こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。
この記事は私の好きな言葉でもある【一期一会】をもとに、作業療法士としての日々の出会いや色々な思いを綴ったショートストーリーです。
思わずクスッと笑える話から、ちょっと心のどこかに届くような話しなど、サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。
(*´▽`)ノノ
優しい会話
今日は何月になったんかのぉ?
[カレンダーを見ながら]今日は・・・2月3日じゃないかいね〜。
ほうか(そうですか)・・・節分じゃねぇ〜。
もうそんな日になったんじゃね〜。
・・・・ところで今日は何月になったんかのぉ?
[再びカレンダーを見ながら]今日は・・・2月3日じゃないかいね〜。
ほうか・・・節分じゃねぇ〜。
・・・・ところで今日は何月になったんかのぉ?
タツさんとミヨさんが通うデイサービス(通所介護)でいつも見られる光景です。
一見すると、夫婦の会話のようですが、お二人は夫婦ではなく、デイサービスでいつも仲良くされているお二人です。
そして二人の会話には
ツッコミがない
のが特徴です。
お二人とも認知症の症状があり、自宅に一人でおられると混乱したり、食事も摂らずに朝から晩まで過ごしたり、夜中に家の外に出たりしておられました。
デイサービスに通うことと、訪問看護を利用されるようになってから、精神的にもかなり落ち着かれ、今ではデイサービスに来ることを楽しみにされています。
タツさんはデイサービスに通って1年、ミヨさんは2年になります。
デイサービスに通いはじめた頃のタツさんは、いつもイライラしていて、職員に対してもかなり厳しい口調で
「わしは帰るんじゃ!」
(# ゚Д゚)帰ル!
とデイサービスに来られるたびに言われていました。
ある日、そんな怒っているタツさんのところにミヨさんがヒョイっと来てタツさんに話しかけました。
あんたぁ、どこからおいでなさったん(来られたの)?
話しかけられたタツさんは一瞬キョトンとした顔をしていましたが、自分の生まれ故郷(現在住んでいるところではない)のことや長年税務署で働いていた話しや親戚がどこに住んでいるか、といった話しをミヨさんに伝えました。
ミヨさんはタツさんが一所懸命話しをすることをウンウンと頷きながら話しを聞いていました。
そしてタツさんの話しを一通り聞き終えると
そうなんじゃね。あんたも苦労なすったんじゃね。
・・・・ところでどこからおいでなさったん?
あれれ?ミヨさん、それはさっき聞いたことだよ・・・と誰もがツッコミたくなったのですが、タツさんは機嫌を悪くすることなく、また1からご自身の話しをされ始めました。
タツさんとミヨさんの会話はずーっと同じ内容のループでしたが、しばらくして昼食の時間になると、ミヨさんから
もうご飯じゃけぇ、ご飯のあとに聞かせてな。
と言われると、タツさんは食事をする自分のテーブルに機嫌よく向かわれました。
それ以降、タツさんとミヨさんはレクリエーションや体操などの時にも一緒に過ごされることが多くなり、タツさんもデイサービス利用中はとても穏やかに過ごされるようになりました。
タツさんとミヨさんは決まって同じ内容の話しをされています。
側から聞いていると、ツッコミたくなる話しもされていますが、お二人のその会話の中にはツッコミはありません。
なので当然
言い争いがありません。
あるのは
心地よい雰囲気となんとも言えない笑顔
なのです。
人はひとりでは生きていけないですし、ひとりでは自分の殻に閉じこもってしまうことも多いと思います。
だからこそ誰かと一緒に過ごしながら会話をすることこそ、自分自身の安心感にも繋がりますし、人と人とを繋げる大切な活動だと思います。
そして心と心を通い合わせることに、会話の中に必ずしもツッコミや答えが必要という訳ではないのです。
誰かと一緒に過ごす時間というのはかけがえのない瞬間であり、それはどんな人でも、どんな状況でも同じことが言えるのではないかということを、タツさんとミヨさんとのやり取りを見ていて心から思うところです。
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