熱中症を見逃さない! 「かくれ脱水」を早めに見つけよう

こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

熱中症への対応を本格的に行わなければならない季節になり、このブログでもシリーズで『熱中症』について扱っています。

今回は、『熱中症を見逃さない! 「かくれ脱水」を早めに見つけよう』というタイトルで、熱中症を早めに発見するためのポイントをお伝えします。

熱中症は普段からの水分摂取方法を意識して取り組むことで、その危険性はグッと下がることはブログでもお伝えしています。

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でも日常的に脱水状態にあるにも関わらず、気がつけば

 

熱中症予備軍

 

になり、熱中症への赤信号手前になっていたという人も珍しくありません。

熱中症予備軍を見逃さないためには

 

「かくれ脱水」

 

と呼ばれる状態かどうかを把握しておくことが、熱中症を予防する上でとても重要になってきます。

 

「かくれ脱水」とは?


 

「かくれ脱水」とは、脱水症になりかけているのに、本人や周囲がそれに気づかないため、有効な対策が取れていない状態のことを言います。

<出典:STOP熱中症 教えて!「かくれ脱水」委員会

熱中症のような明らかな体調不良や、目に見える症状が現れることがほぼ皆無と言って良いほどなので、「かくれ脱水」になっていたとしても、日常生活に何か問題となる症状が発生しないので

 

「かくれ脱水」に気づける人はほぼいない

 

のが怖いところです。

「かくれ脱水」が進行すると、慢性的に体の中の水分が不足した状態になり、それが続くと

 

皮膚が異常に乾燥する

汗をかきにくくなる

舌を出すとすぐ乾く

手が冷たい

 

といった、体への異変が現れてきます。

でも、日常生活には特に差し障りがないので

 

「ま、そんなもんよ」

(ヾノ・∀・`)ソンナモンヨ

 

と言って放置してしまいがちになります。

しかし、急に猛暑日になったり、暑い場所に出ることが増えたりすると、大量の汗をかくことになり、その結果

 

あっという間に熱中症

 

になってしまうのです。

つまり、「かくれ脱水」になっている人は

 

熱中症予備軍

 

になっていて、熱中症への赤信号手前と言えます。

「かくれ脱水」はどの年代の人にも言えますが、特に気をつけたいのが

 

65歳以上の高齢者

 

です。

高齢者が熱中症になりやすいこととして

 

①暑さや渇きを感じる脳のセンサーの機能

 

②汗をかく機能(発汗機能)

 

③体調・体力の状態

 

④血液の状態

 

⑤体の中の水分量

 

といった機能の衰えもしくは著しい低下があることは前回のブログでもお伝えしましたが、さらに問題になるのが

 

暑さに対する感度が落ちて、不快に思わなくなること

 

であり、体は暑さで脱水になっているのに不快じゃないから暑いところに留まり続けてしまい、喉の渇きを感じるセンサーも衰えているので水分も摂らないままの状態を続けてしまうことです。

その結果、「かくれ脱水」の状態となってしまい、ひいては熱中症を引き起こしてしまうのです。

 

「かくれ脱水」かどうかチェックしましょう


 

まずは以下ので「かくれ脱水」どうかのチェック✅をしてみましょう。

 

1.かくれ脱水のチェックポイント

普段、あまり水分を摂らない

普段から水分をあまり摂らない人は、慢性的に水分不足で脱水になっている可能性があります。

皮膚が乾燥しやすい

体の中の水分が不足すると、うるおいのある皮膚の特徴でもあるハリやツヤが失われ、皮膚がカサカサと乾燥しやすくなってしまいます

食事量が少ない

食事から摂る水分量が極端に減ってしまうことで、脱水状態になってしまいます。

また、食事量が少ない人は、ビタミンやミネラルといった体を動かすやめに必要な機能や汗をかく機能が著しく低下してしまい、体の中の熱を外に出すことが難しくなり、脱水症状を起こしやすくなります。

めまい、立ちくらみ、ふらつくことが多い

めまいなどが起こるのは、脳への血流量が下がることが原因です。

特に、人間の体の中の水分でもある体液が2%以上減少すると、めまいなどの症状が出現し、20%減少すると命に関わります

お酒を飲む量が多い

アルコールには強い利尿作用があるため、体の中に必要としている水分までもを尿として体の外に出してしまいます。

お酒を飲む量が多い人は、アルコールが体の外に出るまでの間、脱水状態が続き、血液の流れが悪いまま過ごしていて、常に脱水状態であると言えます。

体がだるい

体の中の水分(体液)が失われると、全身への血液の流れも悪くなります。

その結果、体を動かすために必要なビタミンやミネラルが不足するので、少し動いただけでも体がだるいと感じたり、何もしていなくても体がだるいので動きたくなくなってしまいます。

脚がつりやすい

脚がつる原因はいくつかありますが、水分に含まれるナトリウムやカリウムやカルシウムといった電解質(イオン)が不足して、神経の伝達異常を起こしてしまい、脚がつりやすくなります。

