いざという時に覚えておきたい胸骨圧迫とAED

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

生活しているといつどこで何が起きるかわかりません。

シリーズ『救命救急』では、いざという時のために、日頃から必要な知識や技術を学んでおくことは大切であり

 

あなたのその行動で助かる命がたくさんある

 

ということをお伝えしましています。

今回は救命救急シリーズの第3回目として『いざという時のために覚えておきたい胸骨圧迫とAED』というタイトルで、一次救命処置の要(かなめ)である胸骨圧迫とAEDについてお伝えします。

 

前回のブログでは、意識と呼吸についてお伝えするとともに

 

死戦期呼吸

 

のことも取り上げました。

この死戦期呼吸に関しては、復習も兼ねて今回のブログ内でも今一度動画を確認していただき

 

意識や呼吸の判断に迷った時には胸骨圧迫とAEDの使用

 

ということを繰り返し頭の中に入れておいてください。

<生命の記録MOVIE〜ASUKAモデル〜:6分間の動画でASUKAモデルについて紹介されています。死戦期呼吸の状態も動画で確認することができます>

この動画をみていただき

 

少しの勇気と行動で助かる命があるんだ

 

ということを身近に感じていただきたいと心から願っています。

(リンク:『体育活動時等における事故対応マニュアル〜ASUKAモデル〜』)。

 

胸骨圧迫


 

胸骨圧迫を開始することにより、傷病者の心臓と脳に血液を送ることができます。

これにより、一時的であれ脳や主要な臓器に血液で運ばれる酸素を送り届けることができるようになります。

圧迫の位置や深さなどは適切な目安が決められており、正しい方法で行う必要がありますが

 

「そんなの、急に言われても・・・」

(((( ;゚д゚)))ムリムリムリ

 

と言われるのが本音だと思います。

なので、出雲市が紹介している心肺蘇生法についての動画を添付しておきますので、こちらをぜひ参考にしてください。

<胸骨圧迫について1分程度の動画で紹介されています>

こうした動画を何回もみて、イメージトレーニングをしておくことはとても大切です。

ポイントは

 

強く

速く

絶え間なく

 

続けることが大切です。

また、胸骨圧迫は

 

2人以上が交代しながら行う

 

ことが望ましく、一人でも多くの人に手伝ってもらいましょう。

一人だけでは疲れも出てくるだけではなく、圧迫のテンポもわからなくなります。

 

1.胸骨圧迫の位置と圧迫をする時の姿勢

圧迫をする位置は

 

胸の真ん中

 

だと覚えておいてください(上図の赤い丸のところ)。

ここを押すことで胸の中央にある大きな骨である

 

胸骨の下半分を圧迫

 

することができます。

圧迫の時の手の組み方はイラストにも描いてありますが

 

①下になる手を上から押さえる手で重ねて軽く握りこむ(下になる手は開いたまま)

②下になる手の付け根(手掌基部)を胸の真ん中(胸骨の図で赤く丸をした部分)に置く

③下になる手の指はしっかり伸ばし、両肘もしっかりを伸ばす

 

ところがポイントです。

傷病者の真横に位置し、圧迫を行います。

圧迫の深さは

 

約5cm

 

とされていますが、肘をしっかり伸ばして押した場合は、5cm以上沈み込むことは構造上考えにくいので、何センチにこだわるよりも

 

圧迫位置の真上から体重をかけながら強く押す

 

ことを意識してください。

 

2.胸骨圧迫のテンポ

圧迫のテンポは

 

1分間に100〜120回

 

です。

圧迫のテンポが遅すぎると血液を送る量が少なくなり、逆に速すぎると十分な深さで圧迫をすることができなくなるので、適切なテンポを保つようにします。

1回ごとの圧迫を行った後には、力を抜いて、傷病者の胸の高さが元の位置に戻るまで圧迫を解除します。

これによって、傷病者の心臓に血液が戻ることを助けることができます。

また、圧迫の解除が不十分だと、次の圧迫が十分に行えないので注意が必要です。

胸骨圧迫を行う時には圧迫を行っている人が

 

イチ・ニッ・サンッ・シッ・ゴ・ロク・・・・・キュウジュウキュ・ヒャクッ

 

と口に出しながらリズムをとるようにしましょう。

何回か繰り返しているうちに口に出さなくてもできるようにはなりますが

 

自分が何回押しているか

リズムがきちんと取れているか

十分に圧迫と解除が行えているか

 

についての自己確認にもなるので

 

最初は口に出してリズムをとることを必ず行う

 

ことを意識してください。

待機している別の胸骨圧迫協力者には

 

1分間の計測(できれば10秒ずつのカウント)

交代のためのスタンバイ

 

を同時に行ってもらいます。

 

3.胸骨圧迫の交代

2人以上で胸骨圧迫をすることが望ましいとお伝えしたのは

 

