こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
今日は、高野山真言宗 僧侶の川本祐道(ゆうどう)として、仏教に関するちょっとした小話(こばなし)をします。
サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください
(*´▽`)ノノ
ちなみに、今日のアイキャッチの画像は、愛知県の南知多町の聖崎にある
弘法大師上陸像(上陸大師像)
です。
まるで海の上をお大師さまが歩いておられるようですね。
w;゚ロ゚)w オォォーーー!!
あらゆる祈りの大切さ
810年に起こった薬子の変(くすこのへん)では、兄である平城上皇(へいぜいじょうこう)と弟である嵯峨天皇(さがてんのう)が争うという、とても痛ましい事件でした。
お大師さまは
国のため
国家のため
国民のため
1日も早く国が穏やかになるよう必死に祈りを捧げて
嵯峨天皇を支えました。
そんなお大師さまと嵯峨天皇は、親交を深めていき、嵯峨天皇にとってお大師さまは密教の師というだけではなく、書家(しょか:書道の専門家)としても、文化人としても心を許す関係になったと言われています。
のちに、お大師さまが高野山を開くときや、東寺(教王護国寺)を賜るときや、全国の土木事業や文化事業などに、嵯峨天皇からの支援があったことは
嵯峨天皇とお大師さまとの間が強い絆で結ばれていた
ということがわかります。
これは、薬子の変の前後で体調を崩していた嵯峨天皇の病気が改善するように、お大師さまが祈祷(きとう:神様仏様にその御加護を求めて祈ること)もされたことも大いに関係していました。
こうした病気などの原因の一つとして、お大師さまが活躍された平安時代には
怨霊(おんりょう:怨みを抱いてたたりをなす霊)
が関係していたという話が多く残されています。
朝廷内での権力闘争で敗れた人、疫病や自然災害や不慮の事故で命を落とした人などが、怨みを抱いた霊として現世をさまよい、その怨霊が人々に
恐怖
を与え、生きている人を病気などで苦しめると考えられていました。
怨霊というと現代では非科学的なものとして捉えられるところが多いようですが、昔の人は
怨みを抱いてさまよう霊の存在
をきちんと認識していました。
お大師さまはあらゆる祈りの中に、こうした怨霊を鎮めるための祈りを用いられ
霊を慰める慈悲の心
を常に持ち
恐怖によって支配された世の中
病気や障害で苦しむ人
権力争いで疲れ切った朝廷内
争いによって荒れた土地
を安らかに鎮めるための祈りを続けられます。
お大師さまが
和泉国槇尾山寺(いずみのくにまきおさんじ)
高雄山寺(のちの神護寺)
乙訓寺(おとくにでら)
といったお寺の別当(べっとう:最高責任者)をいくつも兼務され
「願わくはこの介福(かいふく:大いなる幸い)をもって
国泰(くにやす)らかに人蕃え(さかえ:繁栄する)」(『請来目録』)
という言葉をことあるごとに繰り返し言われ、国や国民の一大事にあたっては、呪術的なものも含めた
あらゆる祈りをするように
との願いを込めて一身に祈りを続けてこられてきました。
こうした祈りは、新型コロナウイルスで私たちの心に入り込んでいる
恐怖
への向き合い方でも同じことが言えます。
恐怖に対してただ祈るだけではなく、大変な時期だからこそ
『身密(しんみつ)』=『行動』=助け合うこと
『口密(くみつ)』=『言葉』=優しい言葉
『意密(いみつ)』=『心』=思いやりの心
といった
実践的な祈りである『三密(さんみつ)』
をしっかりと用いることこそが大切だと言えるのではないでしょうか。
<お大師さまゆかりの地>
大慈山 乙訓寺(おとくにでら)
<画像出典:Wikipedia>
乙訓寺は、高野山豊山派の寺院で、聖徳太子が開いたと言われています。西暦811年にお大師さまが別当に任じられています。
<2分半くらいの動画で乙訓寺の紹介をされています>
お大師さまと同時期に中国の唐に渡った伝教大師最澄が、乙訓寺で密教についてお大師さまと法論を交わしたという記録が残っています。
牡丹(ボタン)の寺としても有名であり、4月下旬から5月上旬頃には、約2000株の花を咲かせることでも知られています。
所在地:〒617-0814 京都府長岡京市今里3丁目14−7
電話: 075-951-5759
交通アクセス:乙訓寺公式ホームページ
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おはようございます。これからベビーカステラ屋開店準備をします。上手くいくのか心配ですが子供達が楽しめるようしていきます。今の三密も大事ですが祈りの三密も実践するようにしていきたいと思います。
やまおさん
いつもコメントをありがとうございます♪
ベビーカステラ屋、とても興味があります(^^)
ぜひ、その時の状況をまた教えてくださいね。
今私たちが求められている「三密」と祈りの「三密」は異なる表現ではありますが、共に「大切な人を守る」という視点は同じです。
いろいろと制限がある中で、できることから始めていき、少しでも早く日常が戻ることを心より願いながら、自分の役割を継続していきたいと思います。
またお気軽にコメントをいただけると大変ありがたいです(*^^*)