、高度な免疫システムである腸管免疫が非常に重要な役割を担ってくれます。
その流れは以下の通りです。
❶病原体の増殖
病原体は外部と接している腸管の中でどんどん増えていきます。
悪玉菌の助けもあり、放っておくと病原体は際限なく増え続けてしまいます。
❷パイエル板とM細胞
腸の上皮(腸管腔と漿膜側との境目にある細胞の集まり)の一部である
パイエル板
と呼ばれるリンパ組織には、病原体取り込むための
M細胞
と呼ばれる細胞が存在しています。
このM細胞が病原体を直接粘膜の中(漿膜側)に取り込みます。
❸マクロファージ
M細胞から病原体を受け取ったマクロファージは、病原体を捕食・分解します。
❹抗原提示
病原体を捕食・分解したマクロファージは、ヘルパーT細胞に
抗原を提示
します。
❺サイトカインを産生する
抗原を提示されたヘルパーT細胞は
サイトカイン
という生理活性物質を産生し、B細胞を活性化させます。
❻抗体を産生する
活性化されたB細胞は
形質細胞
に転化するとともに
大量の抗体を産生
していき、産生された抗体は粘液と一緒に漿膜側から管腔側(腸管腔)に分泌されます。
❼病原体を無力化する
分泌された抗体が病原体と結合して
病原体を無力化
して体の外に排出されます。
ここまでの流れを図にすると以下の通りになります。
もちろん、腸の中(漿膜側)では、ナチュラルキラー細胞や樹状細胞といった免疫細胞も病原体への攻撃を行いますが、病原体以外の細胞を傷つけず、かつ、非常に強力な攻撃力となりうる抗体の作用は免疫にとって欠かせないものでもあります。
腸は免疫細胞の60〜70%が集中している
ということを踏まえ、このような免疫のシステムを見ていくと
非常によくできた仕組み
であることがお分かりいただけると思いますし、腸の中の免疫システムが崩れてしまうと
体全体の免疫力の低下にも繋がってしまう
ことがご理解いただけたかと思います。
まとめ
今回はシリーズ『免疫力』の第4回目として、免疫力アップに欠かせない腸内環境について
なぜ腸内環境を整える必要があるのか
についてお伝えしました。
最近では、腸内環境を整えることが免疫力アップに繋がることがさまざまなところで言われていますが、そもそもの腸と免疫との関係を知っているのと知らないのとでは腸内環境を整えるための取り組みや目的意識が大きく異なってきます。
次回以降は、具体的に免疫力を高めるためのさまざまな取り組みの各論に入っていきたいと思います。
コロナ禍がひと段落をしても、感染症や病気から身をも守ることがとても大切になってくるということを私たち一人ひとりがしっかりと認識し、このシリーズを通して免疫力を少しでも高めることができるようになっていただければ、とても嬉しいです。
(ㅅ´ ˘ `)♡
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こんにちは。
免疫細胞の60~70%が腸に存在しているため、腸の中の免疫システムが崩れると身体全体の免疫力低下に繋がるんですね!
腸内環境を整えることが非常に大事ですね。
KEIKO OKADAさま
いつもコメントありがとうございます^_^
腸には免疫細胞が多く存在していることから、腸活がとても大切になってくるんです♪
腸は個人個人の個体差も大きいので、自分の体にあった腸内環境の整備がとても重要になってきますので、今後の記事もぜひ参考にしていただけたらと思います。
またお気軽にコメントをいただけると嬉しいです(*^_^*)
こんにちは。
腸の中の免疫システムが崩れてしまうと、身体全体の免疫力低下にも繋がるんですね。
腸活続けていきます!
KEIKO OKADAさま
いつもコメントありがとうございます^_^
腸の中の免疫システムが崩れると、身体全体の免疫力も低下してしまうので、しっかりとした腸活が大切になってきますね♪
またお気軽にコメントをいただけると嬉しいです(*^_^*)