①圧迫を加える人の体力はよく持って連続1〜2分程度である

②圧迫をする人(もしくは協力者)が圧迫回数を測り、待機している人が時間の計測を行うなどの役割分担が必要

③①と②を交代しながら安定して継続しないと胸骨圧迫が十分とは言えなくなる

 

といった要素があるため

 

2人以上の力が必要

 

になってくるのです。

胸骨圧迫をしてる人が交代する時には

 

「この圧迫回数を終えたら代われますか(代わりましょうか)?」

「残り○回まで圧迫したら交代準備を開始してください」

 

などの声かけを行い

 

絶え間なく圧迫ができるように

 

してください。

 

AED(自動体外式除細動器)の使用


 

胸骨圧迫を行いながら、AEDの到着を待ちます。

 

AEDが見つからない場合は胸骨圧迫を継続する

 

ことは覚えておいてください。

AEDは電気ショックによる治療だけではなく

 

電気ショックが必要かどうかの判断

 

もしてくれます。

AEDは装着してモニタリング(評価)をしている過程で、電気ショックが必要かどうかの判断をしてくれるだけではなく

 

混乱する救命の現場で音声や画面で指示をしてくれる

( `・ㅂ・)و YES!

 

というとても心強い存在なのです。

 

1.AEDの電源を入れる

AEDが届いたらまず行うことです。

上図でのイラストでは赤色の本体の上側にある緑色の丸が電源です。

意外と思われるかもしれませんが

 

ここでパニックになる

 

ことも珍しくないので、焦らずに電源を入れましょう。

AEDによっては蓋を開けると自動的に電源が入るものと電源ボタンを押すものとがありますが、いずれも電源がきちんと入っていれば

 

音声や画面(画面があるタイプ)で指示が流れます

 

逆にAEDが何も反応しない時には、電源が入っているかをもう一度確認してください。

それと、救命の現場はパニックになっている時やザワザワと騒がしくなることもあるので、その時には

 

「AEDの指示を聞きましょう!」

( ´・з・)bオシズカニ!!

 

と伝えるようにしましょう。

 

2.電極パットを貼り付ける

傷病者の胸から衣類を取り除いて肌が出るようにします。

電極パットを台紙からはがして粘着面(接着面)を傷病者の肌に直接貼ります。

この時に

 

肌が濡れている場合はタオルなどで拭き取る

貼り薬などをしている場合ははがして残っている薬剤などを拭き取る

ペースメーカーなどの医療器具をつけている場合は医療器具に当たらないように貼り付け場所を少しずらす

子供の場合で小児用パットがある場合は小児用パットを使用する(小児用がなければ成人用で大丈夫)

 

ところがポイントです。

パットの表面の絵や、音声指示に従って

 

胸の右上(右鎖骨の下で胸骨の右側)

胸の左下(左脇の下から5〜8cm下)

 

に貼ります。

高齢者は体型の変化(関節拘縮や皮膚の張りの低下)などがあり

 

「え?イラスト通りにならないじゃん!?」

アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!!

 

と焦ることもありますが、そこはあまりこだわらずにイラストに描かれてある場所に近いと思われるところに貼り付けてください。

貼り付ける際には

 

パットが隙間なく密着している

 

ことの方がむしろ大切になってきます。

パットを貼り付けている最中も

 

胸骨圧迫は繰り返す

 

ようにしてください。

 

3.心電図の解析

パットを素肌に貼るとAEDは自動的に心電図の解析に入ります。

AEDが

 

「心電図を解析中です。体に触れないでください。」

(` ・ω・´)ゞサワラナイデ!

 

という音声メッセージが出たら、胸骨圧迫を中断して傷病者から離れてください。

 

4.電気ショックと心肺蘇生の再開

電気ショックが必要な場合

電気ショックが必要な場合、AEDは

 

「(電気)ショックが必要です。充電中です。体から離れてください。」

 

といったメッセージが流れますので、AEDの指示に従ってください。

AEDは自動的に充電を開始し、充電が完了したら

 

「ショックを開始します。ショックボタンを押してください」

 

という音声が流れます。

 

必ず傷病者から離れていることを確認して電気ショックボタンを押す

 

ようにしてください。

電気ショック後

 

「ショックが完了しました。一時中断中です。ただちに心肺蘇生を再開してください。」

 

というメッセージが流れますので、ただちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開してください。

 

電気ショックが不要の場合

AEDからの音声メッセージで

 

「電気ショックは不要です」

 

といった指示があった場合も

 

胸骨圧迫は引き続き行う

 

ことを忘れないでください。

 

5.心肺蘇生とAEDの繰り返し

AEDは

 

2分おきに心電図を解析して指示を出す

 

ので、AEDの指示に従って胸骨圧迫を続けてください。

胸骨圧迫を含む心肺蘇生を中断して良いのは

 

傷病者が嫌がって動き出す

傷病者がうめき声を出す(死戦期呼吸ではない呼吸)

明らかに規則正しい呼吸をしている

医師または救急隊に傷病者を引き継ぐことができる時

救急者自身に疲労や危険が迫り、心肺蘇生を続けることが困難になった場合

 

