こんにちは。
広島の作業療法士の川本健太郎です。
そして高野山真言宗僧侶の川本祐道(ゆうどう)です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今日は2020年8月6日です。
今から75年前の
1945年8月6日 午前8時15分
広島に爆撃機B29エノラ・ゲイが飛来し、原子爆弾を投下しました。
原子爆弾は一瞬にして広島の街を焦土と化し、多くの人命が一瞬のうちに失われました。
あたり一面焼け野原の中、手や足の皮膚はただれ、人が人とも見分けがつかない状態で
親や子供を探してさまよう人
家屋の下敷きになった家族を助けようとしている人
爆風で飛び散ったガラス片が身体中に突き刺さったままの状態で助けを求める人
遺骸を抱き抱えながら必死に逃げ惑う人
熱さのあまり川に飛び込み溺死する人
燃え盛る火に囲まれて逃げ場をなくして生きながらに焼かれていく人
たった1つの原子爆弾が、そこにいる人たちの全てを一瞬にして奪ってしまいました。
原爆投下後、広島に救護隊として駆けつけた人たちには、しばらくして急性白血病などの症状が出始めます。
黒い雨が降る中、身内や知人を探したり、瓦礫の中から大切な家族の思い出を探したり、まだ見つかっていない人を建物の中で探したりして被曝した人。
行くあてもなく、バラック小屋を作って、そこでの生活を余儀なくされる人。
十分な医療体制が整わない中、診察の順番待ちをしている人たちの列が崩れ、その場で倒れ込んで亡くなってしまう人。
夜になると、激しい呻き声があちこちからしていたかと思えば、翌朝にはその人たちはすでに息を引き取っていたこと。
つい昨日までは、ごく当たり前の日常がそこにあったものが、もうそこには当たり前がなくなっていました。
私は直接その場にいたわけでも、戦争経験者でもありません。
でも、私は作業療法士として仕事をさせていただく中で、多くの被曝者やそのご家族とお話をする機会がとてもたくさんあります。
ここで紹介させていただいている内容は、そのお一人お一人から伺った話をそのまま掲載させていただいています。
皆さん、最初は語ることをしません。
あの時を思い出すから。
大切な家族、親戚、友人を失った悲しみを思い出したくないから。
でも、皆さん、少しずつ話をされるようになります。
「痛かったろう、苦しかったろう、ごめんね。」
「○○ちゃん、助けてあげられなくてごめんね。」
「私だけが助かって、ごめんね。」
「あの時、広島に行く言うてたの、なんで止めんかったんか、そればかり思うよ。」
そして必ずこう言われます。
「もう2度とあんなことがあってはいけない」
原子爆弾は国籍を問わず、多くの人命を奪いました。
お一人お一人のお話は、とても心に突き刺さるものですが、私たちの世代は、これをきちんと受け止め、次代につなげていなかければならないと強く思っています。
原爆慰霊碑には次の言葉が書かれています。
安らかに眠って下さい
過ちは
繰返しませぬから
戦後に開かれた極東国際軍事裁判(いわゆる東京裁判)で判事をつとめ、のちに広島で開催された世界連邦アジア会議に出席されたインドの
ラダ・ビノッド・パール博士
は、この碑文を見て
「この『過ちは繰り返しませぬ』という過ちは誰の行為を指しているのか。もちろん日本人が日本人に謝っていることは明らかだ。
それがどんな過ちなのか、私は疑う。
ここに祀ってあるのは、原爆犠牲者の霊であり、その原爆を落としたものは日本人でないのは明瞭である。
落とした者が責任の所在を明らかにして
『二度とこの過ちは犯さぬ』というなら肯(うなず)ける」
(Wikipediaより一部抜粋)
という言葉を述べられたと伝えられています。
私は誰かの何かについての責任を問いたいという気持ちはありませんし、そのことを言及するつもりもありません。
ただ、人類史上、原子爆弾が使われたという事実に関しては、これからも多くの人たちが議論を交わしていく中にあっても
「もう2度とあんなことがあってはいけない」
とする被曝者そしてそのご家族の思いをきちんとつないでいかなければならないと思います。
年が過ぎるとともに、原爆の話はどんどん人々の意識の中から薄れていっているように思え、特に若い世代にあっては8月6日や8月9日に何があったのかすら知らないということも増えてきています。
ただ、広島にいる者としては、この8月6日午前8時15分に起きた出来事を忘れることはありません。
今日だけに限らないことですが、祈りの気持ちを持ち続けるとともに、日々の何気ない日常に改めて感謝をするところであります。
皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。
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