『才能』と『努力』とは何か?

20年以上、作業療法士として仕事をしていると、いろいろな人から相談を受けることがあります。

特に、私の場合は、作業療法士としての仕事のみならず、義足とともに25年以上生活してきたので、少しでも自分の体や心を大事にしながら、長くこの仕事を続けるためのいろいろな『努力』もしてきました。

なので、私のところに相談に来られる方は、自分自身の生活上の悩みだったり、自身のスキルアップをしたいけれども行き詰まっていることへの悩みだったり、と言った内容を持ってこられます。

今日はその中でも、私がお母さん方からよく聞かれる『才能』と『努力』についてお伝えしたいと思います。


『才能』と『努力』とは


 

私は仕事の関係上、障害を持つお子さんのお母さんへの支援や、学習に関する内容で人前でお話をすることがあります。

特に、私自身がどのように自分の障害と向き合ってきたかといった体験談や、どのようにして今の仕事を選んでどんな気持ちで仕事をしているのかについての話をさせていただくと、皆さんとても熱心に聞いてくださいます。

で、お話を終えた後で、よく聞かれることがあります。

「どうすれば川本さんのような『才能』を身に付けることができるんですか?」

「川本さんのような『努力』は私にはできないです。」

「自分の子供の『才能』をどうすれば伸ばすことができますか?

「うちの子は『努力』が苦手なんです。どうすれば『努力』するようになりますか?」

などなど、おっしゃりたいことはなんとなくわかります。

ただ、私について言えることは、

私自身、自分の『才能』がなんなのか、いまだにわかりません。

別に、とても控え目に話しているわけではないです。

自分を見下しているわけでもないです。

実際にそうだからです。

ちなみに、私の友人や知人なども自分の『才能』が分かっている人はまずいませんし、「自分にはこんな『才能』があるっ!」って言い切る人にも会ったことがありません。

ただ、共通して言えることは、『きっとこれが自分に向いてるかもしれない・面白い』となんとなく思っていることに対して、とりあえず『努力』してみることを続けているだけです。

 


誰だって最初から自分の『才能』には気づいていない


 

誰だって、最初から自分の『才能』に気づいているわけではないです。

いろいろな経験を通して、そこで

もがいたり、あがいたり、しながらも、

興味を持ったり、発想を変えてみたり、色々な人からアドバイスをもらったりしながら、

何となく自分の『才能』に気付き、それを伸ばしていくために『努力』をするのです。

だから私はいろいろなことに挑戦してきました。

向き不向きや『才能』があるとかないとかなど考えたこともないです。

誰かから無理やり命令されているわけでもないですし、嫌なことでも自分にとって将来何かの役に立つかもしれないといった感覚でいろいろなことに挑戦してきました。

そんな中で、何か手応えがあるというぼんやりとした感覚が、『才能』への気づきになっていると思います。

そしてその『才能』への気づきは、

そのほとんどが他人からの『評価』を受けて初めて気づくことが多い

ように思います。

みなさんも何かに挑戦している時、親や学校の先生や友達から「なかなかいいセンスしてるね」とか「案外、あなたに向いているのかもよ」とか「続けたら面白そうだね」とか、言われたことありませんか?

で、実際に続けてみると、案外面白かったり、やりがいがあったり、もうちょっと先までいってみたりしたいと感じるものがあると思います。

もちろん、いいことばかりじゃないし、辛い時もあります。

でも、辛い時もあるけれど、楽しい時もあるから続けたいという気持ちと行動が『努力』となるんです。

そして、その『努力』を周りから『評価』してもらって、はじめて『才能』と呼べるものが開花してくると私は思います。

 

だから私に質問をしてくださるお母さんたちには、まず

「お母さんは今のままでも十分頑張っておられますよ」

という前置きをした上で、

「お子さんの可能性を信じて、何かに挑戦できるきっかけを作ってください」

とお伝えしています。

その上で、

「お子さんが何かに挑戦している姿を暖かく見守ってあげてください。そして、良いか悪いかなどの結論をすぐには出さずに、お子さんや周りの方からしっかりと話を聞いて寄り添ってあげてください。」

とお伝えし、

「お子さんもその時にはわからなかったり、興味がないと言って挑戦をやめてしまうかもしれませんが、何かをきっかけにまた挑戦したいと思う気持ちが芽生えることを信じてあげてください」

とお伝えしています。

 

これは、仕事をしていても同じことが言えます(特に上司と部下の関係)。

最初から『仕事だから』と押し付けても、『成果』は一向に上がりません。

その人がどんなことに興味があって、どんなことからできそうなのかを上司がきちんと見極めた上で、その人が『挑戦』できる環境を整えていき、その『挑戦』をきちんと『評価』してあげれば、その人の『才能』も必ず開花します。

そうすれば、その人もよりいっそう『努力』しようと頑張り、結果的に『成果』が上がるのです。

何度も言いますが、最初から自分の『才能』に気づいている人はいません。

何かに『挑戦』していく中で

周りからの『評価』が加わり

そこから自分の『才能』に気づいて

それを伸ばそうと『努力』をしていくことで、

自分の『才能』が開花していく

ことを忘れないで欲しいです。

 

最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます!

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