とされていますので、これら以外の状況であれば、胸骨圧迫を続けてください。

 

ここまでの流れを動画でまとめたもので復習しましょう。

日本赤十字社が17分程度の動画でまとめたものがあります。

これまで知り得たことを一通り復習するとともに、必要な部分は繰り返し動画の内容を確認するようにしましょう。

【日本赤十字社】一次救命処置(BLS)〜心肺蘇生とAED〜

 

また、お住まいの地域、もしくは現在地から最寄りのAEDがわかる

 

日本救急医療財団全国AEDマップ

(๑•ᴗ•๑)♡

もしくは

AED N@VI

 

がありますので、AEDがどこにあるのかについて普段から意識づけておくことも大切です。

 

人工呼吸について


 

ここまで読まれた方の中には

 

「あれ?人工呼吸が入っていないけど」

(゚Д゚)ワスレトルンカ!!

 

と思われたかと思います。

はい、人工呼吸はあえて入れていません

過去のブログでもお伝えしていますが

 

人工呼吸の技術と意思があれば人工呼吸を胸骨圧迫と組み合わせて行う※1

※1.胸骨圧迫30回して人工呼吸を2回を繰り返す。人工呼吸が難しい場合は胸骨圧迫のみを続けてください。

 

とお伝えしました。

誤解の無いようにお伝えしますが

 

人工呼吸ができるのであればぜひ行って欲しい

m(_ _)m

 

ことには変わりありません。

ただ、実際に行うためには現状で課題となっているところは知っておいていただきたいと思います。

その理由は3つあります。

1.胸骨圧迫を途中で中断することの方がリスクが高い

人工呼吸を行っている時には、胸骨圧迫を中断する必要があります。

その時間は慣れた人でも

 

約16秒

 

です。

これは専門家の間でも

 

中断時間が長すぎる

(-_-;ナガイヨ…

 

とも言われています。

慣れた人でもこのくらいなので、慣れない人たちではもっと時間がかかってしまい、その間に

 

血圧はどんどん下がる

 

ことを招いてしまいます。

胸骨圧迫を中断して一度下がった血圧を再び上げるにはさらに時間と労力がかかるだけでなく、再度人工呼吸行うことで却って血圧が下がってしまうことの方がリスクが高いと言えます。

最近は胸骨圧迫のみでの蘇生についてもかなり注目されていますので、以下に文献を参考にしていただけたらと思います。

胸骨圧迫のみの蘇生法の効果と救命率向上にむけた今後の展望

日本が世界を導く心肺蘇生の新しい流れ

 

2.感染症などの心配がある

この記事を投稿している頃は、いまだに新型コロナウイルス感染症が収まっていない状況です。

その状況で

 

口と口で直接息を吹き込むことへの抵抗感が強い

 

のも現実ではないかと思います。

日本蘇生協議会の『JRC蘇生ガイドライン2015』や厚生労働省の『救急蘇生法の指針2015』でも、感染症のリスクは低いと言われていますが、リスクがゼロでない以上、お勧めすることはできないのが私の見解です。

※新型コロナウイルス感染対策の一環として、厚生労働省も胸骨圧迫とAEDを行って欲しいという新たなガイドラインを発表しています(2020年9月11日追記)

ウィズコロナ時代の心肺蘇生は? NHK

 

こういった感染への抵抗感について

 

フェイスシールド

ポケットマスク

が推奨されており、私も一つずつ必ずカバンの中に入れています。

いざという時のためや災害時には重宝しますので、この機会にご家庭に置いておくことも考えてみられてはどうでしょうか。

 

3.そもそもの手技が難しい

経験を積んだ人であれば、気道確保から人工呼吸までの手順は素早く行えると思います。

それでも、何度も行って慣れていないとすぐその場で人工呼吸を行うのはまず無理です

これは医療専門職であっても同じことが言えます。

人工呼吸では、確認事項も多く、冷静に判断をしながら行うことは

 

一定以上の経験が必要

 

とされます。

なので、無理に人工呼吸を行うよりも、まずは

 

胸骨圧迫とAED

 

を覚えていただく方がより実践的です。

 

まとめ


 

今回は『いざという時のために覚えておきたい胸骨圧迫とAED』というタイトルで、一次救命処置の要(かなめ)である胸骨圧迫とAEDについてお伝えしました。

経験が無い中で、胸骨圧迫やAEDの使用はほぼ不可能です。

まずはできるところから始めていただき、日本赤十字社、消防庁、各団体が主宰する

 

一次救命処置の講習

 

に何度も参加して、救命技術を磨いておくことも大切です。

事故や急な容態悪化などはいつ起こるかわかりません。

いざという時のために、日頃から必要な知識や技術を学んでおくことは大切ですし

 

あなたのその行動で助かる命がたくさんある

 

ということも覚えておいてください。

大切な命を守るためにも、今回お伝えしたことが少しでもお役に立つことができればと思います。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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