他にも、体の中にたまった老廃物を外に出す機能が、脱水によって低下している場合にも脚がつりやすくなります。

首筋がいつもベタベタしている

「かくれ脱水」の状態にある人は、汗を出す腺(汗腺)の機能が低下しているので、ドロドロの汗をかくことが多いと言えます。

サラサラの汗ではなく、ドロドロ・ベタベタしている汗をかいているのであれば、それは脱水状態にあると言えます。

夏バテ気味

言うまでもなく、夏バテ気味と言うことは、体に十分な栄養が行き渡っていないだけではなく、体に必要な水分が十分に摂れていないことが原因でもあるため、脱水状態にあると言えます。

 

いくつ当てはまりましたか?

当てはまる数が多ければ「かくれ脱水」だと言えるので、できるだけチェック内容が減るような取り組みをしましょう。

『かくれ脱水のチェックポイント』はPDFでダウンロードできるようにしていますので、ご自由にお使いください。

↓ ↓ ↓

PDF版 かくれ脱水のチェックポイント

 

2.目で見て触って「かくれ脱水」確認

「かくれ脱水」かどうかを直接目で見たり触ってみて確認することもできます。

皮膚をつまんで3秒以内に元に戻らない

うるおいのある皮膚には弾力性がありますが、水分が少なくなると弾力性がなくなってきます。

そのため、脱水症の人は、皮膚をつまんで「富士山」のように盛り上がった皮膚が3秒経っても戻らないという現象を確認することができます。

握手をすると手が冷たい

脱水症になると、血液が重要な臓器に止まったまま流れようとしません。

これは、生きていく上で必要な臓器を守ろうするための反応であり、このことによって手指・足指などの末梢部分に血液が届かなくなり、その結果、手が冷たくなるのです。

親指の爪を押して赤みが戻るのが遅い

指先の血管は非常に細いため、水分不足の兆しが出やすい場所でもあります。

親指の爪を押して2秒以内に赤みが戻らなければ、脱水症を疑いましょう。

わきの下が乾いている(高齢者)

高齢者は、わきの下が汗でうるおっていることが多いのですが、脱水症になると汗が出にくくなって、乾いた状態になってしまいます。

舌を出すとすぐに乾く

脱水症になると、口の中の唾液の量が減るので、口の表面も乾きやすくなり、舌べろを出すとすぐに乾いてしまいます。

 

いくつ当てはまりましたか?

当てはまる数が多ければ「かくれ脱水」だと言えるので、できるだけチェック内容が減るような取り組みをしましょう。

『目で見て触って「かくれ脱水」確認』はPDFでダウンロードできるようにしていますので、ご自由にお使いください。

↓ ↓ ↓

PDF版 目で見て触って「かくれ脱水」確認

 

3.尿の色チェック

「かくれ脱水」を早く発見するために

 

トイレに行く回数

 

尿の色

 

をチェックすることが大切です。

健常な成人の平均的な排尿回数は

 

1日5〜8回

 

です。

この回数以下のことが多い場合は、「かくれ脱水」を疑ってください。

尿の色は

 

薄い黄色

 

が理想であり、尿の色が

 

濃い茶色

 

だった場合は「かくれ脱水」の可能性が高いと言えます。

朝、最初の尿は濃いめに出ることがほとんどですが、2回目以降になっても尿の色が薄くならないようであれば、「かくれ脱水」と思ってください。

そして、排尿をした時には下の表で表した『尿の色で脱水症状チェック』を行ってください。

 

4.改訂かくれ脱水発見チェックシート

以下の表に従って採点をします。

合計が9点以上の場合、「かくれ脱水」である可能性が高いと言えます。

 

この他にも、65歳以上の方を対象にした

 

STOP熱中症 教えて!「かくれ脱水」委員会

 

が行っている、「かくれ脱水チェック」を活用することもお勧めします。

外部リンク:STOP熱中症 教えて!「かくれ脱水」委員会

 

まとめ


 

今回はシリーズ『熱中症』の第5回目として『熱中症を見逃さない! 「かくれ脱水」を早めに見つけよう』というタイトルで、熱中症を早めに発見するためのポイントをお伝えしました。

熱中症は突然かかるものもあれば、今回の話のようにもともと熱中症になりやすい

 

「かくれ脱水」

 

の人が温度変化や環境変化によってあっさりと熱中症になることも珍しくありません。

普段から自分が熱中症になりやすいかどうかをみていきながらも、「かくれ脱水」になっていないかどうかを定期的にチェックすることも、熱中症の予防としてとても重要であることを知っていただきたいと思います。

自分や自分の周りの人の熱中症の予防のために、今回お伝えしたことが少しでもお役に立つことができればと思います。

 

 

皆さんの貴重なご意見・ご感想、大変参考になりますので、お気軽にコメントなどいただけると嬉しいです。

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